仕事人

社会にはいろいろな仕事があるよ。気になる仕事や仕事人をたくさん見つけよう!

東京都に関連のある仕事人
出身地 島根県

木瀨(きのせ) 恵子(けいこ)
子供の頃の夢:
クラブ活動(中学校):
仕事内容
太陽光発電や風力発電など二酸化炭素の排出を抑えたグリーンなエネルギー事業にお金を貸し出して、再生可能エネルギーの普及を支える。(※2020年3月時点)
自己紹介
好奇心旺盛でフットワークが軽い方だと思います。休日はキャンプや山登りに出かけ,ときには山にテントを張って泊まることも。アルプスの山並みと満点の星空を眺めながら,山登りの達成感と一緒に味わう食事の味は格別です。
出身大学・専門学校

※このページに書いてある内容は取材日(2020年03月10日)時点のものです

数千億円もの大きなお金を貸かし出だす仕事

数千億円もの大きなお金を貸し出す仕事

銀行の仕事には,お金を預あずかる(預よ金きん)・お金を貸かし出だす(貸出かしだし)・遠くはなれた人にお金を送る(為替かわせ)の3つがあります。社会のお金の流れを調節して,暮くらしを支ささえる役やく割わりを果たしているのが銀行です。 私わたしは三井住友銀行で,お金を貸かし出だす仕事の一つである「プロジェクトファイナンス」を担たん当とうしています。

「プロジェクトファイナンス」は,銀行の中でも専せん門もん的てきな仕事です。一つの会社にお金を貸かすのではなく,ある目的をかなえるためにたくさんの会社が集まった「プロジェクト」にお金を貸かし出だす仕事です。その中でも,私わたしが担たん当とうするのは,太陽光発電や風力発電など自然の力で発電する「再さい生せい可か能のうエネルギープロジェクト」です。貸かし出だすお金はプロジェクトの規き模ぼによって違ちがいますが,だいたい百億円〜数千億円。なかには一兆円ものお金の貸かし出だしを検けん討とうすることもあります。

たくさんある複ふく雑ざつな課題を一つ一つクリアに

たくさんある複雑な課題を一つ一つクリアに

再さい生せい可か能のうエネルギープロジェクトには,関係する会社がたくさんあります。発電所を動かす事業者,建物を建てる施せ工こう業者,環かん境きょうへの影えい響きょうや事業の成功に向けたアドバイスをするコンサルタント,法ほう律りつ面めんをチェックする弁べん護ご士し,そしてプロジェクトに必要なお金を貸かし出だす私わたしたち銀行などです。このような関係者が集まり,複ふく雑ざつな問題を一つ一つ解かい決けつしていくことで,プロジェクトが実じつ現げんしていきます。

銀行は,半年から1年くらい、長いときにはそれ以上の時間をかけて,「プロジェクトが本当にうまくいくのか」「社会に貢こう献けんするものなのか」「お金をきちんと返してもらえるのか」など,たくさんの課題を細かくチェックして,お金を貸かし出だすかどうかを決めます。プロジェクトがしっかり成功するようにいろいろな面からアドバイスするのも私わたしたち銀行の仕事です。

風力発電所が寿じゅ命みょうを迎むかえる未来まで考える

風力発電所が寿命を迎える未来まで考える

例えば,陸上の風力発電プロジェクトでは,準じゅん備びに3~4年,建けん設せつに2~3年かけて,ようやく発電事業が動き出します。 そして,その後およそ20年で,プロジェクトが終わるのですが,建けん設せつした風力発電所をどのように片かた付づけるかなども最初から考えておかないといけません。また,風力発電所を建けん設せつする地ち域いきで暮くらす人たちは発電所をつくることに賛さん成せいしてくれているのか,環かん境きょうに悪い影えい響きょうを与あたえずに発電所を建けん設せつして使い続けることができるのか,なども重要なチェックポイントです。
今のことだけでなく,ずっと先のことまで考えて,問題がないかどうか。もし,問題が起きたときは,誰だれが責せき任にんを持って対たい応おうするかなども,あらかじめ決めておくことが大切です。

1日に読むメールは数百通にも

1日に読むメールは数百通にも

私わたしが働いているのは,東京・大手町のオフィス街にある三井住友銀行の本店です。朝9時くらいに出社しますが,帰る時間はそのときどきの忙いそがしさによります。18時に帰ることもあれば,いくつものプロジェクトが進んでいるときは遅おそくまで会社に残っていることもあります。

会社に来ると,最初にするのがメールチェックです。多いときには,1日に何百通ものメールをやり取りします。 プロジェクトに関わる会社や弁べん護ご士し,コンサルタントとの会議や,社内で一いっ緒しょに仕事をするチームのメンバーやほかの部ぶ署しょの人たちと打ち合わせをすることも多いです。 太陽光発電所や風力発電所が開発される場所に足を運んで,現げん地ちの様子を確かく認にんすることもありますね。それ以外は,たくさんの書類や契けい約やく書しょに目を通して,お金を貸かすために必要な条じょう件けんを検けん討とうする時間も多いです。

