仕事人

社会にはいろいろな仕事があるよ。気になる仕事や仕事人をたくさん見つけよう!

東京都に関連のある仕事人
1982年 生まれ 出身地 埼玉県

ぎじゅつえいぎょう技術営業
有山裕介(ありやまゆうすけ)
子供の頃の夢: 警察官
クラブ活動(中学校): バスケットボール部
仕事内容
雨水を地下に溜めて水害からまちを守る設備の設計と営業活動。
自己紹介
大人しく冷静とよく言われるが,新しいことへの挑戦が好きです。
休日は3人の子ども,妻と公園やショッピングに行ったり,料理をしたりして過ごしています。
出身高校
埼玉県立川口北高等学校
出身大学・専門学校
法政大学大学院(兼 JAXA外部研究員)

※このページに書いてある内容は取材日(2019年11月12日)時点のものです

専せん門もん的な知ち識しきを生かした営えい業ぎょうで,お客さまの信しん頼らいを得える

専門的な知識を生かした営業で,お客さまの信頼を得る

私わたしは,積水化学工業のグループ会社,積水テクノ成せい型けい株式会社で技ぎ術じゅつ営えい業ぎょうという仕事をしています。一般的な営えい業ぎょうは,会社の商品の魅み力りょくを提てい案あんし,購こう入にゅうしてもらう仕事ですが,技ぎ術じゅつ営えい業ぎょうは,さらに設せっ計けいや技ぎ術じゅつなどの専せん門もん的てきな知ち識しきを生かしてお客様に提てい案あんやアドバイスをし,購こう入にゅうを検けん討とうしてもらう仕事です。

私わたしが販はん売ばいしているのは,「クロスウェーブ」という雨水を地下に溜ためる設せつ備びです。クロスウェーブは四角すいのような形をした突とっ起きが並んでいるもので,これを重ねてすき間のある箱の形をつくって地下に埋うめることで,大雨や台風のときにそのすき間に雨水を溜ためることができるというものです。
雨水を一時的にクロスウェーブに溜ためて,その水を河か川せんに少しずつ流すことで,川の水があふれ出ることを防ふせぎ,まちの水害対たい策さくに貢こう献けんしているのです。

見えないところでまちの安全を支ささえる

見えないところでまちの安全を支える

地下なので気づかないと思いますが,クロスウェーブが設せっ置ちされている場所はみなさんの周りにもたくさんあります。コンビニの駐ちゅう車しゃ場じょうや小学校のグラウンド,病院の駐ちゅう車しゃ場じょうなどの地下にはクロスウェーブが埋うめられていて災さい害がい対たい策さくとして活用されています。

クロスウェーブの設せっ置ちは大きな工事になるので,専せん門もん的な知ち識しきを持った人がお客様に説明をすることが必要です。知ち識しきを持って提てい案あんやアドバイスをすることで,お客さまとなる企き業ぎょうや自治体も,安心と信しん頼らいを持って購こう入にゅうできるようになります。

社内外の打ち合わせや,海外出しゅっ張ちょうもこなす日々

社内外の打ち合わせや,海外出張もこなす日々

私わたしがふだん,営えい業ぎょうに行くのは市役所などの行ぎょう政せい機関や民間の企き業ぎょうです。 設せっ計けい事じ務む所しょやビルなどをつくる建けん設せつ業者などと打ち合わせをしたり,社内で設せっ計けい部門や営業のメンバーとミーティングをしたりすることも多いですね。

また,海外に自社の商品を提てい案あんしに行くこともあります。これまでインドネシア,台たい湾わん,オーストラリアなどを訪ほう問もんしました。 アジアの国には,まだ技ぎ術じゅつが進んでいなかったり,そもそも災さい害がい対たい策さくが行われていなかったりする国も多くあり,クロスウェーブへの関心も高いと感じています。また,日本のように雨水の流出をおさえる水すい害がい対たい策さくのルールが決まっていない国もあり,ルールをつくるところから提てい案あんすることもあります。

