

現場監督(シールドトンネル) の仕事
今井 亮子さん (戸田建設株式会社)


神奈川県横浜市にできる「新綱島駅(仮称)」という新しい駅の建設にともない,これまでの路線と新駅をつなぐ部分のトンネルを掘る工事を手がけています。全体で1.1キロメートルほどの区間で,工事のスタートは2016年,完成は2021年の予定です。地下のトンネルを掘るには,「シールド工法」という工法をメインで使います。シールドマシンという大きな筒状の機械を地下に入れ,地中を掘り進んでトンネルを作っていく工法です。

シールドマシンが土中を掘り進めたあと,そのままだと土が崩れてきてしまうので,掘った部分に「セグメント」と呼ばれる,コンクリートで作った外壁をはめ込みます。そしてまた先に進むというのを繰り返し,1日に約10メートルのスピードで掘り進んでいきます。シールド工法では,スタートとゴール地点にシールドマシンを地上から入れたり地上へ出したりするための縦穴「立坑」を掘る必要があり,今回はスタート地点に約40メートルの立坑が必要となりました。私は今回,設計部門としてこの立坑の設計を担当し,現場の状況に合わせて図面の作成・変更なども行いました。

現場監督としては,現場の安全管理や品質管理,書類作りなどが主な仕事です。今回は都市部の工事なので,資材や重機を置く場所があまりありません。そのため,いつ,どのくらい資材を入れるか,重機を運び込むかという計画を,現場の進捗を見ながら決めていきます。また,交通量の多い幹線道路沿いの現場なのですが,多いときには1日延べ100台ものダンプカーが出入りすることになります。事故がないよう,近隣に迷惑をかけないよう常に気をつけて,現場を進行させていくことが大切です。