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東京都に関連のある仕事人
1970年 生まれ 出身地 東京都

山田(やまだ) 照(あきら)
子供の頃の夢: 社長
クラブ活動(中学校): 科学部
仕事内容
よりよい住まいをつくる。
自己紹介
好こう奇き心しん旺おう盛せいで新しいもの好きです。歴れき史しにも興きょう味みがあって,特に好きな戦国武ぶ将しょうは真さな田だ幸ゆき隆たかです。仕事などで迷まよったときには,歴れき史し上の偉い人じんたちの行動を参考にしています。休みの日は旅行,街歩き,ゴルフ,美び術じゅつ館かん巡めぐりなどをして過すごしています。
出身大学・専門学校

※このページに書いてある内容は取材日(2020年11月19日)時点のものです

その土地に合った建物を建てて,お客さまに販はん売ばいする

その土地に合った建物を建てて,お客さまに販売する

私わたしは,建けん設せつ業ぎょうと不動産業を営いとなむ山やま田だ建けん設せつという会社で社長をしています。本社は東とう京きょう都と大おお田た区くにあります。山田建けん設せつは1963年に私わたしの祖そ父ふが設せつ立りつし,父,私わたしと3代にわたって経けい営えいを続けてきました。私わたしは大学を卒業した1993年に入社し,設せっ計けいの仕事を経へて,2014年から社長を務つとめています。主に首しゅ都と圏けんの建物を扱あつかっていて,これまでに,600棟むね以上のマンションと2万2千戸以上の家を販はん売ばいしました。そのうち90パーセント以上は自社で建けん設せつしたものです。
山田建けん設せつは,土地の仕入れから企き画かく,設せっ計けい,施せ工こう,販はん売ばい,管理まで,建物に関わる全ての段だん階かいに携たずさわっています。土地を仕入れた後,最初に取りかかる「企き画かく・設せっ計けい」には,マーケティングと呼よばれる「お客さまの需じゅ要ようを調ちょう査さ・分ぶん析せきし,売れるものを考える作業」が必要不ふ可か欠けつです。どんな住人が好む町で,どのような大きさやデザインの部屋が求められるのか,などを調ちょう査さ・分ぶん析せきします。また,建物を建てるには,守らなくてはいけない法ほう律りつもたくさんあり,道みち幅はばや高さに制せい限げんがあります。マーケティングの結果と法ほう律りつを考こう慮りょしながら計画を練り,建物の設せっ計けい図ずを描かくのです。そして,その設せっ計けい図ずを見ながら建物を建てることを「施せ工こう」といいます。
建物が完成したら「販はん売ばい」します。山田建けん設せつでは,主に分ぶん譲じょうマンションを販はん売ばいしています。モデルルームで部屋を公開し,見学会にいらっしゃったお客さまに販はん売ばいします。部屋の設せつ備びはお客さまのお好みに合わせて変へん更こうすることもできるので,そういった相談にも乗っています。建物を売った後は,お客さまに快かい適てきに過すごしていただくために建物の「管理」を行います。マンションの場合には,購こう入にゅうされた建物の中を掃そう除じしたり,エレベーターを安全に使えるようにメンテナンスしたりするのです。協力会社にも手伝ってもらいながら,管理業ぎょう務むも自社グループで行っています。