バスケットに熱中しながら,試験の成せい績せきも学年6位に

バスケットに熱中しながら,試験の成績も学年6位に

小さい頃ころは,外遊びが好きで,算数や絵を描かくのが好きな子どもでした。特に自然の木を見て絵に描かくのが好きでしたね。 小・中・高と熱中したのがバスケットボールです。小学校6年で市の選せん抜ばつ大会に出場したことは大きな自信になりました。中学では,毎朝2時間練習をして,授じゅ業ぎょうが終わってからまた部活。ひたすら,バスケットをしてばかりの日々でした(笑)。
勉強は,中学校1年の頃ころは学年全体200人中で半分くらいの成せい績せきでしたが,「ひとけたの順位になろう!」と決心。部活の後,自じ宅たくでコツコツ勉強して,中学校3年の最後の試験では学年6位の成せい績せきをとることができました。

高校時代に知ったアフリカのバオバブの木が人生のテーマに

高校時代に知ったアフリカのバオバブの木が人生のテーマに

高校生のとき,朝日新聞の「天声人語」というコラムで,バオバブについての記事を読んだのが,人生の大きな転機になりました。

バオバブは,アフリカなどに生育している樹じゅ木もくです。樹じゅ齢れい1000年以上になると,高さは30メートル,幹みきの直径は10メートルほどの巨きょ木ぼくになります。幹みきの中心は空くう洞どうになっていて,そこに水分を溜ためることができるという,とても不思議な木です。 その記事を読んで,バオバブのことがとても気になるようになりました。雨季と乾かん季きの差が激はげしい環かん境きょうに適てき応おうするために,葉っぱを小さくして水の蒸じょう発はつを防ふせぎ,幹みきに水を溜ためられるように自分の姿すがたを変えていく。そんな自然の力のすばらしさを実感しました。それをきっかけに,環かん境きょう問題に関わる勉強や仕事がしたいと考えるようになったんです。

また,高校時代に燃ねん料りょう電池について書かれた記事を目にしたことも,私の人生に大きな影えい響きょうを与えました。今では車や家庭でよく見かける燃ねん料りょう電池ですが,20年前は知っている人は多くありませんでした。「排はい気きガスがゼロのクリーンなエネルギー」という燃ねん料りょう電池に興きょう味みを持ち,大学でもその研究をしたいと考えるようになったんです。

燃ねん料りょう電池に興きょう味みを感じ,大学院生とJAXAの研究員の二足のわらじ

燃料電池に興味を感じ,大学院生とJAXAの研究員の二足のわらじ

大学では,機械工学を専せん攻こうしますが,燃ねん料りょう電池の研究はやっていませんでした。大学院に進んだときに教きょう授じゅの紹しょう介かいで,宇う宙ちゅう開発をしているJAXAの外部研究員となりました。宇う宙ちゅう空間で燃ねん料りょう電池を使うためにJAXAでも研究を始めることになったからでした。 大学院生とJAXAの研究員の二足のわらじ生活でしたが,ほとんど大学院には行かず,JAXAで研究の毎日でしたね。

大学院修しゅう了りょう後は,一いっ般ぱんの企き業ぎょうを志し望ぼうして就しゅう職しょく活動をスタートします。燃ねん料りょう電池の基き礎そ研究は学生時代にある程てい度どできたので,今度は燃ねん料りょう電池を人々の生活に役立たせるようなことをやりたかったんです。燃ねん料りょう電池に取り組む会社はいろいろな分野にありましたが,その中のひとつに積水化学工業がありました。住じゅう宅たくに燃ねん料りょう電池を組み込む時代は,今でこそ実じつ現げんしていますが,当時はまだまだ未来の話でした。そういう未来を見すえて,燃ねん料りょう電池に取り組む姿し勢せいに,魅力を感じたのです。

バオバブの木,燃ねん料りょう電池,環かん境きょうというそれまでの自分の人生で大切にしてきたキーワードが,この会社なら実じつ現げんできるはずだ,と思いました。

営えい業ぎょうで学んだ,人とのコミュニケーション

営業で学んだ,人とのコミュニケーション

入社してから7年間は営えい業ぎょうとして,住じゅう宅たくを建てたい人に家を売る仕事をしていました。社会人になる前は,どちらかというと一人でじっくりと何かをつくったり考えたりするのが好きで,人とのコミュニケーションは苦手でした。そこで,お客様とコミュニケーションが必要な営えい業ぎょうの仕事は,自分に足りないものを補おぎなって成長していくために,いい経けい験けんになると思ったんです。

