仕事人

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埼玉県に関連のある仕事人
1987年 生まれ 出身地 埼玉県

どうぶつかんごし動物看護師
福重(ふくしげ) 名月(なづき)
子供の頃の夢: 花屋
クラブ活動(中学校): 合唱部
仕事内容
動物病院で動物看護を行う
自己紹介
猫(ねこ)が好(す)き。真面目(まじめ)だけれど不器用(ぶきよう)でおっちょこちょい。休日はお菓子(かし)を作(つく)ったりする。

※このページに書いてある内容は取材日(2016年03月17日)時点のものです

2名の動物看護師(どうぶつかんごし)で,動物病院(どうぶつびょういん)の幅広(はばひろ)い仕事(しごと)を行(おこな)う

2名の動物看護師で,動物病院の幅広い仕事を行う

私(わたし)が勤務(きんむ)する動物病院(どうぶつびょういん)には,2名の獣医師(じゅういし)と, 2名の動物看護師(どうぶつかんごし)がいます。動物病院(どうぶつびょういん)と聞(き)くと動物(どうぶつ)のお医者(いしゃ)さん(獣医師(じゅういし))が有名(ゆうめい)ですね。獣医師(じゅういし)は診察(しんさつ),病気(びょうき)の診断(しんだん),治療(ちりょう),手術(しゅじゅつ)などをします。動物看護師(どうぶつかんごし)は病気(びょうき)の診断(しんだん)や治療(ちりょう),手術(しゅじゅつ)はできません。ですが,動物看護師(どうぶつかんごし)が行(おこな)う大切(たいせつ)な仕事(しごと)はたくさんあります。例(たと)えば,診察(しんさつ)のサポートや検査(けんさ),手術(しゅじゅつ)の助手(じょしゅ),入院動物(にゅういんどうぶつ)の看護(かんご)(観察(かんさつ),記録(きろく),食事管理(しょくじかんり),その他必要(たひつよう)な処置(しょち))などです。さらに,動物(どうぶつ)を連(つ)れてくる飼い主(ぬし)とのコミュニケーションも大切(たいせつ)です。薬(くすり)の飲(の)ませ方(かた)をお話(はな)ししたり,何(なに)か困(こま)っていることがないか,わからないことがないか確認(かくにん)して,アドバイスをしたり,獣医師(じゅういし)が行(おこな)う治療(ちりょう)や処置(しょち)を飼い主(ぬし)に分(わ)かりやすく説明(せつめい)することもあります。
動物病院(どうぶつびょういん)は,犬,猫(ねこ)を中心(ちゅうしん)に診察(しんさつ)するところが多(おお)いですが,私(わたし)の勤務(きんむ)する病院(びょういん)では鳥(とり)も診察(しんさつ)します。鳥(とり)やウサギ,ハムスター,フェレットなどは「エキゾチックアニマル」と言(い)って,診察(しんさつ)してくれる動物病院(どうぶつびょういん)が少(すく)ないと言(い)われています。また,傷(きず)ついた野生動物(やせいどうぶつ)を保護(ほご)する特別(とくべつ)な動物病院(どうぶつびょういん)に指定(してい)されているので,傷(きず)ついたスズメ,ムクドリ,オオタカ,ハクビシン,タヌキなどが運(はこ)ばれてくることもあります。

