仕事人

社会にはいろいろな仕事があるよ。気になる仕事や仕事人をたくさん見つけよう!

東京都に関連のある仕事人
1990年 生まれ 出身地 東京都

藤田(ふじた) 渚(なぎ)
子供の頃の夢: 新聞記者 ライター
クラブ活動(中学校): バスケットボール部
仕事内容
たくさんの人が本と出会うきっかけをつくる
自己紹介
好きなこと,興きよう味みのあることはとことん追求するタイプ。好こう奇き心しんが人一倍強く,長期休みにはふらっと海外旅行に行くこともあります。
出身大学・専門学校

※このページに書いてある内容は取材日(2017年07月07日)時点のものです

出しゆつ版ぱん取とり次つぎ営えい業ぎようは,書店と出しゆつ版ぱん社しやをつなぐ架かけ橋はし

出版取次営業は,書店と出版社をつなぐ架け橋

私わたしはトーハンという出しゆつ版ぱん総そう合ごう商社で,営えい業ぎようを担たん当とうしている会社員です。トーハンでは,出しゆつ版ぱん社しやから仕入れた書しよ籍せき・雑ざつ誌しなどを日々,全国約5,000店の書店に流通させています。みなさんが手に取っている本や雑ざつ誌しは,トーハンのような取とり次つぎ会社を通して,書店に送られているわけです。私わたしは営えい業ぎよう職しよくですので,書店に出向いて市場調ちよう査さをしたり,品ぞろえをチェックしたり,担たん当とうの方とお話をして,今後売れそうな本の仕入れを交こう渉しようしています。なかでも,私わたしは神か奈な川がわ支し店てん内にある200店ほどの中から,20店を担たん当とうしています。担たん当とう店てん舗ぽは200〜300坪つぼくらいあるような大きな店てん舗ぽから商店街にある10〜20坪つぼくらいの小さな店までさまざまです。毎日,いくつかのお店に行って,お話を伺うかがっています。私わたしたちの仕事は,本を売るというよりは,出しゆつ版ぱん社しやと書店をつなぐ窓まど口ぐちのような役目といえます。例えば,出しゆつ版ぱん社しやからこの本を売りたいという要望があれば,担たん当とうしている店てん舗ぽに行って,店頭に置いてもらえないか交こう渉しようしたり,書店から今売れている本が欲ほしいと言われたときには,出しゆつ版ぱん社しやに本をもらえるように交こう渉しようしたり,ふたつをつなぐ橋のような存そん在ざいだと思っています。

最新情じよう報ほうを分ぶん析せきし,各書店の売り上げを改かい善ぜん

最新情報を分析し,各書店の売り上げを改善

私わたしの出社は朝8時頃ころです。出社してすぐ,書店や出しゆつ版ぱん社しやから届とどいたメールをチェックします。その後は担たん当とうしているお店の売り上げを確かく認にんし,市場の動向調ちよう査さをします。基き本ほん的てきに午後は外出することが多く,午前中にお店で頼たのまれた案あん件けんの処しよ理りや突とつ発ぱつ的てきな事案に対たい応おうしています。
最近では,電子書しよ籍せきを配信するアプリが出てきて,出しゆつ版ぱん業界全体が縮しゆく小しよう傾けい向こうにあります。特に書店は売り上げが少なくなってしまい,営えい業ぎようを続けるのが難むずかしい店てん舗ぽも少なくありません。そこで,私わたしたちに求められることは,売り上げ改かい善ぜんです。私わたしたちとお取り引きいただいている書店のデータを分ぶん析せきした上で,全国で売れている本や売り上げが上がっている店てん舗ぽを参考に,担たん当とうしている店てん舗ぽで展てん開かいできるものがないか,フェアができないかを提てい案あんします。午後は神か奈な川がわ県けん内の担たん当とう店てん舗ぽへ電車で行き,仕入れする本や売り方を担たん当とう者しやの方と一いつ緒しよに考えます。18時ぐらいまでに2,3店てん舗ぽを周り,そこから帰き宅たくしています。

