仕事人

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愛媛県に関連のある仕事人
1946年 生まれ 出身地 愛媛県

たけざいくしょくにん竹細工職人
バンブー寺岡(ばんぶーてらおか)
子供の頃の夢: 大工
クラブ活動(中学校): 野球部
仕事内容
竹を編んで工芸品を作る
自己紹介
自分が関心をもったことにはのめりこむタイプ。ちょっとしたことにも感動する単純(たんじゅん)な性格(せいかく)。

※このページに書いてある内容は取材日(2010年11月26日)時点のものです

竹を使って作品をつくる

竹を使って作品をつくる

私(わたし)は,竹を使ってバッグや照明飾(かざ)りなどを作る仕事をしています。作業に必要な道具はとてもシンプルで,鋸(のこ)と包丁さえあれば十分です。竹を割(わ)るところから始まり,大きさを決めて細かく削(けず)り,一つ一つ丁寧(ていねい)に編(あ)んでいきます。全て手作業ですので,自分自身の手や感覚がとても重要になります。材料となる竹は,高知県の須崎(すさき)市で採(と)れる「虎斑竹(とらふだけ)」と和歌山県の「黒竹(くろちく)」を主に使っています。作品の種類によっては,愛媛(えひめ)県でも採(と)れる「真竹(まだけ)」なども使っています。照明飾(かざ)りを作る時に使う和紙は,ご近所で頂(いただ)いた柿(かき)の柿(かき)渋(しぶ)で色を付けており,他とはひと味もふた味も違(ちが)うと感じてもらえるように工夫して作品を仕上げています。

いくつもの工程(こうてい)をスムーズに進める

いくつもの工程をスムーズに進める

築(ちく)100年以上の古民家を借りて,竹工芸の作業をしています。この家は,地域(ちいき)の交流スペース『工房(こうぼう)「癒(いや)しの館」』としても使われていて,展示会(てんじかい)や体験教室などで,色々(いろいろ)な方に活用して頂(いただ)きたいと思います。作品が仕上がるまでにはいくつもの工程(こうてい)があり,同時進行で作業を進めています。例えば,和紙を乾(かわ)かしている間に竹を削(けず)ったり編(あ)んだりして,作業に間が空かないように工夫して作業予定を立てています。そのためにも,次の日にする作業の確認(かくにん)は欠かせません。また,作品を作る時は,自分のセンスやひらめき,やってみたい!という想いなどを大切にして作っています。編(あ)み方は色々(いろいろ)ありますが,私(わたし)は規則(きそく)性(せい)のない編(あ)み方が好きで,作品も一つ一つ雰囲気(ふんいき)が違(ちが)います。だから,どれも世界に一つだけの作品なんですよ!

集中力がとっても大切!

集中力がとっても大切!

好きで始めた仕事ですので,苦に思うことはあまりありません。一般(いっぱん)的に竹工芸で大変なのは,竹を編(あ)む段階(だんかい)の前の,竹を準備(じゅんび)するところなんです。「竹細工をやってみたい!」という方がよく来られるのですが,皆(みな)さんは竹を削(けず)るところではなく,竹を編(あ)んで作品に仕上げていくところを体験してみたいという方がほとんどです。でも実際(じっさい)には,作品に編(あ)み上げていく作業よりも,材料としての竹を削(けず)って揃(そろ)えていく作業の方が難(むずか)しいし,遥(はる)かに時間もかかるんです。だから,この点が一番大変と言えるかもしれませんね。しかし,私(わたし)にとって,山で良い竹を探(さが)すことや,竹を削(けず)っていくことは楽しみの一つになっています。もちろん細かい作業ですので,集中力はかなり必要です。集中していないと綺麗(きれい)に編(あ)むことはできませんし,刃物(はもの)を使うので怪我(けが)をしてしまうこともあるんです。作業自体は単純(たんじゅん)かもしれませんが,一つ一つ丁寧(ていねい)にこなしていかなければ,良いものに仕上げることはできません。とても神経(しんけい)を使う仕事ではありますが,集中しているからこそ作業に没頭(ぼっとう)し,時間を忘(わす)れることもしばしばなんですよ。

自分の作品として形に残る

自分の作品として形に残る

この仕事で魅力(みりょく)に感じていることは,出来上がった作品が形になって目に見えることですね。自分が気持ちを込(こ)めて一生懸命(いっしょうけんめい)作ったものが形となり,そしてたくさんの人に見てもらえる。それを通じて色々(いろいろ)な人と繋(つな)がっていけることが本当に嬉(うれ)しいです!出会えた方々(かたがた)からヒントをもらうこともたくさんあります。この仕事をする前は高校の先生をしていて,とても素晴(すば)らしい生徒や同僚(どうりょう)に出会うことができました。退職(たいしょく)した今になっても会いにきてくれたり,今の仕事の手助けをしてくれたり・・・人との縁(えん)や繋(つな)がりというものに本当に感謝(かんしゃ)しています。たくさんの人の支(ささ)えがあって,今このように楽しく仕事ができているのだと日々(ひび)実感しています。それも含(ふく)め,何よりも竹工芸が楽しくて仕方がないくらい,本気でのめり込(こ)んで仕事が出来ていることが一番のやりがいだと思っています。

