• 愛媛県に関連のある仕事人
  • 1987年 生まれ

    出身地 愛媛県

みかんのうかみかん農家

梶谷かじたに 高男たかお

  • 仕事内容

    かんきつ類を栽培する

  • 自己紹介

    すっごい楽天的。ポジティブ。車で走るのが好きで、収穫しゅうかく期以外は、友達と一緒いっしょにふらっとドライブにでかけ、おいしいご飯を食べに行ったりする。

  • 【このページに書いてある内容は取材日(2013年12月09日)時点のものです】

梶谷 高男


仕事人記事

7ヘクタールのみかん畑

7ヘクタールのみかん畑

わたし愛媛えひめ八幡浜やわたはま市で,温州みかんを始め,でこぽん・いよかんなど,かんきつ類の果物を栽培さいばいしています。畑は育てている品種ごとにいくつかの山に分かれていて,全て合わせると約7ヘクタール。これは,みかん農家としてはかなり広いほうで,東京ドーム5個分こぶん以上もの広さになります。中でも自宅じたく保管ほかん倉庫のうらに広がるみかん畑は,標高300mの山の頂上ちょうじょう付近に位置しています。こうした環境かんきょうの中,一年を通して,実の成長に合わせた農作業を行っています。5月中旬ちゅうじゅんに木に花がいたころからえだの消毒を始め,夏から秋にかけて実を間引きし,余計よけいえだを切り落とします。季節の変わり目ごとに肥料ひりょうあたえ,冬に実がじゅくしてきたら収穫しゅうかくむかえます。普段ふだんわたしと両親の3人で働いていますが,この時期は本当にいそがしくなりますので,7~8人ほどのアルバイトさんをやとい,10人ほどで収穫しゅうかく作業を行います。

自然と上手く付き合う

自然と上手く付き合う

みかん栽培さいばいでは,上手に自然と付き合っていくことが必要です。例えば,夏場にえだの消毒をするさい薬剤やくざいけるために全身に着る合羽が大変暑く,日が照り出す朝10時までに作業を終わらせないと,熱中しょうたおれてしまいます。また冬場の収穫しゅうかくは,雪がり出す前の時期に終わらせないと,せっかく一年かけて育てた実がいたんで,売り物にならなくなってしまいます。わたしたちの農園では,こうした気候がもたらす苦労や被害ひがいらすために,様々さまざま技術ぎじゅつを取り入れています。最近では,雨で水分が多くなりぎることをふせぐために木の根をシートでおおい,代わりに水や肥料ひりょうを自動であたえるマルチドリップ灌水かんすいという設備せつび導入どうにゅうしました。この設備せつびはかんきつ類の栽培さいばいでは最も新しいもので,実のあまみをやす効果こうかもあります。

最もいそがしくなるのは収穫しゅうかくの時期

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みかん農家が最もいそがしくなるのは,収穫しゅうかく期の11月と12月です。この時期は毎朝5時50分に起きて,晴れていれば6時半に軽トラックで家を出発し,7時半にはアルバイトさんと共に畑のある山に到着とうちゃくします。畑に着いたら,木4~5本ごとに実をえだからコンテナにうつしていきます。1本の木かられるみかんはおよそ1000弱。2人で作業をして10分から20分ほどの時間がかります。わたし役割やくわりは,いっぱいになったコンテナを運ぶようにタイミングよく指示しじを出すなど,アルバイトさんが無駄むだなく働けるように全体の指揮しきを取ることです。16時半になったら山を出発して倉庫にみかんを持ち帰り,専用せんようの機械で実の大きさを分けつつ,きずがついていて売り物にならないものを手で取りのぞきます。その後,20時までに農協にみかんを出荷し,ようやく一日が終わります。

