仕事人

社会にはいろいろな仕事があるよ。気になる仕事や仕事人をたくさん見つけよう!

東京都に関連のある仕事人
1973年 生まれ 出身地 東京都
髙井たかい つよし
子供の頃の夢: 小学校教師
クラブ活動(中学校): 剣道部
仕事内容
じゅうたくを作るのに必要な材料を調達し,家づくりをささえる。
自己紹介
社交的なせいかくだと思っています。しゅは音楽かんしょうで,ながぶちつよしさんの大ファンです。自分でもギターをきます。
出身大学・専門学校
東京建築専門学校

※このページに書いてある内容は取材日(2017年11月08日)時点のものです

お客さまの住みたい家を作る

お客さまの住みたい家を作る

わたしは,東京都がねにある「じまこうてん」の「こうばい積算発注部門」で働いています。こうてんの仕事は,新しく家を建てたり,家のリフォーム・しゅうぜん作業をすることです。さらに,建てた家の定期てんけんも大事な仕事です。約50人の社員がいるじまこうてんとくちょうは,いきみっちゃくがたであることです。お客さまは,がね周辺に住む人たちが中心ですね。
しんちくの家は,一年間に60から70むねくらい作っています。じまこうてんが作るのは,主に注文じゅうたくです。すでに建っている家を売るのではなく,お客さまと相談しながら,お客さまの住みたい家を作っています。
家が完成するまでには,大きく分けて6つの部門のたんとうしゃが関わります。はじめに,「えいぎょうたんとう」がお客さまのご相談ないようを聞きます。次に,相談ないようを元に,「せっけいたんとう」が図面にします。さらに,けいやくしていただいた後は,「別のせっけいたんとう」が,しょうさいな図面を作ります。そして,「インテリアコーディネーター」が,家の中の色味や照明などをお客さまにていあんします。工事がはじまれば,「げんかんとく」がじっさいけんちくげんを出します。そして最後に,わたしたんとうしている「こうばい積算発注部門」という部門があるのですが,この部門は工事に必要なけんちく材料を業者に注文したり,予算を計算したりするのが仕事です。表にはあまり出ませんが,家づくり全体をささえる部門ですね。

「TOKYO WOODきゅう協会」の仕事も

「TOKYO WOOD普及協会」の仕事も

わたししょぞくする「こうばい積算発注部門」は,お金に関わるところをたんとうするしょです。たとえば,建てたい家の間取りが固まってきたお客さまには,けいやくの前に,「その家を建てるとどのくらいのきんがくがかかるのか」がわかるように,見積もりを出します。けいやく後は,予算の管理をします。けんちく材料を業者に発注したり,工事に協力してもらう業者さんへのはらきんがくを計算したりもします。
また,わたしは以前はせっけいしょで,せっけいを手がけていました。つうじょうは「こうばい積算発注部門」の人間が,お客さまとの打合せに参加することはあまりないのですが,わたしせっけいしきがあるので,お客さまとの打合せに参加することもあります。
こうしたぎょうに加え,「いっぱんしゃだんほうじん TOKYO WOODきゅう協会」の理事の仕事もしています。「TOKYO WOODきゅう協会」とは,東京に住む人々のらしに合った「メイドイントーキョーの家づくり」を進めているだんたいです。東京・いきの林業家,せいざいぎょう,プレカット工場,こうてんけんちくといった林業関係者が力を合わせて,東京で育ったしつの良い木「TOKYO WOOD」を使ったじゅうたくづくりを進めています。わたしは協会の理事として,それぞれの会社の意見をまとめたり,いっぱんのお客さまに東京の木のことを知ってもらうための,東京の森をめぐるバスツアーをうんえいしたりする仕事をしています。

お客さまとのコミュニケーションが大事

お客さまとのコミュニケーションが大事

家は多くの人には,一生に一度の買い物ですよね。だから,お客さまは,ただの建物を買っているのではなく,「ゆめ」を買っているのだとわたしは思っています。そうしたお客さまのゆめをかなえるのが,わたしたちの仕事です。
家づくりは,まだ形のないものを,じっさいに形にしていく作業です。お客さまにとっては,家がどういう完成形になるのか,イメージしづらい部分があるかもしれません。そのため,わたしたちは,しっかりとお客さまとコミュニケーションを取らなければいけません。わたしがお客さまとの打ち合せに参加するときは,せっけいしきと商品しきを生かして,より良いていあんができるように,がんばっています。
とはいえ,どんな家を作る場合でも,必ずかぎられた予算があります。予算内でお客さまの希望をじつげんできるように,一番良いていあんをしなければいけません。また,家が建ってから「とびらの色がイメージとちがう」なんて言われてしまっては,大変です。そのため,じっさいに工事を始める前に,お客さまとは何度も打合せをして,計画を立てるんです。

お客さまにとって大切な空間を作れるというやりがい

お客さまにとって大切な空間を作れるというやりがい

「衣・食・住」という言葉がありますが,服と食事,そして家は,生きていく上で,ぜったいに欠かせないものです。そういった,だれにとっても大切な「家」を作る仕事をしていることが,とてもうれしいですね。新しい家が建って,お客さまにわたすときには,だれもががおかべてくれるんです。住みはじめた後も,きっと,がおごされているとそうぞうします。そのようにお客さまにとって大切な空間を作るという仕事には,せっけいたんとうしていたときから,とても大きなやりがいを感じていましたし、こうばい積算発注部門で仕事をしている今も、それは変わりません。
車で走っているときに,自分が以前にせっけいたんとうした家を見つけることもあります。そのときには「あの家の中で生活してくれているんだな」「みんな笑って,いっだんらんをごしているんだな」と思います。そう思えるだけで,とてもうれしいですし,まんしたくもなります。そういった,てきな空間を作ることに関われるのが,こうてんの仕事のだいご味だと思います。