担たん当とうする書店に寄より添そい,どうしたら本が売れるのか考える

担当する書店に寄り添い,どうしたら本が売れるのか考える

最近,一番苦労しているのは,いろいろなメディアや媒ばい体たいがある中で,どうしたらたくさんの人が紙の本を手にとってくれるのかを考えることです。本屋さんに足を運んでもらって,本を選んでもらわないと私わたしたちの売り上げにもなりません。いかに本屋さんに来てもらうか,そのために私わたしたちは何ができるのか,日々悩なやみ考えている状じよう況きようです。そのための解かい決けつ策さくとして,本の読み聞かせのフェアをやったり,着ぐるみを着て店頭に立ったりしてお客様を呼よび込こむなど,試し行こう錯さく誤ごしています。改かい善ぜん点てんのひとつとして,お客様の読みたい本が店頭にないとき,待っているお客様のために,どこよりも早く確かく実じつにその本を届とどけることも大切です。しかし,その本が用意できない場合,お断ことわりしなければいけないのですが,営えい業ぎようの力不足を実感します。日々お客様のニーズは変化していますので,それに合わせて私わたしたちも変化していかなければいけません。営えい業ぎようには柔じゆう軟なんさが必要です。トーハンの社員というよりは,書店の店員のように,その書店のことを理り解かいしたうえで,一番に何をすべきか考えて,行動するのが大切だと思っています。

やりがいを感じるのは,自分の意見が売り上げに貢こう献けんできたとき

やりがいを感じるのは,自分の意見が売り上げに貢献できたとき

担たん当とうさせていただいている店てん舗ぽの方と仲良くなりますと,自分の意見や思いを売り場に反はん映えいさせてもらえるようになります。例えば,今は全く売れていませんが,今後売れる可か能のう性せいのある本について,その理由を丁てい寧ねいに説明し,理り解かいしていただき,店内にコーナーを作ったことで,お店の売り上げに貢こう献けんできたとき,本当にやりがいを感じます。さらに,そのコーナーが全国に波は及きゆうして,月10〜20冊さつしか売れなかったものが100冊さつ,200冊さつ,1,000冊さつと売れるようなヒット本になったときは,やっていてよかったなと思います。
ヒット本を作るには,専せん用ようの手書きポップをつけたり,チラシを配ったりすることが大切です。書店さんは朝から商品を並ならべたり,レジ打ちをしたり,なかなか時間がありませんので,ポップやポスターは私わたしたちが準じゆん備びして提てい供きようさせていただくこともあります。ポップには,メッセージ性せいがあって興きよう味みを引くような文言が書いてあると手に取ってもらえる確かく率りつが高くなります。メディアの影えい響きようも強く,テレビで紹しよう介かいされたことや芸げい能のう人じんや有名人も読んでいることを一言入れておとくとより効こう果か的てきです。

仕事に大小はなく,全力で取り組む

仕事に大小はなく,全力で取り組む

日々いろいろな案あん件けんが発生して,私わたしのところにもご要望や問い合わせがあります。私わたしの信しん条じようとして,仕事に大小はありません。発注が100冊さつでも1冊さつでも待っている読者がいることに変わりはありませんので,頼たのまれたことには常つねに全力で最さい大だい限げんの熱意を持って取り組むことを大事にしています。最終的には本を買ってくださるお客様がいるという意い識しきのもとで仕事をしていかないと満足度が下がってしまいます。どんな小さなことに対しても,全力で応こたえるのが信しん頼らい関係にもつながります。また,書店さんにここまでやってくれる営えい業ぎよう担たん当とう者なのだと思っていただければ,お願いされやすく,逆ぎやくに私わたしからもお願いしやすいと思いますので,お店の大小に関わらず分わけ隔へだてなく仕事をすることを大切にしています。