動物(どうぶつ)をよく観察(かんさつ)して,最適(さいてき)な看護(かんご)をする

動物をよく観察して,最適な看護をする

朝(あさ)9時(じ)に病院(びょういん)の受付(うけつけ)が始(はじ)まり,診察(しんさつ)は夜(よる)7時(じ)まで行(おこな)います。動物看護師(どうぶつかんごし)は受付(うけつけ)の仕事(しごと)もしながら,診察(しんさつ)や手術(しゅじゅつ)の補助(ほじょ)もします。診察(しんさつ)の合間(あいま)に医療器具(いりょうきぐ)の手入れや消毒(しょうどく),薬(くすり)の在庫(ざいこ)をチェックして,診察時間(しんさつじかん)が終(お)わると,病院内(びょういんない)の掃除(そうじ),ゴミ出しなども行(おこな)います。病院内(びょういんない)を清潔(せいけつ)にすることは,病気(びょうき)が他(た)の動物(どうぶつ)にうつることを予防(よぼう)することや,治療(ちりょう)している動物(どうぶつ)の病気(びょうき)が早く治(なお)る環境(かんきょう)をつくるためにとても大切(たいせつ)なことです。
動物(どうぶつ)は具合(ぐあい)が悪(わる)いことを言葉(ことば)で話(はな)してくれません。ですが,病気(びょうき)になると色々(いろいろ)なサインで具合(ぐあい)が悪(わる)いことを私(わたし)たちに教(おし)えてくれます。例(たと)えば,痛(いた)みが表情(ひょうじょう)やしぐさに出ていたり,呼吸(こきゅう)が早かったり,舌(した)の色(いろ)が紫(むらさき)だったりすることがあります。そのサインを見逃(みのが)さないように動物(どうぶつ)をよく観察(かんさつ)することがとても大事(だいじ)です。動物看護師(どうぶつかんごし)が受付(うけつけ)で,その時(とき)の動物(どうぶつ)の状態(じょうたい)を観察(かんさつ)し,急(いそ)いで処置(しょち)が必要(ひつよう)だと判断(はんだん)したら,診察(しんさつ)の順番(じゅんばん)を変(か)えて獣医師(じゅういし)に処置(しょち)をしてもらうこともあります。
そして診察(しんさつ)の時(とき)は,動物(どうぶつ)に安心(あんしん)して,安全(あんぜん)に診察(しんさつ)や治療(ちりょう)を受(う)けてもらうため,動物看護師(どうぶつかんごし)は「保定(ほてい)」を行(おこな)います。「保定(ほてい)」は,抱(だ)きかかえるなどして動物(どうぶつ)をじっとさせる技術(ぎじゅつ)のことです。力任(ちからまか)せにおさえるのではなく,診察(しんさつ)や治療(ちりょう)を受(う)ける動物(どうぶつ)のことを考(かんが)えた技術(ぎじゅつ)を学ぶことが必要(ひつよう)です。

動物病院(どうぶつびょういん)は知識(ちしき)の宝庫(ほうこ)

動物病院は知識の宝庫

最近(さいきん),犬,猫(ねこ),鳥以外(とりいがい)の動物(どうぶつ)を連(つ)れてくる人が増(ふ)えてきています。特(とく)に,ハリネズミやフクロモモンガ,テグーなどのめずらしい動物(どうぶつ)を飼う人が増(ふ)えたように感(かん)じますね。私(わたし)たちの病院(びょういん)はエキゾチックアニマル専門(せんもん)の病院(びょういん)ではありませんが,動物病院(どうぶつびょういん)によって診察(しんさつ)できる動物(どうぶつ)の種類(しゅるい)が限(かぎ)られていることもありますので,めずらしい動物(どうぶつ)を飼う場合(ばあい),近(ちか)くに診(み)てくれる動物病院(どうぶつびょういん)があるか,飼う前(まえ)に確認(かくにん)しておいてほしいです。病気(びょうき)になったとき,きちんと動物病院(どうぶつびょういん)で治療(ちりょう)を受(う)けられるようにすることも,ペットを責任持(せきにんも)って飼うことの一部(いちぶ)です。
他(ほか)にも,動物看護師(どうぶつかんごし)は飼い主(ぬし)にどんな時(とき)に動物病院(どうぶつびょういん)に連(つ)れて行(い)ったほうが良(よ)いのか,動物(どうぶつ)への薬(くすり)の飲(の)ませ方(かた),家(いえ)で出来(でき)る動物(どうぶつ)へのケア,老犬(ろうけん)の介護(かいご)の方法(ほうほう),病気(びょうき)の予防(よぼう)など,ペットを飼う上で必要(ひつよう)となるいろいろな情報提供(じょうほうていきょう)もしています。ですので,積極的(せっきょくてき)に動物病院(どうぶつびょういん)を活用(かつよう)してほしいと思(おも)っています。

