現場監督(福祉施設) の仕事
吉川 佳寿さん (村本建設株式会社)
奈良県奈良市にある県立の障害福祉施設の建設現場で,現場監督として働いています。建設にあたっては,いろいろな工種の職人さんが関わり,業者さんだけでも何十社にもなります。職人さんたちを統括し,現場の安全が保たれているか,工事の工程が順調か,費用がオーバーしていないか,品質が保たれているか,周辺への環境は悪化していないか,といったさまざまなことを管理するのが現場監督の仕事です。
今の現場はスタートしたばかりで,土を掘って基礎工事の準備を始めている段階です。私は,工事現場を外部から仕切るために建てる仮囲いや,建物を建てるための足場,工事に使用するための電気や水道設備の設置など,「仮設工事」と言われる準備段階の工程を担当しています。現場に出て,どのような工事が行われているかを確認し,記録用の写真を撮りながらチェックし,書類にまとめていきます。足場や仮囲いの設計図を自分で描いたり,測量をしたりすることもあります。
基礎工事が進み,杭などを打ち終わると,今度は建物本体をつくる「躯体工事」に進みます。建物の構造ができ上がったら,次は内装工事に進みます。最後の最後に床を貼り,家具などを搬入して,建物が完成します。工程も終盤になってくると,さまざまな業者さんが同時進行で作業を進めていくことになるので,うまく管理しないと業者さんの作業どうしがバッティングしてしまいます。そうならないよう,何をどう進めていったらうまく回るのか,パズルのようにあれこれの要素の組み合わせを考えながら管理していきます。