効率こうりつを上げる様々さまざまな工夫

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同じ作業をするにしても,より早く,より楽になるようにこだわって仕事をしています。例えば,収穫しゅうかくさいに重いコンテナをなるべく人の手で運ばなくてむように,木を植える位置を工夫して,車が山のおくまで入るための小道を作っておきます。また,高い位置まで登りりして実をる手間を省くために,夏や秋にえだを切るさい,木が低く育つような切り方を心がけています。ちなみにえだの切り方には,美味しい実のなる切り方,収穫しゅうかく量をやす切り方,畑を歩きやすくする切り方など様々さまざまな方法があって,木を見れば農家さんごとの特徴とくちょうが見えてきます。わたしが一番大切にしているのは,効率こうりつの良さ。こうした工夫の積み重ねが,同じ時間働いても,より多くの量を収穫しゅうかくしたり,より品質ひんしつの良いものを収穫しゅうかくしたりすることにつながっていくのだと思います。

いつかみかん御殿ごてん

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わたしが実家の農園をぐ前,冬に大雪がって,育てていたみかんの大部分が売り物にならなくなってしまった年がありました。収入しゅうにゅうは大きくり,両親が大変苦労している様子を目の当たりにしました。このような経験けいけんもあり,無事に収穫しゅうかくむかえ,農協にみかんを出荷して代金を受け取った時には大きな喜びを感じます。商売に成功して立派りっぱな家を建てることを,ぞくに「御殿ごてんを建てる」などと言いますが,わたしも今以上に効率こうりつ的に作業を行い,収穫しゅうかく量をやして,いつかみかん御殿ごてんを建てたいです。こうした目標に向けて,冬に収穫しゅうかくするみかん以外に,一年の他の季節にも収入しゅうにゅうを得られる手段しゅだんが必要ではないかと考えています。そこで現在げんざいは,夏に収穫しゅうかくできるブルーベリーの栽培さいばいなどに取り組んでいます。

農大・農協をて家業をいだ

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小さいころ漠然ばくぜんとシェフなどの職業しょくぎょうあこがれていましたが,高校生になって進路を考えるに当たり,実家のみかん農家をぐことを真剣しんけん意識いしきし始めました。3年生になって,父親が農大を卒業していた影響えいきょうもあり,わたし愛媛えひめ県立農業大学校で学ぶことを決意。農大に進学すると,父親同士が農大の同級生という友人も多く,たくさんの仲間ができました。農大の卒業後,修行しゅぎょうのために農協に就職しゅうしょくして,3年間農家さんの指導員しどういんとして働いた後,いよいよ実家にもどってみかん農家を始めました。今では,地域ちいき組合の八幡浜やわたはま青年部で副会長をつとめるにいたっています。また,農大で共に学んだ仲間とは,「農業戦隊タガヤスンジャー」というチームを作り,栽培さいばい販売はんばいの新しい取り組みを披露ひろうし合うなど,今でも刺激しげきあたえ合う関係を続けています。

学年のへだたりなく遊んだ小学校時代

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わたしの通っていた小学校は,全校で児童が18名という小ささ。もちろん全員が友だちで,学年のへだてなく遊びました。一番印象に残っているのはおにごっこです。おにごっこといっても,広い自然の中で遊ぶのですから,ほとんどかくれんぼうのようなもの。いつ終わるともなく,日がれるまで遊んでいました。そんな環境かんきょうで育ったせいか,来客があると「みかんあるから持っていって!」と言うような,人見知りはしない子どもでした。中学校に入ると,数学が好きになって成績せいせきびていきました。今,木を植える面積やスプリンクラーの配管を考えるさいなどに,数学で学んだことが役立っているなと感じます。

農業はゆめのある職業しょくぎょう

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農業にはたくさんの苦労もありますが,わたしゆめのある職業しょくぎょうだと感じています。なぜなら,効率こうりつを上げ,収入しゅうにゅうやす工夫はいくらでもできますし,自分が努力すれば努力しただけ,いつか結果になって返ってくるからです。もちろん,自然を相手にする仕事ですから,思うようにいかないこともあります。しかし今は,自然がもたらす被害ひがいを少なくする技術ぎじゅつもたくさん発展はってんしてきました。みなさんの中から,農業に魅力みりょくを感じ,積極的に挑戦ちょうせんしてくれる方があらわれてくれたらうれしいですね。

  • 取材・原稿作成:愛媛県農林水産部担い手育成係・(c)学校ネット株式会社

私のおすすめ本

  • 奇跡のリンゴ

    石川 拓治

    講演を聞く前に読んだ。まねはできないけど、衝撃を受けた。