仕事人

社会にはいろいろな仕事があるよ。気になる仕事や仕事人をたくさん見つけよう!

東京都に関連のある仕事人
1989年 生まれ 出身地 神奈川県

片桐(かたぎり) 春香(はるか)
子供の頃の夢: パティシエ
クラブ活動(中学校): イラスト・マンガ部
仕事内容
印刷したものを製せい本ほんして書しょ籍せきにする。
自己紹介
好こう奇き心しん旺おう盛せいで,ちょっとお茶ちゃ目めだと自分でも思います。休みの日はスパで仕事の疲つかれをいやしています。

※このページに書いてある内容は取材日(2017年03月01日)時点のものです

同どう人じん誌し印刷のスペシャリストとして

同人誌印刷のスペシャリストとして

私わたしが働いている「しまや出しゅっ版ぱん」は,「同どう人じん誌し」に特化した印刷・製せい本ほん会社です。同どう人じん誌しとは、個こ人じんやグループで作り上げる雑ざっ誌しのことです。一いっ般ぱん的てきな印刷会社は企き業ぎょうや団だん体たいから大口の注文を受けるのが普ふ通つうですが、私わたしたちは個こ人じんやグループで漫まん画がを描かいている方や小説を書いている方から依い頼らいを受けることが多いんです。本づくりに詳くわしくない人でも気軽に自分の作品をつくれるよう,きめ細かなサービスを心こころ掛がけています。
みなさんは,本が完成するまでの工こう程ていを知っていますか?本づくりでは,一度に100冊さつ,1000冊さつと大量につくるので,大きな紙に何ページ分もまとめて印刷し,そのあとで実じっ際さいの本の大きさに合わせて断だん裁さいします。ここではまだ,1ページずつばらばらの状じょう態たいです。これを1冊さつの本に仕上げていく工こう程ていが「製せい本ほん」です。製せい本ほんの際さい,断だん裁さいした紙に汚よごれがないかをチェックし,ページ順に並ならべ,機械を使って1冊さつずつ分けていく工こう程ていがあります。これを「丁ちょう合あい」といいます。そして,背せの部分を表紙にのり付けする「バインダー」という作業のあと,三辺をきれいに断だん裁さいしたら完成です。これが本づくりの基き本ほん的てきな流れです。
社内には印刷のチームと製せい本ほんのチームがあり,私わたしが所しょ属ぞくする製せい本ほんチームでは,約10台の機械を使い,印刷されたものを本の形に仕上げていきます。私わたしは,丁ちょう合あいやバインダー作業の中でも,ホログラムなどの特とく殊しゅな加工が必要なものを中心に担たん当とうしています。

しまや出しゅっ版ぱんの一日

しまや出版の一日

普ふ段だんは毎朝9時に出しゅっ勤きんし,18時ごろまで勤きん務むしています。繁はん忙ぼう期きはもっと遅おそくなることもあります。基き本ほん的てきに,午前中に本文の汚よごれのチェックや丁ちょう合あいを行い,午後はバインダーの作業をします。しまや出しゅっ版ぱんでは,注文を10冊さつからお受けしており,案あん件けんごとに冊さっ数すうは大きく異ことなりますが,1件けんで100冊さつから200冊さつくらいが平へい均きんです。多いときは「1万冊さつ」という注文をいただくこともあります。年間の受注数は約6000件けん。1日に平へい均きん20から30件けん分の本をつくっています。
同どう人じん誌しは,全国各地で開かれる即そく売ばい会かいで販はん売ばいされます。毎年夏と冬に,国内最大規き模ぼの即そく売ばい会かいであるコミックマーケットが開かれますが,開かい催さい期間前は注文がとても多く,一年で一番忙いそがしい時期です。ゴールデンウィークにもイベントがたくさん催もよおされるので,その直前も忙いそがしい時期の一つです。どれだけ忙いそがしくても,各イベントに合わせたスケジュールで本を製せい作さくし,会場まで直ちょく接せつお届とどけするのも私わたしたちのサービスの一つです。