大好(だいす)きな動物(どうぶつ)に囲(かこ)まれて仕事(しごと)ができる

大好きな動物に囲まれて仕事ができる

たくさんの動物(どうぶつ)に接(せっ)しながら仕事(しごと)ができ,毎日(まいにち)がとても充実(じゅうじつ)しています。そして,病気(びょうき)だった動物(どうぶつ)が元気(げんき)になって,退院(たいいん)するときが嬉(うれ)しい瞬間(しゅんかん)です。そのときに「ありがとう」と言(い)ってもらえるとさらに嬉(うれ)しいです。入院中(にゅういんちゅう)ずっと不安(ふあん)そうな表情(ひょうじょう)をしていた犬が,退院(たいいん)する時(とき)に飼い主(ぬし)と再会(さいかい)して大喜(おおよろこ)びする姿(すがた)も印象的(いんしょうてき)です。動物(どうぶつ)と飼い主(ぬし)が良(よ)い関係(かんけい)を築(きず)く手助(てだす)けができていると感(かん)じる瞬間(しゅんかん)でもあり,動物看護師(どうぶつかんごし)をしていて良(よ)かったと思(おも)います。
動物看護師(どうぶつかんごし)は,2013年に「認定動物看護師(にんていどうぶつかんごし)」という資格(しかく)ができ,14,000人以上(にんいじょう)の人が認定動物看護師(にんていどうぶつかんごし)として働(はたら)いています(平成(へいせい)28年3月時点(げつじてん)) 。動物看護師(どうぶつかんごし)は獣医師(じゅういし)と連携(れんけい)し,動物医療(どうぶついりょう)を提供(ていきょう)しています。「動物医療(どうぶついりょう)チーム」の一員(いちいん)としてより質(しつ)の高(たか)い動物看護(どうぶつかんご)を提供(ていきょう)するために今(いま),多(おお)くの動物看護師(どうぶつかんごし)たちが社会(しゃかい)で活躍(かつやく)しています。動物看護師(どうぶつかんごし)の仕事(しごと)は責任(せきにん)があり,大変(たいへん)な仕事(しごと)かもしれませんが,とてもやりがいのある仕事(しごと)です。私(わたし)は今(いま),一般社団法人日本動物看護職協会(いっぱんしゃだんほうじんにっぽんどうぶつかんごしょくきょうかい)という,全国(ぜんこく)の動物看護師(どうぶつかんごし)が作(つく)る団体(だんたい)でも活動(かつどう)しています。この団体(だんたい)は,行政(ぎょうせい)や社会(しゃかい)に働(はたら)きかけ,たくさんの人に動物看護師(どうぶつかんごし)の仕事(しごと)を知(し)ってもらい,動物看護師(どうぶつかんごし)が勉強(べんきょう)できる環境(かんきょう)づくりをサポートする活動(かつどう)をしています。

初心(しょしん)を忘(わす)れず毎日勉強(まいにちべんきょう)

初心を忘れず毎日勉強

動物看護(どうぶつかんご)には必(かなら)ずしも正解(せいかい)はありません。動物(どうぶつ)の個別性(こべつせい)に合(あ)わせた看護(かんご)が求(もと)められます。例(たと)えば,同(おな)じ病気(びょうき)の猫(ねこ)が2匹(ぴき)いたとします。同(おな)じ病気(びょうき)の猫(ねこ)でも,その猫(ねこ)の性格(せいかく),生活環境(せいかつかんきょう),受(う)けてきた治療(ちりょう),飼い主(ぬし)との関係(かんけい)などはそれぞれ異(こと)なり,個別性(こべつせい)があると言(い)えます。動物看護師(どうぶつかんごし)は,それぞれの動物(どうぶつ)と飼い主(ぬし)をみて必要(ひつよう)な看護(かんご)をすることが大切(たいせつ)なのです。そのためには,「毎日(まいにち)が勉強(べんきょう)」という姿勢(しせい)もとても重要(じゅうよう)です。これは働(はたら)き始(はじ)めたころから大切(たいせつ)にしていることでもあります。
動物医療(どうぶついりょう)や看護(かんご)も,日々発展(ひびはってん)しています。ですので,自分(じぶん)から新(あら)たな知識(ちしき)を身(み)につけなければなりません。学生時代(がくせいじだい)に習(なら)ったことだけでは,目の前(まえ)の動物(どうぶつ)たちに最適(さいてき)な看護(かんご)を提供(ていきょう)することができません。そこで,動物看護師向(どうぶつかんごしむ)けの研修会(けんしゅうかい)に参加(さんか)したり,本を読(よ)んだり,インターネットで情報(じょうほう)を得(え)たり,仕事(しごと)をしながらの勉強(べんきょう)も欠(か)かせません。
技術(ぎじゅつ)や知識(ちしき)に加(くわ)えて,動物(どうぶつ),飼い主(おも)それぞれへの気遣(きづか)いも忘(わす)れず,いろいろなことに目を向(む)け,常(つね)に広(ひろ)い視野(しや)を持(も)ちながら仕事(しごと)をしようと心(こころ)がけています。

実習(じっしゅう)でお世話(せわ)になった動物病院(どうぶつびょういん)に就職(しゅうしょく)