よりよい建物を提てい供きょうするため,全ての段だん階かいに携たずさわる

よりよい建物を提供するため,全ての段階に携わる

土地の仕入れから管理までの全ての段だん階かいに携たずさわっているのは,建けん設せつ業ぎょう者しゃでも珍めずらしいほうです。一いっ般ぱん的てきには,デベロッパーと呼よばれる開発会社が土地を仕入れ,設せっ計けい事じ務む所しょが企き画かく・設せっ計けいして,建けん設せつ会社が施せ工こうを行い,不動産会社が販はん売ばいします。なぜ山田建けん設せつはこれら全てを担たん当とうするのかというと,お客さまによりよい建物を提てい供きょうしたいからです。
たとえばお客さまからクレームが入ったとき,各工こう程ていを担たん当とうした会社が別々だと,対たい応おうするのはお客さまとの窓まど口ぐちになる会社だけになります。窓まど口ぐち以外の会社はクレームを受けることも,その詳しょう細さいを知ることもありません。そのため,「クレームにつながりそうな企き画かく・設せっ計けい・施せ工こうは避さけよう」という意い識しきが低くなってしまうのです。しかし山田建けん設せつには企き画かくから販はん売ばいまで,全ての担たん当とう者しゃが社内に揃そろっています。もしクレームがあれば,全ての関係者にその内ない容ようが伝えられます。そうすると,「クレームの原げん因いんは何か,どんなことにお客さまが不満を感じているか」に気付けるため,企き画かく・設せっ計けいの段だん階かいから,建てるときやお客さまが使うときのことまで考えるようになるのです。その結果,よりよい建物をつくることができるのです。
ただ,全員が全員,いつも完かん璧ぺきなわけではありません。細心の注意を払はらって作業していても,ときには不具合が発生するときもあります。そこで山田建けん設せつが大切にしているのが,不具合はすぐに共有し,お金がかかっても,必ず直すということです。社員には「人は誰だれでもミスをするものだから,ミスをすること自体は責せめない。それよりも,ミスを報ほう告こくせずに隠かくしておくことのほうが問題だ」と伝えています。これは施せ工こうに携たずさわる協力会社の方々に対しても同じです。祖そ父ふの代から一いっ緒しょに仕事をしている協力会社ばかりなので,信しん頼らい関係が築きずけており,ミスは隠かくさず,見つけたらすぐに直すという意い識しきを共有できています。そういったミスへの考え方も,よりよい建物づくりにつながっているのです。

何よりも大切なのは,お客さまのためを思って建物を提てい案あんすること

何よりも大切なのは,お客さまのためを思って建物を提案すること

山田建けん設せつが大切にしているのは,お客さまがより快かい適てきに過すごせる建物をご提てい案あんすることです。私わたしたちは建物に関して,さまざまな相談を受けます。そのときに,何がお客さまにとって一番いいやり方なのかを必ず考えるのです。たとえば,建物を建てようとしている発注主から「この図面でつくるには,いくらかかるかを教えてほしい」と言われたとき,一いっ般ぱん的てきには,工事部と相談して,算出した工こう事じ費ひをお伝えするだけで終わります。
しかし山田建けん設せつでは,もし「いただいた図面よりもいい建物がつくれる」と感じたら,別の図面も一いっ緒しょにご提てい案あんするのです。ときには,私わたしが自分で図面を描かき,提てい案あんして,「そっちのほうがいいね」と言っていただけることもあります。お客さまのためを思ってのことなのですが,そんなふうに言っていただけると,とてもうれしいですね。

オールマイティな社員が活かつ躍やく

オールマイティな社員が活躍

山田建けん設せつの社員は,なんでもできるところが特とく徴ちょうです。営えい業ぎょう・企き画かく・設せっ計けいと業ぎょう務むは分かれているのですが,全員が,メインの担たん当とう業ぎょう務む以外の仕事もこなします。たとえば営えい業ぎょうの社員は,メイン業ぎょう務むである土地の購こう入にゅうだけではなく,企き画かく・設せっ計けいまでできるようにしています。そうすることで,たとえば不動産業者から土地を買うときに,「このような法ほう律りつ上の理由で設せっ計けいが難むずかしいので,土地を買うことはできません」などと説明することができるのです。
また,なんでもできる社員が多ければ,お互たがいに助け合うことができます。企き画かく・設せっ計けい担たん当とうの社員が忙いそがしかったり,どうすればいいのか悩なやんでいたりして,設せっ計けい図ずがなかなか完成しないときがあります。営えい業ぎょうや施せ工こうを担たん当とうする社員には余よ裕ゆうがあるのに,設せっ計けい図ずだけが仕上がらないために,作業全体が止まってしまうのです。そういうとき,営えい業ぎょうの社員が企き画かく・設せっ計けいにも対たい応おうできれば,助けに入って作業を次に進めることができます。
さらに,どうしても作業が進まないときには,私わたしが企き画かくや設せっ計けいの助けに入ることもあります。山やま本もと五い十そ六ろくが残した「やってみせ,言って聞かせて,させてみせ,ほめてやらねば,人は動かじ」という言葉を胸むねに,社員を引ひっ張ぱる立場の私わたしが,積極的にやってみせようと,普ふ段だんから心がけています。