お金を通して,より良い社会をつくる

お金を通して,より良い社会をつくる

仕事をしていて大変だと感じるのは,関係者全員が納なっ得とくするまで意見の調整を行うことです。
再さい生せい可か能のうエネルギープロジェクトは,関係者がたくさんいるうえに,とても大きなお金が動きます。それぞれ意見や立場が違ちがうものを,時間をかけてていねいに話し合いまとめていきます。特に,難むずかしいのは,何か問題があったときに誰だれが責せき任にんを取るのかという「リスク分ぶん担たん」です。「工事が遅おくれた場合はどうするのか」「国の法ほう律りつが変わる可か能のう性せいがあるのかどうか」「自然災さい害がいが起きたときはどうするのか」,といったリスクを一つ一つ考えて,責せき任にんのありかを決めていくのはとても難むずかしい作業です。

それだけに,みんなの意見がまとまって契けい約やくまでこぎつけたときは,ものすごく達成感があります。自分が関わった発電所が実じっ際さいに動いているのを見たり,ニュースで紹しょう介かいされているのを目にしたりするとうれしいですね。私わたしたち銀行がお金を貸かし出だすことで,社会がより良くなっていく。SDGsにも貢こう献けんする「人の役に立つ仕事」ができたと感じる瞬しゅん間かんです。

大学時代からの夢ゆめを,銀行の仕事でかなえたい

大学時代からの夢を,銀行の仕事でかなえたい

私わたしは大学時代,「恵めぐまれない国や人の役に立ちたい」との思いから,国こく際さい協力の勉強をしたり,海外や災さい害がい地ち域いきでボランティア活動をしたりしていました。将しょう来らいは社会を支ささえる仕事をしたいと思って就しゅう職しょく活動をしていたところ,ある銀行員の方が「プロジェクトファイナンス」という仕事を教えてくれたんです。「銀行の仕事を通じて,社会を支ささえる基き盤ばんをつくるのもやりがいがありそうだな。銀行という立場なら,いろいろな業界の人と関わって,幅はば広ひろく社会の役に立てるのではないか」と考えて,縁えんあって銀行に就しゅう職しょくすることになりました。

銀行に入ってからは,中小企き業ぎょうのお客さまを担たん当とうしてお金を預あずかったり貸かし出だしたりする仕事,病院やオフィスビル,商業施し設せつをつくるプロジェクトにお金を貸かす仕事などを担たん当とう。2019年からプロジェクトファイナンスの担たん当とうになりました。複ふく雑ざつで規き模ぼの大きなプロジェクトを扱あつかう仕事ですが,一つとして同じプロジェクトはありません。毎回,分からないことや,困こん難なんな問題がありますが,失敗や壁かべにぶつかりながら,分からないことが分かるようになる。チームのメンバーと協力しながら壁かべを乗のり越こえていく。そういう経けい験けんを重ねることで,自分が成長していると日々感じています。

夢む中ちゅうになれることを見つけて,「今」を頑がん張ばって

夢中になれることを見つけて,「今」を頑張って

みなさんは,大人になるのはまだまだ先のことと思っているかもしれませんが,あっという間に大人になってしまうもの。大人になってから,「あれをやっておけばよかった」と後こう悔かいしないように,今のうちに夢む中ちゅうになれるものを見つけてほしいですね。「これをやりたい!」という目的を持って,「今」を頑がん張ばること。それが自信につながると思います。

まわりの人と比くらべてしまうこともあるかもしれませんが、「自分は自分」と考えると,いい意味で肩かたの力が抜ぬけて,前向きになれるものです。たとえうまくいかなくても,自分が努力したことであれば,それは必ず将しょう来らいの財ざい産さんとなります。正せい解かいは一つではありません。失敗を怖おそれずにどんどんチャレンジしてみてください。

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緒方貞子
日本人初の国連難なん民みん高等弁べん務む官かんとして,冷戦終結後の10年間,世界の難なん民みん支し援えんを指し揮きした緒お方がた貞さだ子こさんのエッセイです。まだまだ女じょ性せいの社会進出が今ほど盛さかんでなかった時代に,海外の第一線で精せい力りょく的てきに働く姿すがたに激はげしく心を打たれ,自分も「世界の人々の役に立つ仕事がしたい」と思うきっかけになった1冊さつです。
沢木耕太郎
香港からロンドンまでをヒッチハイクで旅するノンフィクション紀き行こう小説です。まだ携けい帯たい電話もなかった時代の話で,自分で行く先を切り開いていく姿すがたに,一いっ緒しょに成長しているような気分になります。「バックパッカーのバイブル」とも言われる1冊さつで,大学時代に読んだことがきっかけで,自分もバックパッカー旅行を始めました。