仕事人

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東京都に関連のある仕事人

町田(まちだ) 紗矢香(さやか)
子供の頃の夢: 動物にかかわる仕事
クラブ活動(中学校): テニス部
仕事内容
犬と飼い主に、しつけを教える
自己紹介
体(からだ)を動(うご)かすことが好(す)きなので、休日も愛犬(あいけん)を連(つ)れて自然(しぜん)を求(もと)めてドライブへ行(い)き,山登(やまのぼ)りしたり,川遊(かわあそ)びしたりして過(す)ごしています。

※このページに書いてある内容は取材日(2016年03月25日)時点のものです

犬と人間(にんげん)が一緒(いっしょ)に暮(く)らしやすくするためのレッスンをする

犬と人間が一緒に暮らしやすくするためのレッスンをする

私(わたし)はドッグトレーナーとして,犬が飼い主(ぬし)と一緒(いっしょ)に暮(く)らしやすくするためにさまざまなレッスンをしています。犬が教室(きょうしつ)に通(かよ)う「犬のようちえん」というしつけ教室(きょうしつ)に私(わたし)は勤務(きんむ)していますが,「出張(しゅっちょう)トレーナー」といって,飼い主(ぬし)の家(いえ)や近(ちか)くの公園(こうえん)でしつけをするドッグトレーナーもいます。
しつけの内容(ないよう)は,「部屋(へや)のこの部分(ぶぶん)でトイレをする」「甘噛(あまが)みをする癖(くせ)を直(なお)す」などといったものです。決(き)められた場所(ばしょ)でトイレをしないと部屋(へや)が汚(よご)れてしまい,飼い主(ぬし)の負担(ふたん)になってしまいますし,甘噛(あまが)みの癖(くせ)が直(なお)らないと家具(かぐ)や飼い主(ぬし)の洋服(ようふく),そして周(まわ)りの人たちを傷(きず)つけてしまいます。ほかにも,「吠(ほ)える癖(くせ)を直(なお)したい」と言(い)われることがあります。犬は理由(りゆう)なく噛(か)んだり,吠(ほ)えたりしているわけではありません。理由(りゆう)を一緒(いっしょ)に考(かんが)えて,飼い主(ぬし)が理解(りかい)して接(せっ)することができるようアドバイスします。犬の気持(きも)ちになってしつけをすることが,とても大切(たいせつ)です。犬は話(はな)せない分(ぶん),行動(こうどう)で気持(きも)ちを表現(ひょうげん)しますから,その気持(きも)ちに気づいてあげなくてはなりません。

担当(たんとう)トレーナーが1匹(ぴき)1匹(ぴき)に合(あ)わせたレッスンを考(かんが)える

担当トレーナーが1匹1匹に合わせたレッスンを考える

教室(きょうしつ)に入園(にゅうえん)してもらうと,飼い主(ぬし)から何(なに)に困(こま)っているかなどの話(はなし)を聞(き)きます。そして,担当(たんとう)トレーナーを決(き)めて,レッスンの計画(けいかく)を立てます。「この犬種(けんしゅ)は大きくなるとこんな癖(くせ)が出てくるので,前(まえ)もって練習(れんしゅう)しておきましょう」などと提案(ていあん)をすることもあります。
犬種(けんしゅ)や発育(はついく)の状態(じょうたい)によって,同(おな)じしつけ内容(ないよう)でも,できるようになるまでに違(ちが)いがあります。すぐにできるようになる犬もいれば,何度(なんど)もくり返(かえ)してようやくできるようになる犬もいます。そして,よりそれぞれの犬に合(あ)った適切(てきせつ)なレッスンを組(く)み立てられるように,勉強(べんきょう)は欠(か)かせません。
どの犬も,週(しゅう)2~3日,3ヶ月程度通(げつていどかよ)うと,しつけの内容(ないよう)を身(み)につけて「卒園(そつえん)」します。「卒園(そつえん)」した後(あと)も遊(あそ)び場(ば)として通(かよ)ってくれる犬も多(おお)く,中には10年以上通(ねんいじょうかよ)い続(つづ)けている犬もいます。

毎日盛(まいにちも)りだくさんの仕事内容(しごとないよう)

