現場監督(高架橋) の仕事
玉井 礼子さん (株式会社大林組)
高架橋や橋,トンネルをつくる現場の多くは,元は何もない山の中。まずは工事用の車両が入るための仮設の道を,山を切り開いてつくるところから工事がスタートします。高架橋の場合はその後,まずは地中に杭を打って土台となる基礎をつくり,橋げたを支える柱(橋脚)を建て,その上に橋げたを伸ばしていきます。大きなものなので工期も長く,今,つくっている高速道路の高架橋は,工事がスタートして完成するまで5年半ほどかかる予定です。実際には工事開始前に計画や設計などの準備の期間がありますので,準備から含めると,さらに長い時間がかかります。
現場監督は,現場がスムーズにまわるよう“監督”する仕事。そのため,多くの仕事をこなします。施工計画を立てたり,実際に工事を担当してくれる協力会社を選んで契約したり,作業してもらうために必要な図面を作ったり,鉄筋やコンクリートなどの資材を注文して確保したり。また,現場での作業が安全か,設計図どおりに構造物が作られているか,コンクリートの品質や鉄筋の量は規定どおりかなど,現場の状況を確認して,さまざまなことを管理するのも仕事です。
高速道路などの“インフラ”と呼ばれるような土木構造物の工事は,「工事を担当したい」という会社が手を挙げ,発注者がどの会社にお願いするかを選びます。選ぶ際は価格だけでなく,工事が抱える課題に対して,どのような技術で解決するかの提案も評価対象となります。そのため,環境になるべく負荷をかけず,騒音や振動といった周辺住民の方々への負担も少なく,工期を短く費用を安くできるような工法を新たに生み出していくことが,建設会社にとって大切なことです。日々の技術革新とともに,工事を行っています。