仕事人

社会にはいろいろな仕事があるよ。気になる仕事や仕事人をたくさん見つけよう!

東京都に関連のある仕事人
1981年 生まれ 出身地 東京都

一ノ瀬(いちのせ) 広行(ひろゆき)
子供の頃の夢: サッカー選手
クラブ活動(中学校): サッカー部
仕事内容
お客さまが着たいと思う服を形にする。
自己紹介
好こう奇き心しんがあって,何でもまずやってみる性せい格かくです。休みの日も朝8時には起きますが,ソファに座すわって一日中,映えい画がを見ているなど,オフはインドア派はです。

※このページに書いてある内容は取材日(2017年10月25日)時点のものです

お客さまのやりたいことを聞き出して形にする

お客さまのやりたいことを聞き出して形にする

私わたしは1985年に東京都北区で創そう業ぎょうした衣料品製せい造ぞう会社「丸一」の2代目の社長です。初代の社長は私わたしの父です。社員はグループ会社を合わせた全体で200名ほどいます。私わたしたちの会社では,メンズやレディースの衣料品だけではなく,アーティストのステージ衣い装しょう・グッズ,アニメ関係の衣類なども作っています。もともと東京都内に自社工場を持っていましたが,現げん在ざいはそれに加え,中国に2つの工場も持っています。
衣料品はオリジナルブランドの服を作るほか,お客さまから依い頼らいされて,他のブランドの衣類も作っています。注文を受けて衣類を作る場合は,お客さまの実じつ現げんしたいことを聞き出すことも私わたしの仕事のひとつです。膨ぼう大だいな生き地じサンプルからぴったりな生き地じを選んで見積もりを出し,提てい案あんします。提てい案あんが決まると,どういう加工にしたいか,どういうプリントにしたいかなど,細かな打ち合わせが始まります。
現げん在ざいは90社くらいの取引先があり,毎月,服の型を300から400,動かしています。ようやく納のう品ひんしてもすぐに次の仕事が始まるので,心が休まる時はありません。最近では,洋服以外にも傘かさや携けい帯たいバッテリーなどのグッズを作るなど,新しいことにもチャレンジしています。

仕事はスピード感を持って進める

仕事はスピード感を持って進める

私わたしは毎朝9時に出社して,社員と朝礼をします。そのあとは,お客さまとの商談です。平へい均きんで1日3社ほど,多いと8社以上アポイントがある日もあります。私わたしは人と話すことが好きなので,商談をしている時はとても楽しいですね。自分の仕事だけではなく,社員から報ほう告こくや相談をされたり,常つねに忙いそがしいのですが,絶ぜっ対たいに残業はせずに夜7時には帰ると決めています。私わたしが早く仕事を終えて帰れば,社員も早く帰りやすいですよね。
私わたしはとにかく仕事が早い方で,決けつ断だんするのも早いと思います。仕事においてスピード感はとても大切です。私わたしたちの会社は都内に工場を持っているため,Tシャツであれば依い頼らいをもらった翌よく日じつにはお客さまの元にお届とどけできる,くらいのスピード感を持って仕事ができます。これは地方や国外の工場ではできないので,私わたしたちの強みだと思っています。とはいえ,仕事は私わたし一人で何から何まで全部できるわけではないので,デザイナーや営えい業ぎょうの社員などと手分けをして力を合わせてがんばっています。

失敗は改かい善ぜんすることで必ず成功に結びつく

失敗は改善することで必ず成功に結びつく

私わたしは「毎日を楽しむ」をモットーにしているので,仕事において辛つらいと思うことはありません。たとえ失敗しても,問題を解かい決けつして,成功に結びつけられるようにするので,楽しくなるんです。失敗したことにくよくよするのか,乗りこえたときの喜びを優ゆう先せんするのかで,モチベーションが違ちがうような気がします。
私わたしはいつでもポジティブに物事を考えるようにしています。高校を中ちゅう退たいして15歳さいからいろいろな仕事をしてきましたが,今まで挫ざ折せつを感じたことはありません。例えば,会社が赤字のときでも,もうここから絶ぜっ対たい上がるしかないんだと思ってしまうんです。上がるための努力をするので,悪くなるはずがないというか。お陰かげさまで日本も中国にある会社もずっと右みぎ肩かた上がりですし,日々改かい善ぜんすることを心がけているので,悪くなる要よう素そがありません。