迷まよったときには歴れき史しに聞く

迷ったときには歴史に聞く

仕事をしている中で,社長として何かを決けつ断だんしなくてはならない場面はたくさんあります。そんなときに参考にしているのが,歴れき史し上の偉い人じんたちの行動です。
私わたしが特に好きな戦国武ぶ将しょうは真さな田だ幸ゆき隆たかです。彼かれの「一つのことにはこだわらず,常つねに最さい適てきな手しゅ段だんを取る姿し勢せい」は,仕事において,とても大切なことだと思っています。彼かれは武たけ田だ信のぶ虎とらが攻せめてきたとき,それまで大事にしていた城を捨すてて逃にげることを選せん択たくしました。武ぶ士しとして最後まで戦うことが一番大切とされていた時代に,生きていればどうにかなる,逃にげてまた会おうと決けつ断だんして,仲間と別れたのです。私わたしは短期的な損そん得とくにこだわらないその姿し勢せいを見習って,経けい営えい的てきな戦せん略りゃくを組んでいます。たとえば,たくさんのお金を費ついやしてきたのにも関わらず,なかなか芽が出ない事業があるとき,「これまで膨ぼう大だいなお金をかけてきたのだから,今さら引けない」と考えてしまうものですが,私わたしはすぐに手を引きます。そうすることで,結果的に,それ以上に損そんをする事じ態たいを避さけることができるのです。
また,武たけ田だ信しん玄げんの考え方もいつも心に留とめています。「人は城,人は石いし垣がき,人は堀ほり,情なさけは味方,仇あだは敵てきなり」。これは,武たけ田だ信しん玄げんの有名な考え方で,「適てき材ざい適てき所しょを心がければ,人は城にも石いし垣がきにも堀ほりにもなる。人をいたわる気持ちをもって付き合えば味方になるが,恨うらまれるようなことをすれば敵てきにもなってしまう」という意味です。会社経けい営えいをする上で,こういった言葉は本当にためになります。

信しん頼らいし合える仲間と一いっ緒しょに

信頼し合える仲間と一緒に

仕事で「苦労」と感じていることは特にありません。私わたしには,たくさんの社員と協力会社の仲間が付いているからです。経けい営えいや施せ工こうに関して悩なやむこともありますが,そんなときには,経けい験けん豊ほう富ふな社員が助けてくれます。相談して,一いっ緒しょに解かい決けつ策さくを考えてもらいます。社長という立場でも,対等に話し合える関係です。
この関かん係けい性せいを作るには,普ふ段だんから信しん頼らい関係を築きずくことが重要です。そのために気を付けているのが,きちんと意見を聞いて,どんな内ない容ようでも否ひ定ていしないということです。以前,ある営えい業ぎょう担たん当とうの社員が新しん規きの建けん設せつ計画を持ってきたのですが,さまざまな条じょう件けんを照らし合わせると,計画では低い利り益えきしか出ない物ぶっ件けんでした。普ふ段だんは少なくとも10%は利り益えきの出る販はん売ばい計画を立ててもらっているため,収しゅう益えき性せいの少なさに一いっ瞬しゅん,戸と惑まどいました。しかし,きちんと意見を聞いてみると,その社員の情じょう熱ねつや,物ぶっ件けんに対する思いが十分に伝わってきたため,建けん設せつを許きょ可かすることに決めたのです。
すると,その社員の情じょう熱ねつが,設せっ計けいや販はん売ばいの担たん当とう者しゃのやる気にもつながり,どんどんよいアイデアが生まれ,想そう像ぞう以上に素す晴ばらしい建物ができあがりました。その結果,当初の想定を大きく超こえる,20%近い利り益えきが出たのです。「自分が出した意見もきちんと聞いてもらえるんだ」と感じることは,社員のモチベーションアップにもつながります。だからこそ,否ひ定ていせずに意見をきちんと聞くことを大切にしているのです。
仕事をしていてうれしいことならば,数え切れないほどあります。信しん頼らいし合える仲間とともに完成させた建物や,入にゅう居きょされるお客さまの笑え顔がおを見ると,達成感でいっぱいになります。また,分ぶん譲じょうマンションや戸建ては長年の住みかとなります。数年ぶりに訪ほう問もんしたら,入にゅう居きょ当時は小さかったお子さんの成長した姿すがたを見られた,なんていうこともありました。そんなときには,大きなやりがいを感じます。

