仕事人

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愛媛県に関連のある仕事人
1988年 生まれ 出身地 愛知県

りんぎょうぎし林業技師
喜綿(きわた) 真一(しんいち)
子供の頃の夢: 消防士(消防官)
クラブ活動(中学校): 陸上部
仕事内容
山の一生をつくる仕事(種の生産から木材の収穫まで)
自己紹介
太ってきたので山登りでダイエット中。休みの日はラジオを聴きながらドライブや自宅で養殖している魚の管理。
出身高校
愛知県立岡崎北高等学校
出身大学・専門学校
高知大学 農学部

※このページに書いてある内容は取材日(2020年02月25日)時点のものです

「良い木」が育つ「山づくり」をする

「良い木」が育つ「山づくり」をする

わたしの仕事は森林を管理して,建物や家具の材料となる木材をつくることです。
木材をつくるまでには,苗なえ木ぎを種から育て,木の成長に合わせて地面に生えた草を刈かり取とり,木の成長に合わせて余よ分ぶんな枝えだを切り落とすなど,たくさんの人の手と長い時間が必要です。そうして育てた木を,「伐ばっ採さい」して木材となります。建物や家具をつくるための「良い木」を育てるのに大切なのは,成長の段だん階かいに合わせて,きちんと人が手を入れて管理することです。

苗なえ木ぎを育て,広い山々で木の成長を管理する

苗木を育て,広い山々で木の成長を管理する

現げん在ざい,わたしは愛媛県新に居い浜はま市しにある,森林の管理を担たん当とうしています。担当するのは,四国山さん脈みゃくにつらなる山々です。 木を育てるために,季節や天候に合わせて,一いっ緒しょに協力して仕事をしている会社の人たちと,いつ,どんな作業をするかを相談したり,実じっ際さいに山に入って木や森の状じょう態たいを確かく認にんしたりします。 また,温室でコンテナ容よう器きを使って育てる苗木づくりも仕事のひとつです。 苗木づくりは,高級な木材となる品種や,成長が早くて良りょう質しつなスギやヒノキ,少花粉・無花粉の木など,目的に合わせた木をその地ち域いきに合わせて育てていきます。

長年,受うけ継つがれてきた知ち恵えと,最新の技ぎ術じゅつを組み合わせて

長年,受け継がれてきた知恵と,最新の技術を組み合わせて

山の中の作業は,自然を相手ということもあり,体力をつかうこともあります。大変なのは,太陽が照りつける中で,黙もく々もくと下草を刈かる作業ですね。ほかにも広い山の中を歩いて回るなど,林業では人の力に頼たよる作業がまだまだ多くあります。 しかし,最近は,ドローンを使って上空から山の様子をチェックしたり,苗なえ木ぎをまとめて大おお型がたドローンで山の上まで運んだり,新しい技術で効こう率りつ的てきに山を管理できるようになっています。 もちろん,ずっと昔から受け継がれてきた森林づくりのノウハウ,現げん場ばで木を直ちょく接せつ見守ってきた人たちの経けい験けんも大切です。人の知恵と作業に,最新の技術を組み合わせて,良い木が育つ,価か値ちのある森林づくりにチャレンジしたいですね。

現げん場ばで学んだことが,今の自分の財ざい産さん

現場で学んだことが,今の自分の財産

わたしはもともと自然が大好きな子どもでした。自然に囲かこまれたのどかな地ち域いきで育ったので,毎日,ザリガニ釣づりなどして遊んでいましたね。大学に進学するときも,自然に関わる仕事ができるようにと,林業を学ぶことに。大学では,山の管理の基き本ほんを教室で学んだり,山で測そく量りょうなどを体験したりする研けん修しゅう授じゅ業ぎょうなどもありました。 大学での学びが活いかせる職しょく場ばとして,現げん在ざいの会社に就しゅう職しょく。念願の林業の仕事でしたが,入社してからは,毎日,現場で実じっ践せん的てきなことを学べることがとても楽しかったですね。 特に現場で作業する人たちからは,多くのことを学びました。例えば,成長の途と中ちゅうで,手を抜ぬいてしまった森林と,きちんと手入れした森林では,木の育ち具合が明らかに違ちがいます。その原げん因いんがどこにあるのかなど,長年森林を見てきた人だから分かることを,直ちょく接せつ教えてもらえた経けい験けんが,今の自分にとって大きな財産になっています。

「山の一生」をデザインする

「山の一生」をデザインする

仕事で一番やりがいを感じているのは,「山の一生をデザインできる」ということですね。ずっと先の将しょう来らいを考えて,そのためにいつ,何をするか,今,できることは何かを考える,そこにやりがいを感じています。 山は,その土地や場所の条じょう件けんで,全く違ちがっています。同じように手を入れていても,土地が良ければ「良い木」が育つし,土地に力がないとどんなに世話をしても「良い木」は育ちにくい。 山の条件を過か去このデータや今の様子から見み極きわめて,「この先,良い木が育つ山として残していくために必要なことは?」と考えながら,毎日,働いています。木は,成長して伐きるまでに50年や100年以上かかることもあります。そのようなときは,未来の担たん当とう者に自分の夢ゆめを託たくす気持ちです。 林業は,とても長い時間をかけて取り組む仕事です。今やっていることの結果は,100年後にならないと分からないこともあります。これまでと同じやり方をずっと続けていくだけで,100年先まで続く保ほ証しょうもありません。 ですから,今の時代の林業の担にない手てとして,新しいことにどんどん挑ちょう戦せんしていきたいと思っています。それが,この先100年後も,安心して木材を使い続けられることにつながるのだと思っています。

木のある暮くらしが,森を守る林業を応おう援えんすることに

木のある暮らしが,森を守る林業を応援することに

木は,きちんと人の手で管理し,植える・育てる,伐きる,加工する,使うという「循じゅん環かん」をつくることで,何度もつくり続けることができる大切な資し源げんです。 今,林業では,木材の使われる量が減へって,せっかく育てた木が伐きられずに,そのまま放ほったらかしになっているという問題を抱かかえています。森の手入れをする若わかい働き手が不足していることも大きな問題です。 これらの問題を解かい決けつするには,森と人間が共に生きる未来をつくることが大切になってきます。そのためにも,みなさんには木が身近にたくさんある暮らしをすることで,森を守る林業を応援してもらいたいと思っています。

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取材・原稿作成:日経BP