ドリームカプセルの形を作ったり,メッセージプレートを作る人

株式会社由紀精密
代表取締役 大坪 正人

プロジェクトでの役割

もともとこのプロジェクトは宇宙ごみを掃除しようということで知り合った仲間達でスタートしました。
その後,プロジェクトが徐々に進化し,拡大していき,今,子どもたちの夢をメッセージプレートに刻み,タイムカプセルに詰めて38万キロ彼方の月へ運び,30年後にそのタイムカプセルを回収しに行くという,夢のようなビックプロジェクトになりました。由紀精密は,そのタイムカプセルであるドリームカプセルの設計,開発,製造を担当しています。

乗り越えたハードル

まず,ポカリスエットの缶という限られた形と空間の中に,多くの子どもたちのメッセージを分かりやすく,正確に納めることを実現しました。
そして,ドリームカプセルを製造するうえで大切なことは,月までの38万キロという長旅に起こりうる,あらゆる状況に対処することです。ロケット発射時の激しい振動に耐え,宇宙空間の強力な放射線の影響を克服し,ドリームカプセルを月面に落とす衝撃に耐え,その後の30年間は劣化させないということです。
さらに,これらの過酷な条件をクリアしたうえで,ロケットの負担を減らすためにドリームカプセルを極限まで軽くしなければならないという課題もありました。

プロジェクトへの思い

このように壮大な目標に向かって挑戦することは素晴らしいことですし,チーム一員になったことは光栄なことです。
実際にやってみないと分からないことも,たくさんあるでしょう。宇宙空間はまだまだ分からないことだらけです。しかし,それもプロジェクトに参加したからこそ実感できることなのです。
好奇心から始まり,次々に遭遇する新たなことへチャレンジし,そのハードルを分析し,乗り越えたときは,何ごとにも代え難い素晴らしい経験になります。
皆さんにも知ってほしいです。こんな小さな会社でも,月にドリームカプセルを運ぶような楽しく素敵な仕事ができるということを。