職しょく人にん仕事の難むずかしさ

職人仕事の難しさ

イメージにないかもしれませんが,印刷業は力仕事が中心です。たった一いち枚まいなら軽い紙ですが,100枚まい,1000枚まいと積み重なると,持ち上げられないほどの重さになります。一つひとつの作業で腕うでや腰こしに負ふ担たんがかかって,大変です。私わたしは女じょ性せいなので,特に苦労しますね。
また,特とく殊しゅな紙や素そ材ざいを機械に通す場合は,数すう値ちの設せっ定ていでは対たい応おうできない微び妙みょうな加か減げんを調整しながら,試し行こう錯さく誤ごする必要があります。特に,ホログラムラミネート加工という,表面をキラキラさせる加工は,静電気が起きやすいので紙が重なってしまい,次の本を入れると表紙が詰つまってしまうこともあります。そういうときは機械をいじって微び調ちょう節せつし,静電気が起きないようにします。工く夫ふうしながら根気よく取り組まないといけないことが多く,難むずかしい作業が無事終わるといつも「ああ,よかった」とほっとしています。

本づくりを通して得る喜び

本づくりを通して得る喜び

できあがった本をお客さまにお届とどけしたあと,直ちょく接せつお礼の挨あい拶さつをしに伺うかがうと,反対にお客さまから「こちらこそ,とてもきれいに印刷していただきありがとうございます」とお礼の言葉をかけていただくことがあります。お客さまに喜んでもらえたと実感できる瞬しゅん間かんです。また,イベントの会場で自分が担たん当とうした本が並ならんでいるのを見かけると「自分が製せい本ほんしたものをたくさんの人が手に取ってくれるんだな」と,とても感かん慨がい深ぶかい気持ちになります。
製せい本ほんの際さい,特とく殊しゅな加工は私わたしが担たん当とうしている機械でしかできないため,普ふ段だんから難むずかしい作業をすることが多いです。表紙に切きれ込こみを入れて窓まどのようにする「フラップ加工」や,特とく殊しゅな形のカットなども担たん当とうしています。根気よく作業して最後まできれいに仕上げることができると,とても達成感がありますね。
この会社に入ってから面おも白しろい偶ぐう然ぜんに出会ったことがあります。私わたしが通っていた中学の,私わたしが所しょ属ぞくしていたイラスト・マンガ部が,しまや出しゅっ版ぱんに作品集を発注していることに気がついたんです。丁ちょう合あいの作業はほぼ毎回私わたしが担たん当とうしていて,自分もこんなふうに作品をつくっていたなと中学生のころを思い出しながら作業をしています。

“宝たから物もの”づくりのお手伝い

“宝物”づくりのお手伝い

お客さまの約9割わりはインターネットを通しての注文です。自動見積もりやメールでの問い合わせを利用してどんな本をつくるかを決め,作成した原げん稿こうデータを入にゅう稿こうするという流れです。
社長がよく「同どう人じん誌しは,ただの印刷物ではなくお客さまの『宝たから物もの』」と言うのですが,何か月もかけてつくった原げん稿こうを本にするのですから,お客さまには当然,細部にまでこだわりたいという要望があります。その思いに応こたえるため,社員全員で,丁てい寧ねいなものづくりを心がけています。刷り上がったものは全ページを目もく視しでチェックし,少しでもインク汚よごれやかすれがあれば一からやり直しをします。指し紋もんが付かないよう,作業中は軍手をはめ,きれいに梱こん包ぽうするところまで気を配ります。
また,どんな紙にどんな加工を施ほどこすかという「装そう丁てい」を考え楽しむのも本づくりの醍だい醐ご味みです。装そう丁ていはさまざまな要望に応こたえられるよう,豊ほう富ふなバリエーションをそろえています。例えば,表紙をハート型などの形にくり抜ぬく「トムソンカット」という加工や,刺し繍しゅうで模も様ようを施ほどこす加工もできます。さらに,絵を描かかない小説専せん門もんの方には,表紙に使えるイラストを100種類ほど用意しています。