毎日盛りだくさんの仕事内容

朝(あさ)10時(じ)に教室(きょうしつ)が開(ひら)くと,11時(じ)ごろから犬の健康(けんこう)チェックをして,犬同士(いぬどうし)で遊(あそ)ばせます。午後(ごご)はトレーナーがレッスンをした後(あと),お昼(ひる)ごはんを食(た)べさせ,お昼寝(ひるね)の時間(じかん)になります。午後(ごご)3時(じ)くらいから近所(きんじょ)の公園(こうえん)に1匹(ぴき)ずつ,散歩(さんぽ)に連(つ)れていきます。散歩(さんぽ)から帰(かえ)るとブラッシングや爪切(つめき)りをして,5時(じ)には飼い主(ぬし)のところへ帰(かえ)ります。その後(ご),店内(てんない)の掃除(そうじ)やトレーニング内容(ないよう)をトレーナー同士(どうし)で共有(きょうゆう)します。
この他(ほか)にも飼い主(ぬし)の自宅(じたく)を訪問(ほうもん)し,レッスン内容(ないよう)を忘(わす)れないよう復習(ふくしゅう)し,飼い主(ぬし)も一緒(いっしょ)に練習(れんしゅう)してもらうということもあります。

犬の成長(せいちょう)を実感(じっかん)できることが喜(よろこ)び

犬の成長を実感できることが喜び

レッスンを受(う)けた犬が,今(いま)までできなかったことをできるようになるとき,ドッグトレーナーをしていてよかったと特(とく)に感(かん)じます。その中で,私自身(わたしじしん)が飼い主(ぬし)から信頼(しんらい)され,いろいろな相談(そうだん)をしてもらえるようになることも,とても嬉(うれ)しいことです。犬,飼い主(ぬし)それぞれとうまくコミュニケーションができて,みんなで一緒(いっしょ)に何(なに)かを成(な)し遂(と)げていると感(かん)じられるのが,この仕事(しごと)の魅力(みりょく)です。
一方(いっぽう)で,犬と思(おも)い通(どお)りにレッスンができず,思(おも)い悩(なや)むこともあります。そういう時(とき)は,色々考(いろいろかんが)え,試してみます。これまでたくさんの犬と接(せっ)してきた経験(けいけん)が役(やく)に立っています。

犬が変(か)わると,家族(かぞく)も変(か)わる

犬が変わると,家族も変わる

子犬がたくさんの人から可愛(かわい)がられる犬に育(そだ)つかどうかは,子犬と接(せっ)するドッグトレーナーにかかっています。そのため,常(つね)に責任感(せきにんかん)を持(も)ち,飼い主(ぬし)を含(ふく)め,その犬にかかわる全(ぜん)ての人と一緒(いっしょ)にレッスンをするという気持(きも)ちを大切(たいせつ)にしています。そして,他(ほか)の犬と友達(ともだち)になったり,飼い主以外(ぬしいがい)の人と接(せっ)したり,規則正(きそくただ)しくレッスンに参加(さんか)したりして,犬が社会性(しゃかいせい)を身(み)につけることが,私(わたし)の仕事(しごと)の目標(もくひょう)でもあります。
しつけの内容(ないよう)を身(み)につけ,いろいろなことができるようになってくると,飼い主(ぬし)の家族(かぞく)も変化(へんか)してきます。最初(さいしょ)はレッスンに協力的(きょうりょくてき)ではなかったお父(とう)さんが,誰(だれ)よりも率先(そっせん)してレッスンの復習(ふくしゅう)に協力(きょうりょく)してくれるようになったこともありました。このように,犬の成長(せいちょう)が家族(かぞく)の態度(たいど)や犬に接(せっ)する人の姿勢(しせい),気持(きも)ちを変(か)えることもよくあります。

ドッグトレーナーとして働(はたら)く姿(すがた)がイメージできた専門学校(せんもんがっこう)