本の素す晴ばらしさを多くの人に紹しよう介かいできる仕事

本の素晴らしさを多くの人に紹介できる仕事

大学生の頃ころ,就しゆう職しよく活動をしているときは,記者やライターといった自分の思いや考え方を表ひよう現げんできる仕事をしたいと思っていました。そうなるとテレビ業界や出しゆつ版ぱん業界にも視し野やが広がってきて,その中から出しゆつ版ぱん取とり次つぎという仕事があることを知りました。私わたしはもともと本が好きでしたので,出しゆつ版ぱん取とり次つぎなら自分が好きな本や同じような考え方をしている著ちよ者しやが書いた本を紹しよう介かいできる場が持てるのではないかと考えました。それにより,たくさんの人へ本と出会える機会を作っていけます。書店の売り場に自分の考えや意見を反はん映えいさせられれば,やりがいも感じられます。最初は今のような熱意はありませんでしたが,入社4年目の今は本当に楽しく仕事しています。トーハンでは,4年目でもたくさんの仕事を任まかせてくれて,自分の裁さい量りようで仕事に携たずさわることができます。営えい業ぎようを担たん当とうすることでよい経けい験けんをさせてもらっています。

本好きの少年が出会った,バスケットボールの名作マンガ

本好きの少年が出会った,バスケットボールの名作マンガ

小学校低学年の頃ころは本当に本が好きで,毎日図書館に通い,その日のうちに借りた本を読み終え,また次の日には借りに行くような子どもでした。今では考えられないのですが,1年間に200~300冊さつくらいの本を読んでいた記き憶おくがあります。たくさん本に触ふれたことで,考え方やいろいろな言葉を学びましたので,その気持ちが今も根底にあります。その頃ころはなかなか友達の輪に入れず,まさに本が友達でしたが,小学校高学年からはバスケットボールに熱中しました。バスケットボールをすることで,忍にん耐たい力りよくや我が慢まんを教えてもらい,根気強く仕事することにつながっています。本好きの少年だった私わたしがバスケットボールを始めるきっかけになったのがコミックの「スラムダンク」(著ちよ者しや:井いの上うえ雄たけ彦ひこ)です。アニメの再さい放ほう送そうを見て,スラムダンクを読み,バスケットに夢む中ちゆうになりました。今では人生のバイブル。毎年正月三が日で,1巻かんから31巻かんまで全部読み返します。この恒こう例れい行事を行うことで,今年も頑がん張ばろうと新しん鮮せんな気持ちになれます。

10代のうちは,やりたいことにチャレンジ

10代のうちは,やりたいことにチャレンジ

私わたしも20代後半になり,10代の頃ころに比くらべると人生の幅はばがはるかに狭せまくなっていると感じています。10代の可か能のう性せいは無む限げん大だいです。やはりみなさんには,若わかいうちにいろいろなことに挑ちよう戦せんしてもらいたいと思います。やりたいことややってみたいことは,ためらわずガンガン挑ちよう戦せんしてほしいです。何かを始めるタイミングに遅おそいということはありません。何の役にも立たないことでも,やってみることで,自分の人生の幅はばが大きくなり,可か能のう性せいが広がっていきます。大人になりますと,もっといろいろなことにチャレンジしておけば,自分の人生は違ちがったのかなと思うことがあります。そういった後こう悔かいを少なくするためにも,やりたいこと,考えていることがあれば,是ぜ非ひ挑ちよう戦せんしてもらいたいです。もし私わたしが10代に戻もどれるとしたら,海外に留りゆう学がくしたいです。見たことのないもの,知らないところ,知らない人,知らない文化をどんどん吸きゆう収しゆうして,自分の視し野やを広げられたらもっと見えてくるものも違ちがったのかなと思っています。

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齋藤 孝
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株式会社トーハン
取材・原稿作成:東京書籍株式会社