「TOKYO WOOD」の家づくり

「TOKYO WOOD」の家づくり

じまこうてんで建てている家の柱と土台は,すべて「TOKYO WOOD」を使っています。「TOKYO WOOD」は,東京ので育ったスギやヒノキの中でも,木のかたさや水分量をそくていし,きびしいじゅんをクリアした木をブランド化したものです。「TOKYO WOOD」の木は強度があり,長い間,安心してらせる家が作れます。
また,「TOKYO WOOD」の木材は,機械を使わず,天然かんそうさせたものです。そのため,かおりや表面の色つやが良く,鼻や目でも楽しめる家が作れます。じまこうてんでは,「TOKYO WOOD」を使って,冬はあたたかく夏はすずしい,五感にうったえる家づくりをすることを大切にしています。地元の木を地元で使う「地産地消」を目指して,これからも林業全体にこうけんしていきたいですね。少しずつ「TOKYO WOOD」を知ってもらえてきているので,これからも多くの人たちに知ってもらえるように,がんばっていきたいと思っています。

もくぞうの注文じゅうたくの仕事がしたかった

木造の注文住宅の仕事がしたかった

わたしはもともと,学校の先生になりたかったんです。しかし,あまり勉強をしていなかったこともあり,大学に進学はせず,きょうになるゆめはあきらめました。高校卒業後の進路を決めるときに,何をやりたいのか,改めて考えてみました。そして,「自分の住む家くらいは,自分で建ててみたいな」と思い,けんちくを学べるせんもん学校に進学しました。
せんもん学校を卒業後にじまこうてんに入社したのは,じまこうてんが,もくぞうの注文じゅうたくを作る会社だからです。すでに建てられた家を売る「建て売り」ではなく,お客さまとコミュニケーションを取りながら,思いをはんえいさせた家を建ててみたかったんです。
また,「もくぞうの家を作る」ということにも,強いこだわりがありました。じんてきに,もくぞうの家が大好きなんです。せっけい上も,もくぞうならお客さまの希望に合わせて,アレンジがききます。もちろん,もくぞう以外の建て方でも,それぞれ良い点や強みはあります。しかし,やはり日本の風土・気候に合うじゅうたくの建て方というのは,もくぞうだと思いますね。

けんどうが自分を成長させた

剣道が自分を成長させた

小さいころは,毎日,5つも6つも年上の友人たちといっしょに,外で遊んでいました。足のとどかない自転車に乗ったり,クワガタやカブトムシをりに行ったりしていました。夕方に流れるチャイムが聞こえてもまだ帰らないような,やんちゃな子どもでしたね。
小学校2年生からはけんどうを始め,けんどうけの日々でした。中学生になってからも,けんどうしょぞくしていました。その一方で,友だちにさそわれて,バンドもやっていました。たんとうはドラムだったのですが,わたしながぶちつよしさんが大好きだったので,ギターもあきらめられませんでした。そのため,フォークギターを買って,いっしょうけんめい練習しましたね。今でもギターは続けています。
高校に入学してからは,地元のけんどうクラブに通うのがメインになりました。けんどうクラブでは,年少の子どもたちにどうすることもありました。けんどうでは上下関係やれい作法を学ぶことができ,社会人になってからも役に立っています。両親からは「あなたのじんかく形成は,みんなけんどうのおかげ」とも言われるくらいです。

大きな心と広いを持とう

大きな心と広い視野を持とう

まず言いたいことは,約束は必ず守りましょう。ていしゅつ物のげんは守り,こくもしないようにしましょう。大人になってからもていしゅつ物はありますし,お客さまとの約束もあります。約束を守らないと,だれからも信用されなくなってしまいます。
また,みなさんには「大きな心と広いを持て」と言いたいですね。この言葉は,わたしが高校3年生の時に,当時のたんにんの先生から言われた言葉です。みなさんが,だれかとケンカをしたとします。そのときに,まず,自分が悪くないと思っていても,ただ相手にはらを立てるのではなく,「大きな心」を持って,冷静になってください。そして,ケンカには必ずげんいんがあります。何がげんいんでケンカをしてしまったのか。それをきちんとたしかめてから,どこがいけなかったのかを考えましょう。それが「広いを持つ」ということです。
わたしは仕事のときにも,「大きな心と広いを持つ」ことを心がけています。たとえば,自分の意見を伝えることが得意ではない人もいます。そういうときはあせらず,「大きな心」を持って,相手の言葉を冷静に聞きます。さらに,「広い」を持って,その人が本当は何を言いたいのか,よく考えるようにしています。みなさんも,人とコミュニケーションするときは,相手の言葉を冷静に聞き,その意味をしっかり考えるということを心がけると,うまくいくはずですよ。試してみてください。

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取材・原稿作成:東京書籍株式会社/協力:株式会社ファミリーマート,林野庁,NPO法人 共存の森ネットワーク