ドッグトレーナーとして働く姿がイメージできた専門学校

動物(どうぶつ)が好(す)きで,小学生のころから動物(どうぶつ)と関(かか)わる仕事(しごと)がしたいと思(おも)っていました。中学生のころドッグトレーナーのことを知(し)ったのですが,当時(とうじ)は警察犬(けいさつけん)などを育(そだ)てる訓練所(くんれんしょ)に就職(しゅうしょく)するのが一般的(いっぱんてき)でした。住(す)み込(こ)みで就職(しゅうしょく)することになり,周囲(しゅうい)から反対(はんたい)されてしまいあきらめました。トリマーなど他(ほか)の職種(しょくしゅ)も考(かんが)えましたが,やはりドッグトレーナーの仕事(しごと)がしたいと思(おも)い,専門学校(せんもんがっこう)に入学して勉強(べんきょう)をすることにしました。
犬の骨格(こっかく)や心理(しんり),健康管理(けんこうかんり)から歴史(れきし)に至(いた)るまで,幅広(はばひろ)く学びました。実際(じっさい)に飼い主(ぬし)から預(あず)かった犬に模擬訓練(もぎくんれん)をさせてもらえたので,その経験(けいけん)は今(いま)の仕事(しごと)に役立(やくだ)っています。犬のしつけにもさまざまな方法(ほうほう)があることも学びました。褒(ほ)めて伸(の)ばす,叱(しか)ってやらせない,道具(どうぐ)を使(つか)う,使(つか)わない,などです。
そして,授業(じゅぎょう)の実習(じっしゅう)で今(いま)の勤務先(きんむさき)にお世話(せわ)になり,「ここでは私(わたし)のやりたいことができる」と感(かん)じました。実習後(じっしゅうご),ぜひ働(はたら)きたいとお願(ねが)いして,働(はたら)かせてもらえることになりました。その他(ほか)には,スクールや通信講座(つうしんこうざ)で学び資格(しかく)を取得(しゅとく)された方(かた)などがここで働(はたら)いています。最初(さいしょ)は犬の種類(しゅるい),性格(せいかく)の特徴(とくちょう)などを覚(おぼ)えることがとても大変(たいへん)でした。また,飼い主(ぬし)にレッスン内容(ないよう)を伝(つた)えるなどのコミュニケーションが最初(さいしょ)は苦手(にがて)でしたが,経験(けいけん)を重(かさ)ねるとより具体的(ぐたいてき)なお話(はなし)ができるようになり,自信(じしん)を持(も)って飼い主(ぬし)と向(む)き合(あ)うことができるようになっていきました。

運動部(うんどうぶ)に入ってから活発(かっぱつ)な性格(せいかく)になった

運動部に入ってから活発な性格になった

小学校のころは運動(うんどう)や体育(たいいく)が苦手(にがて)でした。放課後(ほうかご)は絵(え)を描(えが)くなど室内(しつない)で過(す)ごすことが多(おお)かったです。中学校ではテニス部(ぶ)に入り,テニスを始(はじ)めました。すると体(からだ)を動(うご)かすことの楽(たの)しさを知(し)り,内気(うちき)だった性格(せいかく)から,積極的(せっきょくてき)に誰(だれ)かと協力(きょうりょく)し,コミュニケーションをとる活発(かっぱつ)な性格(せいかく)になりました。
動物(どうぶつ)はずっと好(す)きでしたが,家(いえ)の都合(つごう)でなかなか飼えませんでした。小学6年生で広(ひろ)い家(いえ)に引(ひ)っ越(こ)すと,「毎日散歩(まいにちさんぽ)に連(つ)れて,世話(せわ)をする」という約束(やくそく)で犬を飼い始(はじ)めました。近所(きんじょ)でもらってきた雑種(ざっしゅ)の犬でした。
その犬は17年生きました。私(わたし)が成長(せいちょう)する間(あいだ)ずっと一緒(いっしょ)に過(す)ごしてくれた,大切(たいせつ)な存在(そんざい)です。その犬の生涯(しょうがい)すべてに立ち会(あ)えたことが,ドッグトレーナーの仕事(しごと)にとても大きな影響(えいきょう)を与(あた)えてくれています。「犬の成長(せいちょう)の各段階(かくだんかい)ではこんなことがある」「もう少(すこ)しでやんちゃな時期(じき)は過(す)ぎますよ」など,犬の生涯(しょうがい)をずっと近(ちか)くで見たからこそできるレッスンやアドバイスを増(ふ)やすことができました。

周(まわ)りの人や動物(どうぶつ)に対(たい)する思(おも)いやりを大切(たいせつ)に

周りの人や動物に対する思いやりを大切に

好(す)きなことがある人,それに対(たい)して一生懸命取(いっしょうけんめいと)り組(く)んで欲しいです。そして,嫌(きら)いなこと,苦手(にがて)なことにチャレンジすることも含(ふく)めて,いろいろなことに挑戦(ちょうせん)してみましょう。みなさんには無限(むげん)の可能性(かのうせい)があります。「自分(じぶん)はこれしかできない」「自分(じぶん)はここまでやれば十分(じゅうぶん)」などと限界(げんかい)を決(き)めつけないでくださいね。
そして,そういう挑戦(ちょうせん)を支(ささ)えてくれる家族(かぞく)や友(とも)だちを大切(たいせつ)にしてください。特(とく)に小さな子どもやおじいちゃん,おばあちゃんへの優しさ,思(おも)いやりを忘(わす)れないでください。近年動物虐待(きんねんどうぶつぎゃくたい)が増(ふ)えていますが,弱(よわ)い者(もの)に対(たい)しての思(おも)いやりが足りない人が増(ふ)えているのではないかと思(おも)ってしまいます。だからこそ,みなさんは人,動物関係(どうぶつかんけい)なく,優しさを持(も)って接(せっ)することができる素敵(すてき)な大人になってほしいと思(おも)います。

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取材・原稿作成:東京書籍株式会社