実習でお世話になった動物病院に就職

子どものころから猫(ねこ)が大好(だいす)きで,近所(きんじょ)の猫(ねこ)とよく遊(あそ)んでいました。将来(しょうらい)のことを考(かんが)えたとき,動物(どうぶつ)が好(す)きだったので,動物(どうぶつ)と接(せっ)することのできる仕事(しごと)がしたいと思(おも)うようになりました。中学2年生のころ,動物看護師(どうぶつかんごし)という仕事(しごと)があることを知(し)り,目指(めざ)すことにしました。高校(こうこう)を卒業(そつぎょう)して,動物看護(どうぶつかんご)を学べる3年制(ねんせい)の短期大学(たんきだいがく)に進(すす)みました。大学3年のときに動物病院実習(どうぶつびょういんじっしゅう)に行(い)った動物病院(どうぶつびょういん)が,実(じつ)は今勤務(いまきんむ)している病院(びょういん)です。
実習(じっしゅう)のとき,院長(いんちょう)や先輩(せんぱい)の動物看護師(どうぶつかんごし)がとてもよく指導(しどう)してくださり,病院(びょういん)の雰囲気(ふんいき)も良(よ)かったので,そのまま働(はたら)くことを希望(きぼう)しました。最初(さいしょ)のころは覚(おぼ)えることが多(おお)く,本当(ほんとう)に毎日(まいにち)があっという間(ま)に過(す)ぎていきました。それまで学んできたことを実践(じっせん)するだけではなく,実際(じっさい)に働(はたら)いてみないと分(わ)からないこともたくさんありました。

勇気(ゆうき)を出して合唱部(がっしょうぶ)に入部(にゅうぶ)した中学生時代(ちゅうがくせいじだい)

勇気を出して合唱部に入部した中学生時代

小学校1年生から4年生,そして中学1年生の時(とき)に不登校(ふとうこう)を経験(けいけん)しました。当時(とうじ)の私(わたし)はとても内気(うちき)な子どもでした。人の目を見て話(はな)せなかったり,自分(じぶん)の意見(いけん)を他人(たにん)に伝(つた)えたりすることができませんでした。しかし,中学2年生になったとき,少(すこ)し勇気(ゆうき)を出して合唱部(がっしょうぶ)に入ってみました。そこではじめて歌(うた)うこと,誰(だれ)かと一緒(いっしょ)に一つのことを成(な)し遂(と)げることの素晴(すば)らしさを体験(たいけん)しました。そして何(なに)より,素晴(すば)らしい仲間(なかま)と友人(ゆうじん)ができました。高校生(こうこうせい)になるとと吹奏楽部(すいそうがくぶ)に入り,サックスを演奏(えんそう)しました。80人以上(にんいじょう)もいる部活動(ぶかつどう)で人間関係(にんげんかんけい)もさまざまでしたが,学ぶことも多(おお)く好(す)きなことができることの楽(たの)しさを知(し)りました。
引(ひ)っ込(こ)み思案(じあん)の性格(せいかく)でしたが,今(いま)では毎日(まいにち)たくさんの人や動物(どうぶつ)たちと自分(じぶん)から積極的(せっきょくてき)に向(む)き合(あ)う仕事(しごと)をしています。そして,そんな毎日(まいにち)がとても楽(たの)しいと感(かん)じています。今思(いまおも)うと,あのころの少(すこ)しの勇気(ゆうき)の積(つ)み重(かさ)ねが,前向(まえむ)きな変化(へんか)をもたらしてくれたのかなと思(おも)っています。

得意(とくい)なこと,好(す)きなことを一つでも多(おお)く見つけてほしい

得意なこと,好きなことを一つでも多く見つけてほしい

失敗(しっぱい)したことや,苦手(にがて)なことについてくよくよして,そのことばかり考(かんが)えてしまうかもしれません。しかし,発想(はっそう)を転換(てんかん)して,「これができる」「私(わたし)はこれが得意(とくい)」ということを一つでも見つけて,続(つづ)けてみてください。
動物看護師(どうぶつかんごし)になりたてのころ,自分(じぶん)が失敗(しっぱい)したときのことや自分(じぶん)が他(た)の人と比(くら)べて出来(でき)ないことばかり気にして落ち込(こ)んだ時期(じき)がありました。そのとき,学生のころから得意(とくい)だった「チラシ作(つく)り」「イラスト制作(せいさく)」のことを思(おも)い出し,動物看護(どうぶつかんご)の知識(ちしき)を生かした飼い主向(ぬしむ)けのパンフレットを試作(しさく)してみました。すると院長(いんちょう)が,それを飼い主向(ぬしむ)けのパンフレットとして実際(じっさい)に使(つか)ってくれました。その経験(けいけん)を通(とお)して,人の役(やく)に立てたと実感(じっかん)でき,自信(じしん)がつきました。得意(とくい)なことを伸(の)ばしつつ,「失敗(しっぱい)から学んで次(つぎ)に活(い)かす!」ということを意識(いしき)し,苦手(にがて)なことも少(すこ)しずつ出来(でき)るようになりました。みなさんにも,得意(とくい)なことを見つけて,それを誰(だれ)かに提供(ていきょう)し,認(みと)められて自信(じしん)がつく,という経験(けいけん)をしてもらいたいと思(おも)っています。どんな小さなことでも構(かま)いません。自分(じぶん)の得意(とくい)なこと,好(す)きなことを大切(たいせつ)にしていってくださいね。

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取材・原稿作成:東京書籍株式会社