始めは大変でしたが,知らない人と会話しながら人間関係をつくることに,だんだんやりがいを感じるようになりました。
営えい業ぎょうの仕事を始めてから,最初に住じゅう宅たくの購こう入にゅうをしてくれたお客さまが,契けい約やくを決めるその日に「有山くんと契けい約やくするよ」と言って,クラッカーとケーキでお祝いしてくれたことがありました。それは,本当にうれしかったですね。

バオバブの木とクロスウェーブ

バオバブの木とクロスウェーブ

7年間の営えい業ぎょう経けい験けんのあと,違ちがう立場で環かん境きょうに取り組む仕事をしてみたい,と考えるようになりました。そんな時に,グループ会社で雨水の対たい策さくに取り組んでいる部署があるということを耳にしました。それが,クロスウェーブの製せい造ぞう,販はん売ばいを行っている今の会社でした。

バオバブの木は,幹みきの中に水を溜ためていると言いましたが,クロスウェーブも同じで水を溜ためる設せつ備びです。自然界がやっていることを人工的に行うことで,環かん境きょう問題の解かい決けつに役立てるという共通点を感じました。高校生から思い描えがいてきたことに,少しずつ近づいている。そこに,とてもやりがいを感じますね。

クロスウェーブは大雨が降ふった時などに,川の水が増ふえてあふれ出てしまわないように,雨水を一時的に溜ためる水害対たい策さくの設備です。これからは,日本はもちろん,海外にもこのシステムを広げていきたいですね。一方で,水不足に苦しんでいる地ち域いきや国もあります。溜ためた水を水不足に悩なやむ場所に上手に届とどける。そんな仕組みづくりにも挑ちょう戦せんしていきたいと考えています。
個こ人じん的てきな夢ゆめとしては,アフリカに行ってバオバブの木を自分の目で見てみたいですね。そして,いつか,クロスウェーブをアフリカでも使ってもらえる日が来たら,本当にうれしいです。

SDGsに直結した仕事に誇ほこりを感じる

SDGsに直結した仕事に誇りを感じる

住み続けられる,環かん境きょうにやさしい家やまちづくりをすることは,私わたしたち積水化学グループの大きなテーマです。それはSDGsのゴール11「ずっと住み続けられるまちづくりを」や12「つくる責せき任にんつかう責せき任にん」,13「気候変動に具体的な対たい策さくを」など,多くの目標と密みっ接せつに関係しています。自分の仕事がSDGsの目標達成に役立っているというのは,働きがいや誇ほこりにもつながっていますね。

今の小学生のみなさんは,学校でSDGsについて学んでいると思います。そんなみなさんが大人になって社会の主役となる10年後は,社会の意い識しきも大きく変わっているはずです。SDGsがどんどん実じつ現げんしやすい世界になっているのを期待したいですね。

私わたしの学生時代や仕事のキャリアを振ふり返ると,バオバブや燃ねん料りょう電池など,いろいろな情じょう報ほうに触ふれてきたことが,大きなターニングポイントになりました。そういうきっかけは,意外なところからやってきたりします。SNSやインターネットでは自分の興きょう味みのある分野の情じょう報ほうに偏かたよりがちです。ぜひ,本やテレビ,人など,もっと広い視し野やでたくさんの情じょう報ほうにふれてみてください。知らなかったことを知ることで,私わたしのように人生や夢ゆめが大きく変わるかもしれません。

ファンすべてを見る

(静岡県 中1)
(宮崎県 中1)
(長崎県 中1)
(群馬県 中1)
(愛知県 中1)
※ファン登録時の学年を表示しています

私のおすすめ本

常に新しい情報や感性に響く記載、写真がありわくわくします。 自分に無い知識や見方に触れる良い機会になる本だと思います。

もっと知りたいこの仕事人

積水化学グループのSDGsへの取り組み
取材・原稿作成:株式会社日経BP