仕事人

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愛媛県に関連のある仕事人
1984年 生まれ 出身地 愛媛県
しょどうこうし・しょどうか書道講師・書道家
杏珠あんじゅ
子供の頃の夢: マラソン選手
クラブ活動(中学校): 剣道部
仕事内容
習字を教え、書道作品を作る
自己紹介
掃除そうじ洗濯せんたくが好きで布団ふとんすと一日やる気が出ます。朝ドラ・昼ドラを見るのが趣味しゅみです。

※このページに書いてある内容は取材日(2011年10月07日)時点のものです

書道の先生

書道の先生

わたしは書道教室で習字を教えるお仕事をしています。教室には,幼稚園ようちえんくらいの子どもから働いている大人まで,幅広はばひろい年代の方々かたがたが習いに来てくれます。子どもには,のびのびと元気よく,くせのないやわらかい字を書くことができるように教えていきます。字はこれからずっと使っていくものなので,丁寧ていねいな字を身につけてもらいたいと思っているからです。わたしの教室では,これから一生付き合っていく「自分の字」について,考えてもらえるようにしています。大人は,昔の人が書いた古典書の字にせて書いたり,仮名かな楷書かいしょなど色々いろいろな種類の字を練習したりしています。実用的なペン字もしています。みなさんに「書」というものを身近に感じてもらい,もっと楽しんでもらえるように,うちわや年賀状ねんがじょう,ハンコ作りなどもしています。また,自分の作品も作っており,最近は,東京の会社にデザイナーとして登録していて,インターネットで年賀状ねんがじょうや命名書などのデザインの注文を受けています。他にも,地域ちいきの公民館や郵便局ゆうびんきょくに自分の作品を展示てんじしたり,カフェのギャラリーで個展こてんを開いたりしています。自分の作品作りも一生懸命いっしょうけんめい頑張がんばっています。

みんなに心地よく練習してもらうために

みんなに居心地よく練習してもらうために

教室は毎週火曜日と金曜日に開いています。火曜日は「生涯しょうがい学習の館」という公共の施設しせつで,金曜日は自宅じたくの教室で教えています。教室は夜に開いているので,それまでに教室で使うすみや半紙など道具の準備じゅんびをしています。今日は教室で生徒にどのように教えようか,今日はここができるように指導しどうしようということもこの時に考えています。他にも,教室の掃除そうじをしたり,生徒のみなさんが練習しやすい雰囲気ふんいきづくりをしたり…。教室に来てくれるみなにとって居心地いごこちがよく,ずっと通いたいと思ってもらえるような教室づくりを目指しています。教室がない日は,自分の創作そうさく活動に取り組み,作品作りにはげんでいます。

字を書くことの大切さ

字を書くことの大切さ

今はパソコンや携帯けいたいで文字が打てるので字を書くということの大切さがうすれていると思います。でも,これから大人になると自分の字で書かないといけないことがたくさんあります。例えば,履歴書りれきしょを書く時やサインをする時など,人生の大事な場面では,必ず"書くこと"がついてきます。やはり字を丁寧ていねいに書くということは,いつの時代も大切だと思いますね。今は小学生も習字教室より学習塾がくしゅうじゅくに通っている子の方が多いようで,字の大切さを伝える機会が少なくなっているのは残念です。だから,教室に来てくれている子に,少しでも字を書くことを好きになってもらえるように,一つ一つ丁寧ていねい指導しどうをしていくように心掛こころがけています。教室以外では,自分の作品を作りあげる時が一番大変ですね。時間をかけたからといって良い作品が完成するとはかぎらないし,ずっと集中力ややる気をたもち続けることは本当にむずかしいんです。だから,わたしは好きな音楽をいたり,感動するドラマを見たりして自分の気持ちを高めてから,作品を作るようにしています。最後まで自分とのたたかいですね。

