• 三重県に関連のある仕事人
  • 1962年 生まれ

    出身地 三重県

とうげいか陶芸家

熊本くまもと 栄司えいじ

  • 仕事内容

    土を使って食器などの陶器をつくる

  • 自己紹介

    陶芸家とうげいかは作品で自己じこ主張しゅちょうをする職業しょくぎょうだと思っています。個性こせいを生かし、自分のスタンスをつらぬいて頑張がんばっています。

  • 出身高校

    麗澤高等学校

  • 出身大学・専門学校

    麗澤大学 外国語学部 イギリス語学科

  • 【このページに書いてある内容は取材日(2015年05月15日)時点のものです】

熊本 栄司


仕事人記事

土を成形し,高温で焼いて食器などをつくる

土を成形し,高温で焼いて食器などをつくる

陶芸とうげいは,土を練って板状いたじょうやひもじょうにしたものを手で成形する手ひねりや轆轤ろくろとよぶ回転台を使って形を整えて,食器や花瓶かびんつぼなどをつくる仕事です。一般いっぱん的な工程こうていとしては,乾燥かんそうかまでの焼成,絵付けなどを行って完成します。基本きほんは手作りが多く,家族や職人しょくにんさんが協力して工場をかまえてつくることもありますが,わたしのような「陶芸とうげい作家」とばれる人はすべての工程こうていを一人で行い,一つひとつの作品をつくっていきます。

個展こてんでの販売はんばい陶芸とうげい教室

<ruby><rb>個展</rb><rp>(</rp><rt>こてん</rt><rp>)</rp></ruby>での<ruby><rb>販売</rb><rp>(</rp><rt>はんばい</rt><rp>)</rp></ruby>と<ruby><rb>陶芸</rb><rp>(</rp><rt>とうげい</rt><rp>)</rp></ruby>教室

わたしの場合,仕事は通常つうじょう,朝9時頃じごろから始めて17時頃じごろまでやりますので,サラリーマンとさほど変わりないですね。ただ,画廊がろうや百貨店などで個展こてんを開くときは,その準備じゅんびで休日がとれないこともよくあります。個展こてん規模きぼにもよりますが,だいたい200~250くらいの作品を用意しなければなりません。また,個展こてん開催かいさいしている間は,会場でお客様に作品に対する想いを伝えたりしながら,ご購入こうにゅういただけるように努力しています。個展こてん以外の活動としては,自分の工房こうぼう陶芸とうげい教室を開いたり,四日市中日文化センターや出張しゅっちょう陶芸とうげい教室を行っています。

収入しゅうにゅうが一定でないことが最大の苦労

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年に数回の個展こてん以外に,引き出物の注文やレストランから食器の注文をいただくこともありますが,収入しゅうにゅうが一定しないことが一番苦労しているところです。また,個展こてんは自分の作品を多くの人に見てもらう機会ではありますが,個展こてん開催かいさい数を多くしぎると,時間に追われ,落ち着いて作品をつくる時間がなくなってしまいます。いろいろな仕事の割合わりあいをどうとっていくか,むずかしいところですね。実際じっさいに「個展こてんを開きませんか」というお話をいただいても,おことわりせざるを得ないこともありました。

喜ばれることが

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仕事はキツいこともありますが,好きなことをやっていますから楽しいですね。自分がつくったものを,「すごい」とか「良かったよ」と言ってもらったり,「プレゼントしたら喜んでもらったよ」と言われたりすると,つくるいになります。また,陶芸とうげいてんで賞をいただいたりすると,自分の仕事のはげみになります。

オリジナリティを大事に

オリジナリティを大事に

作品をつくる上では,オリジナリティを重視じゅうししています。唯一ゆいいつ無二のものをつくりたいという想いがあるので,わたしの作品は派手はでです。その作品を見て「派手はで花瓶かびんで花が負けてしまう」とか,「このお皿では料理がえない」などと言われることもあります。しかし,実際じっさいには上手に使っていただくお花の先生やシェフの方も多くいらっしゃいます。

陶芸家とうげいかになるキッカケは家業の手伝い

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初めは,自分から陶芸家とうげいかになろうとは思っていませんでした。もともとは,土鍋どなべづくりをしていた父が花瓶かびんづくりを始めて,大学卒業後に手伝うことになりました。手づくりした作品をカタログにせておろし問屋に配り,注文が入ると同じものを50,100とつくっていました。しかし,そんな仕事をかえしているうちにちがう作品もつくりたくなり,仕事の合間を見て作品をつくり,公募こうぼてんに出すようになったのです。回を重ねるうちに入選をするようになり,大きな陶芸とうげいてんでもグランプリをとることができました。それがきっかけで「個展こてんを開きませんか」という声がかかるようになったんです。陶芸家とうげいかは,免許めんきょがあるわけでもないので,基本きほん的に自分が「陶芸家とうげいか」と言えばそうですし,後は人がみとめてくれるかどうかということですね。

美術びじゅつはもともと好きだった

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小学校時代は,いたって普通ふつうの子どもでしたが,絵画やアートの作品は好きでした。四日市には「萬古ばんこ焼き」という伝統でんとう的な焼き物があります。「四日市萬古ばんこまつり」の時期になると,クラスで陶芸とうげい品をつくって入選したり,それ以外でも絵で表彰ひょうしょうされたりもしました。

本当にやりたいと思ったらガンガンやってみる

本当にやりたいと思ったらガンガンやってみる

陶芸家とうげいかになりたいんです」と言ってくる人もときどきいます。そういうときは陶芸家とうげいかについて話をします。いろいろと大変だという話を聞いて,それでも「やりたい!」というゆめに向かってあきらめない強い心を持った人に対しては先輩せんぱいとしてずっと応援おうえんをしていきたいと思っています。いろいろとキツいこともありますが,好きなら楽しい仕事です。もし興味きょうみがあって,人生をかけるくらいの覚悟かくごがあれば,チャレンジしてみてください。

  • 取材・原稿作成:株式会社ユニバーサルデザイン総合研究所/東京書籍株式会社/協力:株式会社東産業