<木き地じ師し>の仕事 岐阜県恵那市小こ林ばやし 一かず雄おさん 岐ぎ阜ふ県けん恵え那な市しで,木き地じ師しをしています。木き地じ師しとは,ロクロを使って,木もく製せい品ひんを作る人のことです。写真は,私わたしが木き地じ師しになるきっかけとなった,トチの木の木目。27歳さいのころ,木もく製せい品ひんを作っていたおじの仕事場で見た木目に,心を奪うばわれました。「自分も,こんなきれいな木目を生かして,何か作ってみたい」と思うようになったんです。 木をロクロにはめこんで,高速で回転させ,刃は物もので削けずっていきます。木はとても繊せん細さいなので,割われないように気をつけて,ゆっくり作業を進めなければいけません。うちの工こう房ぼうでは,私わたしと息むす子ことが木き地じ師しとして木を削けずって,形を整えます。仕上げの塗ぬり作業は,妻つまも加わって,みんなで行います。 木き地じ師しの仕事は,製せい品ひんを作るだけではありません。木を削けずる刃は物ものを,自分で一から作るのも,大切な仕事です。鉄の棒ぼうを買ってきて,鍛か冶じ場で鉄を温めて,叩たたいて刃はの形にしていきます。刃は物ものを持つ柄えの部分も,木を加工して,自分で作ります。道具を自分で作るのは,昔からの木き地じ師しの伝でん統とうです。
キラリ仕事人 「木目を生かして作品を作る」 木地師 小こ林ばやし 一かず雄おさん あしたねインタビュー 聞き書き甲子園 第14回(2015年)参加作品 「木目にこだわり、美を引き出す」 記事を読む 寄付協力:株式会社ファミリーマート 協力:林野庁/公益社団法人国土緑化推進機構/NPO法人共存の森ネットワーク イラスト:平田 美紗子(林野図書資料館)