喜んでもらうことがうれしい

喜んでもらうことがうれしい

以前,教室の中学生の生徒さんが,「えひめこども美術展びじゅつてん」で特選に選ばれ,新聞に大きくったことがありました。その子はそのことをとても喜んでいて,わたしもとてもうれしくなりました。その作品は,次の年のお手本になり,私自身わたしじしん刺激しげきを受け,教室の先生として,そして書道家としてこれまで以上に頑張がんばろう!という気持ちになりました。書道を通じておたがいを高め合えることも,この仕事の魅力みりょくだと思います。また,わたしは友人の結婚式けっこんしきかざるウェルカムボードや,子どもが生まれた時に名前を書く命名がくをプレゼントするのですが,心をめて作った作品を喜んでもらえると温かい気持ちになり,すごくうれしいです。自分の手で形になったものを人に見てもらえる,感動してもらえる。これは,ものづくりをされている方に共通して言えることかもしれませんが,わたしがこれからも書道を続けていきたい一番の理由ですね。

一生勉強

一生勉強

書道の世界では,40代,50代でもまだまだ若造わかぞうです。ここが最終ゴールということが無く,ずっと上を目指して自分をみがいていくことが大事です。わたしには,あこがれている書道家の方がいます。以前テレビに出られていた99さいの書道家の方で,その方の謙虚けんきょで前向きな生き方にとても感動しました。わたしもいくつになっても人に感動をあたえ,成長し続ける書道家でいたいなと思います。他には,生徒のみなさんに教える時も,自分の創作そうさく活動をする時も,いつもプラス思考でいることを心掛こころがけています。悪いところを見るのではなく,良いところをばすことを大切にしていますね。

ずっと教室を続けたい

ずっと教室を続けたい

元々もともと母が書道教室を開いていました。わたしは,以前は他の仕事をしていましたが,結婚けっこんを機に仕事を辞め,子どもも生まれ,育児をしながら母の教室の手伝いをしていました。教室では幅広はばひろい年代の方が和気藹々わきあいあいとしながらも,熱心に練習する姿すがたが印象的で,いつも刺激しげきを受けていました。母は教室以外にも,お店の看板かんばんやポスター,商品ロゴなどの字を書くお仕事をたのまれることもあり,自分のセンスを生かしてイキイキと働いていました。そんな母の姿すがたあこがれ,この仕事を本気で始めたいと思うようになりました。教室は,教室を開いている先生から免状めんじょうをもらうと開くことができますが,わたしは自信を持って教えていきたいと思い,他にも書道の歴史や心を伝えられるように,中学校・高等学校の書道教諭きょうゆ免許めんきょも取りました。2011年の春に所属しょぞくしている書道会で師範しはん資格しかくも取得しました。

自然に囲まれて,のびのび

自然に囲まれて,のびのび

子どものころは,近所に男の子が多く兄と弟がいるので,男の子のように育ちました。山によく遊びに行き木イチゴを食べたり,わらびをったりしていました。家と小学校が遠く,小さいころは歩いて通うのがつらくて泣いてしまうこともありました。でも,帰り道ではみなで川にささふねを流して競争したりするなど,とても楽しかったですね。自然の中で色んな遊びを見つけることに夢中むちゅうな子どもでしたね。

好きなことを続けて自分をみがいてほしい

好きなことを続けて自分を磨いてほしい

具体的にゆめを考えることが出来なくても,何かに興味きょうみを持って楽しむ気持ちを大事にしてもらいたいです。自分が本当に好きだと言えるものを見つけてしいですね。そして,それを楽しみながら続けていくこと。それは,将来しょうらいの仕事につながらなくても,自分の人生できっと役に立つ日が来ます。毎日の中で,無駄むだなことは何一つありません。たくさんの経験けいけんの中から,きっと自分に合う何かが見つかるはずですよ。

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取材・原稿作成:西条市商工労政課・黒河陽子、編集:(c)学校ネット株式会社