ものづくりの道を志こころざして

ものづくりの道を志して

高校卒業後に進学した美び術じゅつ大学では,空間演えん出しゅつデザイン科に所しょ属ぞくし,インテリアを含ふくめた空間をデザインする分野を勉強しました。舞ぶ台たい美び術じゅつを専せん門もんにしていた私わたしは,学生時代にいろいろなものをつくっていて,将しょう来らいは職しょく人にんのような,ものづくりの職しょく種しゅに就つきたいと考えていました。
大学卒業後は,映えい画が館かんのアルバイトで,映えい写しゃ機きを使って映えい画がを流す仕事をしていました。その後,技ぎ術じゅつ力りょくが必要な仕事がしたいと思っていたところ,東京都の就しゅう労ろう体験事業に参加する機会がありました。実習先には,自分でものづくりができるような会社を選んだのですが,それがしまや出しゅっ版ぱんだったんです。職しょく場ばの雰ふん囲い気きにも惹ひ かれ,実習後に就しゅう職しょくの希望を伝え,面めん接せつを経へて入社することになりました。

絵を描かくのが好きだった子どものころ

絵を描くのが好きだった子どものころ

小学校のころは,中学受験に向けて勉強に明あけ暮くれる日々でしたが,昔から漫まん画がが好きで,中学校に入学後はイラスト・マンガ部に入りました。同じように漫まん画がが好きな友だちが集まっていて,今でも付き合いが続いている友だちもいます。
小さいころから絵を描かくのが得意で,美び術じゅつの成せい績せきも良く,小学校では賞を取った記き憶おくがあります。昔から,自分の手を動かして何かをつくるのが好きでした。両親にも「やりたいことをやりなさい」と応おう援えんしてもらい,高校卒業後は,ものづくりの道に進もうと美び術じゅつ大学を選びました。
現げん在ざいは,製せい本ほんを通して,自分の作品をつくる人たちをサポートする側に立っていますが,今までの自分の知ち識しきも活用しながら,さらにいろいろなことを吸きゅう収しゅうしていきたいと思います。

好きなことも苦手なことも,一いっ生しょう懸けん命めいやろう

好きなことも苦手なことも,一生懸命やろう

子どものころは受験勉強をたくさんしなければならず,そのときはつらいなと思っていました。でも,嫌きらいなことや苦手なことでも,一いっ生しょう懸けん命めいやっていると,ゆくゆくは自分の糧かてになり,やりたいことにつながることもあります。私わたしが受験した美び術じゅつ大学は,絵を描かく試験がメインでしたが,学科試験もありました。それまで勉強をたくさんしていたお陰かげで,学科試験は苦労せずに済すんだと思います。
美び術じゅつ大学の受験を決めてからは,アトリエに通ってデッサンの練習をたくさんしました。絵を描かくのはずっと好きだったので,全く苦ではなかったです。好きなことを続けていけば,将しょう来らいの仕事にもつながっていくと思います。それだけではなく,勉強など,自分が苦手だなと思うことにも一いっ生しょう懸けん命めい取り組んでみてください。苦労して勉強した知ち識しきは受験だけでなく,仕事でも生きるときがあるのです。
そしてもうひとつ,思いっきり遊ぶこともとても大切です。友だちとの付き合いには,ためになることがたくさんあると思います。今しかできない経けい験けんを目め一いっ杯ぱい楽しんでください。

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しかけ絵本です。しかけが複雑で,しっかり作りこんであります。とにかくしかけがすごくてワクワクするので,子どもにも大人にもおすすめです!

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取材・原稿作成:東京書籍株式会社/協力:城北信用金庫