<林業>の仕事 東京都檜原村田た中なか 惣そう次じさん(田中林業株式会社) 一本の木を育てるには長い時間がかかります。枝えだを切ったり,森の下草を刈かったりと,ていねいに世話をしてあげる必要があります。森の中を見回っていて,50年,100年かけて大きく育った木を見ると,本当にうれしくなります。「よく育ってくれた」と声をかけて,太く育った木の幹みきを思わず抱だきしめてしまうこともあります。 スギやヒノキの丸太の皮をむいて磨みがき上あげると,つやつやとした磨みがき丸太ができます。日本家屋には,花や掛かけ軸じくを飾かざる床とこの間まを造つくって,磨みがき丸太を床とこ柱ばしらに使います。最近のマンションなどは床とこの間まがないので,磨みがき丸太はあまり売れなくなってしまいましたが,昔は,きれいな磨みがき丸太がとても高い値ね段だんで売れたものです。 森林は地球の環かん境きょうを守っています。二に酸さん化か炭たん素そを吸きゅう収しゅうして,酸さん素そを作ります。山に降ふった雨は,森林の柔やわらかな土や落ち葉に吸すい込こまれて,ゆっくりと川に流されます。木の根は山の土をしっかりと抱かかえて山やま崩くずれを防ふせぐ働きをしています。私わたしたちが健康に生きつづけるために,森林が果たしている役やく割わりはとても大きいのです。
キラリ仕事人 「木を植えて育てるところから,出荷までを行う」 林業 田た中なか 惣そう次じさん あしたねインタビュー 寄付協力:株式会社ファミリーマート 協力:林野庁/公益社団法人国土緑化推進機構/NPO法人共存の森ネットワーク イラスト:平田 美紗子(林野図書資料館)