ものづくりをするうえでは,譲ゆずれないところも

ものづくりをするうえでは,譲れないところも

私わたしの仕事の魅み力りょくは,お客さまといっしょに,思おもい描えがいたものを形にできることだと思います。ものづくりは,お客さまの言うことを100%聞けばいいというわけではありません。品ひん質しつを高めるためには,時に「ここは絶ぜっ対たいにこうしたい」という自分たちの譲ゆずれない意思を伝えることも大切です。そうやって努力して作るからこそ,街でたまたまその洋服を着てくれているのを見かけたり,テレビや雑ざっ誌しでタレントさんが着てくれたのを見ると,うれしいですね。
今は社員も30代が中心になっているので,服づくりの喜びをもっと若わかい人たちにも知ってもらいたくて,服ふく飾しょく関係の学校を卒業したばかりのデザイナーの卵たまごを育てて,いっしょに何かできないか考えています。どうしても工場は地味なイメージがあるので,デザイナーになる夢ゆめを叶かなえられる場所として,イメージを変えていきたいと思っています。

お客さまには誠せい意いを持って

お客さまには誠意を持って

仕事をする上で大切にしているのは,衣類を注文してくれるお客さまに,誠せい意いをもって接せっすることです。お客さまがこういう服を作りたいと想そう像ぞうしている以上のものを表ひょう現げんしたいと考えています。私わたし自身も一人の消費者なので,自分が買うとしたらこれでいいか,悪いかという感覚を基き本ほんにしています。そのため,時にはお客さまにも「すごく安くできるけれど,これで売れるの?」などと,はっきり言ってしまうこともあります。そして,その後には必ず「生き地じを変えて値ね段だんを上げたほうがいいのでは?」など,経けい験けんをもとにアドバイスをして,適てき正せいな品ひん質しつと価か格かくにしていきます。お客さまの言っていることばかりを聞いていたら,私わたしたちが作らなくても,どこの業者でもできてしまいます。私わたしたちがしっかりプロとして意見を言いながら作っていくのが,うちの会社の良さだと思っています。
また,仲間である社員も大切にしています。例えば,社員の意見を尊そん重ちょうして,お互たがいに自由に意見を言える雰ふん囲い気きを作っています。そして,働く場所や服ふく装そうなどを自由にして,結果を出せれば何をやってもいいと言っています。社員を大切にすると,会社を大切にしてくれます。そうなってはじめて,会社がお客さまを大切にできるようになるんです。

子どものころから何にでもチャレンジしてきた

子どものころから何にでもチャレンジしてきた

昔から本当に何にでもチャレンジする子どもでした。一人で三輪車に乗って,ひと駅先まで行ってしまったこともありました。何に対しても好こう奇き心しん旺おう盛せいで,まずやってしまうタイプなのは,このころから変わりません。頭で考えるよりも,やってみてから考えるほうがいいと思うので,何でもいいからやってみて経けい験けんすることは大切だと思います。
小学生のころは,毎日放課後にサッカーやドロケイ,ドッジボールをやったり,とにかくずっと体を動かしていました。当時は,夕方のチャイムギリギリまでどうやって遊べるかしか考えていなかったですね。中学生になると,サッカー部に入って,平日は練習,土日は試合と,サッカーばかりやっていました。勉強しているより,とにかく動いていたかったんですね。
子どものころから親の仕事は意い識しきをしていて,学校でも服ふく飾しょくを勉強し,この会社に入りました。努力した結果,私わたしが会社を継ついでから,会社の規き模ぼもかなり大きくなりました。中国の2つの会社は私わたしの代で作ったのですが,グループ全体で売り上げは倍以上に成長しています。これからもっと大きくなる可か能のう性せいが高いので,楽しみですね。

ポジティブに生きる環かん境きょうは自分で作ろう

ポジティブに生きる環境は自分で作ろう

いろいろなことを経けい験けんしてみて思うのは,まずはおそれずやってみてほしいということです。失敗をおそれてしまうのは,周囲の影えい響きょうも大きい気がします。まずは,何に対してもポジティブにチャレンジできるように,自分の環かん境きょうを作っていくべきだと思うんです。だから,まずやってみて失敗しても「次があるよ!次はこれやろうよ」と言ってくれる仲間を周りに増ふやすべきだし,みんながそうなっていくような雰ふん囲い気きを作っていくべきだと思います。
人の心はスポンジのようなもので,周りの影えい響きょうを受けるものです。周りの環かん境きょうによってどんな色にも染そまり,黒くもなれば,白くもなります。だから自分で環かん境きょうを選ぶことが大切です。また,将しょう来らいどうなりたいか,何をしたいかは,自分で悩なやみながら選んでほしいです。悩なやむことから逃にげるのではなく,がんばってチャレンジして,道を切りひらいていってほしいです。

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取材・原稿作成:東京書籍株式会社/協力:城北信用金庫