じっくりと作品と向き合う

じっくりと作品と向き合う

作品を作る上で大切にしていることは,焦(あせ)って作業をしないということです。ダメだと思った時はやり直します。納得(なっとく)のいくものではなかったら,一度手を止めて考えてみたり,次の日にしてみたり・・・時間がかかっても丁寧(ていねい)に仕上げることを心掛(こころが)けています。そして,作業をする上で大事になってくるのが,左手の感覚です。右手で刃物(はもの)を使いながら,左手で材料を押(お)さえたり微妙(びみょう)な厚(あつ)さを測(はか)ったりしていきます。籤(ひご)(竹の茎(くき)を細かく割(わ)って作る,細い棒(ぼう)のこと)の厚(あつ)さや幅(はば)を揃(そろ)えることは,籤(ひご)作り10年といわれるほど,とても難(むずか)しい作業です。目でしっかりと見て,手で竹を感じて均一(きんいつ)にしていく,ここが経験(けいけん)の成せる技(わざ)と言えるかもしれませんね!いつも「これで満足」ということはないので,何回も試行錯誤(さくご)を繰(く)り返しながらより良いものを作れるように頑張(がんば)っています。

人が作らないものをつくりたい

人が作らないものをつくりたい

この仕事を選んだ一番の理由は,「人がやらないことがしたい!」と思っていたからです。地元の西条(さいじょう)市には,陶芸(とうげい)をされている職人(しょくにん)の方はたくさんいたのですが,竹工芸をしている人はまだ少ないと感じていました。最初は,カルチャースクールで簡単(かんたん)なことから学び始めましたが,1か月に1回と回数も少なく,もっとしたい,もっと学びたいと思うようになりました。そんな時,近隣(きんりん)の松山市で伝統(でんとう)工芸士として活躍(かつやく)されている方がいると新聞で知り,実際(じっさい)に会いに行きました。「本気でやりたいなら,何でも教えてあげるよ」というお言葉を頂(いただ)いたことをきっかけに,週末は松山に通い,貴重(きちょう)な技術(ぎじゅつ)をたくさん教えて頂(いただ)きました。竹工芸を始めて10年以上たった今でも,「人が作らないものを作りたい」という気持ちは同じです。今では,遊び心も取り入れながら,心を込(こ)めて作品作りに取り組んでいます。

自分でおもちゃを作って遊ぶ

自分でおもちゃを作って遊ぶ

子どもの頃(ころ)は,とにかく外でよく遊びました。おもちゃの少ない時代でしたので,鋸(のこ)や鎌(かま),鉈(なた)などを使い,自分でおもちゃをつくって遊んでいました。また,遊ぶのと同じくらい家の手伝いもたくさんしていました。私(わたし)の家は百姓(ひゃくしょう)だったので,田んぼの仕事をいつも手伝っていました。家族皆(みな)が助け合い,子どもも含(ふく)め皆(みな)で家族を支(ささ)えていくという気持ちで生活していたように思います。生活の中で自然と道具の使い方を覚え,その時々(ときどき)の仕事が分かるようになっていたのだと,今では感じています。

竹の良さ・おもしろさを知ってほしい

竹の良さ・おもしろさを知ってほしい

知っている人は少ないかもしれませんが,竹工芸は私(わたし)が住んでいる愛媛(えひめ)県の伝統(でんとう)工芸なんです。伝統(でんとう)工芸を守っていきたいし,竹に関心のある人に伝えていきたいと思っています。また,地元の西条(さいじょう)市らしさのある,素敵(すてき)な竹製品(せいひん)を作り出したいと楽しく頑張(がんば)っています。また,最近はプラスチックのおもちゃばかりなので,子どもはあまり竹に触(ふ)れる機会がないかもしれません。毎日,この家の前を近所の小学生が通りますが,このような竹工芸のことをどう思っているのだろう?まだ関心はないかな?といつも考えています。竹を削(けず)るときには刃物(はもの)を使うので,危険(きけん)な面ももちろんあります。そのような中でも,竹とんぼや水鉄砲(みずでっぽう)などを作る体験を通して,竹の良さを伝えていきたいと思って,今方法を考えています。地球を汚(よご)さず,環境(かんきょう)に優(やさ)しい竹製品(せいひん)が日常(にちじょう)生活の中で再(ふたた)び活かされて欲(ほ)しいものだとも考えています。

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取材・原稿作成:西条市商工労政課・篠原彩、編集:(c)学校ネット株式会社