私わたしはいちごECOエナジーという会社で，全国に46カ所ある太陽光発電所がきちんと動いているかどうかを管理し，発電した電気を止まることなく送おくり届とどける仕事をしています。

太陽光発電は，ソーラーパネルを使って太陽の光で発電し，家庭や会社などさまざまな場所に電気を送る仕組みです。石油を燃もやして電気をつくる火力発電などと違ちがい，自然の力を利用するので，地球温おん暖だん化かの原げん因いんとなる二に酸さん化か炭たん素そなども出しません。地球温おん暖だん化かを防ふせぐクリーンな再さい生せい可か能のうエネルギーとして，日本でも広まっている発電です。

いちごECOエナジーでは，主に，所有者や自治体が使わなくなった土地や再さい利り用ようしたい土地を借りて，そこにソーラーパネルをたくさん並ならべて大だい規き模ぼな太陽光発電を行う「メガソーラー」で発電をしています。私わたしたちが全国で発電している電気は全部で約140メガワット分。これは約4万6,000世帯をまかなえる量です。

私わたしの主な仕事は，全国にある太陽光発電所がきちんと動いているか，東京にあるオフィスから毎日，確かく認にんすることです。発電所の動きはすべてインターネットで管理しているので，管理用の画面を見て，安定して発電ができているかを確かく認にんしています。

災さい害がいや停てい電でんなどで発電所に何か問題が起こると，安定して電気を送ることができなくなってしまいます。モニターを見て「様子がおかしいな」と思ったら，発電所の管理をお願いしている全国の協力会社に連れん絡らくして対たい応おうをお願いしています。

太陽光発電所を適てき切せつに運用するには，定期的なメンテナンスも必要です。ソーラーパネルが壊こわれていないか，パネルを置いている土地が大雨や地じ震しんなどで崩くずれていないかなど，発電が止まることなく，安定して電気を送おくり届とどけていくために，さまざまなメンテナンスをしなくてはなりません。

ふだんのメンテナンスは協力してくれる地ち域いきの会社に任まかせていますが，年に1度は，それぞれの発電所に足を運んで現げん地ちの様子を確たしかめるようにしています。現げん地ちの様子をきちんと知っておくこと，管理してくれている会社の方々と直ちょく接せつコミュニケーションをとっておくことも，スムーズな運用をするためには大切です。

ふだんは，９時半に出社して，18時15分まで働いています。忙いそがしいときは残業することもあります。発電所の動きをチェックすると同時に，太陽光発電事業に関わる費ひ用ようの管理や，適てき切せつな運用をするための効こう率りつ的てきな仕組みをつくるなどの仕事もしています。

土日や祝日は休みですが，太陽光発電所は365日稼か働どうしているので，休みの日もスマートフォンをチェックして問題が起きていないか確かく認にんしています。スマートフォンの画面から発電所の様子を画が像ぞうで見ることもできるので，それは便利ですね。

いちごECOエナジーで運用を担たん当とうしているのは，私わたしを含ふくめて6人です。やりがいを感じるのは，発電している電気が，安定して無事に供きょう給きゅうできていることです。外部の会社の方や運用メンバーと協力して，無事に一日が終わる時間は一番ほっとしますね。

大変なのは，やはり停てい電でんなどのトラブルで発電所が止まってしまうときです。電力会社の停てい電でんで発電所が停てい止しする，発電所の近くに雷かみなりが落ちて設せつ備びが壊こわれるというようなこともあります。このようなトラブルが発生した時には，協力会社の方とやり取りしながら，できるだけ早く復ふっ旧きゅうできるようにします。

太陽光発電所をつくるときには，地ち域いきの方への説明をしっかりと行い，自然環かん境きょうにも配はい慮りょしています。

私わたしたちが土地を借りるときに支し払はらう利用料で，教育サービスの充じゅう実じつを図はかる地ち域いきや，発電所でつくった電気を災さい害がい時の非ひ常じょう用よう電でん源げんとして活用している地ち域いきもあります。

太陽光発電所は，地ち域いきの資し産さんである土地を借りて電気をつくるもの。ですから，自然をお借りした分を地ち域いきの方にお返しして，地ち域いきと共に取り組む事業として成長していきたいと思っています。

私わたしは，今の仕事をする前は，いちごグループで不動産の運用会社で働いていました。2012年に，いちごグループが新しく太陽光発電事業を始めることになり，2013年から今の仕事をするようになりました。

最初は，太陽光発電のことも全くわからなかったのですが，技ぎ術じゅつに詳くわしい同どう僚りょうの方々から教えてもらいながら知ち識しきを増ふやしてきました。特に難むずかしかったのは，「どのようなトラブルが起きているのか」という判はん断だんができるようになることです。そういう判はん断だんがすぐにできるようになるのに，3年くらいかかりましたね。

仕事をやっていてよかったなと思うことのひとつに，地ち域いきに貢こう献けんすることで，地元の方々とよい関係が築きずけていることがあります。いちごECOエナジーでは発電所をつくる時から地元の方々と良好な関係をつくる取り組みをしているので，発電所が運転を開始してからも，発電所の草くさ刈かりに地元の人たちが協力してくれたり，発電所の近くの学校の生徒が見学に来てくれたりすることもあります。「いちごの太陽光発電所が地元に来てよかった」と言ってもらえると，いちごECOエナジーのメンバーとしてすごくうれしいですね。

太陽光発電は地球温おん暖だん化かを防ふせぎ，持続可か能のうな社会を達成するのに欠かせないものです。地球は年々気候変動が激はげしくなっています。みなさんも，梅雨つゆなのに雨が少ない，台風や大雨が多い，冬も気温が高くて温かいなど，身近に気候の変動を感じることが多くなっていると思います。

これ以上，温おん暖だん化かや気候変動を進めないためにも，太陽光発電など再さい生せい可か能のう性せいエネルギーについて，もっと多くの人に関心を持ってもらい，利用を増ふやしていくことが大切です。ぜひ，みなさんも，ニュースを見たり，本を読んだりして，環かん境きょうとエネルギーのことについて一いっ緒しょに考えてみてください。