ものづくりが好きな子どもだった

ものづくりが好きな子どもだった

幼よう稚ち園えんのときの遊び場は,自じ宅たくの下にあった会社でした。そこで父親が働く姿すがたを見ていたので,このころには既すでに「将しょう来らいは自分もこの会社に入るのかな」となんとなく思っていました。
小学校のときに夢む中ちゅうになったのは模も型けい作りです。自分なりに図面を描かき,細長い木の棒ぼうに釘くぎを打ったり紐ひもを付けたりして,エレベーターなどの模も型けいを作っていました。これが建けん築ちく士しへのスタートラインだったのかもしれません。模も型けい作りのほかには,昆こん虫ちゅうも大好きでした。祖そ母ぼの家の近くにあった林で,よく虫を捕つかまえて遊んでいました。当時,特にはまっていたのが,蜂はちです。小さな蜂はちの巣と女じょ王おう蜂ばちを捕つかまえて,自じ宅たくの庭の木に巣を取り付けたらとても大きくなってしまい,両親に怒おこられたことをよく覚えています。
本ほん格かく的てきに建けん築ちく士しを目指すようになったのは,高校2年生のときです。それまでは毎日遊んでばかりでしたが,真しん剣けんに進路を考え始めたとき,自分はものづくりが好きだということや,幼おさないころから父親が働く姿すがたを見ていた影えい響きょうで,少なからず建けん築ちくに興きょう味みがあることに気が付きました。それを機に,卒業後は建けん築ちく学科に行きたいという思いを強くしたのです。建けん築ちくを学びたい一心で必死に勉強し,無事,建けん築ちく学科に入学することができました。

なんてことのない会話が価か値ちを生み出す

なんてことのない会話が価値を生み出す

何をするにも遅おそすぎるということはありませんが,若わかいみなさんにしかできないこともあります。一いっ生しょう懸けん命めい勉強して,遊ぶときには全力で遊んで,今を大切にしてください。そして何より,たくさん人と話してください。仕事も恋れん愛あいも,人とのコミュニケーションがなくては始まりません。また,何か新しい価か値ちは,話が脱だっ線せんして盛もり上あがったときに生まれやすいものです。だからこそ,人とたくさん話をしてほしいなと思います。もちろん難むずかしい話でなくて大だい丈じょう夫ぶです。芸げい能のう人じんやバラエティ番組の話など,自分が好きなものについてじっくり話せる友達を作ってください。私わたしもいまだに学生時代の友達と連れん絡らくを取ることがあります。趣しゅ味みの話をしたり,ときには仕事の話をしたりします。そして,いざというときに頼たよれる会社の仲間がいます。何よりも人のつながりが大事だということを覚えておいてもらえるとうれしいです。

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役職や地位が上がったり,仕事や勉強の成績が上がったりすると,どうしても自信過剰になりわがままになるときがあります。どんなときも,耳の痛いことでもまわりの人の意見は聞いたほうが良いという帝王学の教科書で,自分自身への戒めに最高の本です。

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取材・原稿作成:横塚 瑞貴(Playce)/協力:城北信用金庫