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- 東京都に関連のある仕事人
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1948年 生まれ
出身地 愛知県
鈴木 敏夫 -
子供の頃の夢
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クラブ活動(中学校)
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仕事内容
映画 の企画 の段階 から,実際 の制作 作業,そして配給,宣伝 に至 るまで,すべての工程 に関わる仕事。 -
自己紹介
変化をつけ,今のものを
壊 しても新しいものをやりたくなる。 -
出身高校
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出身大学・専門学校
慶應義塾大学 文学部
- 【このページに書いてある内容は取材日(2016年10月24日)時点のものです】
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鈴木 敏夫 -
仕事内容
映画 の企画 の段階 から,実際 の制作 作業,そして配給,宣伝 に至 るまで,すべての工程 に関わる仕事。 -
自己紹介
変化をつけ,今のものを
壊 しても新しいものをやりたくなる。
ジブリの
映画 ができるまで僕 は,スタジオジブリのプロデューサーとして映画 を制作 しています。映画 をつくるには,まず監督 と相談して,どんな映画 をやるかという企画 を決めます。次に,どれくらいの期間をかけて,どんなスタッフでやるかを考えます。スタッフはそれぞれ得意分野が異 なり,スタッフ次第で作品の中身が大きく変わるので,その作品にふさわしい人を集めなければいけません。一人ひとりに新しい企画 の説明をしてスタッフを集めていくのもプロデューサーの仕事です。
ジブリでは,企画 を立てたあと半年から1年を準備 期間にあて,メンバーが決まればいよいよ映画 づくりに入ります。実際 の制作 期間は1年半から2年程度 です。制作 を始めてから約1年後,ある程度 見通しが立ってきた頃 に,今度は配給や宣伝 を考えます。映画 は,つくったら終わりではありません。つくった映画 をどのくらいの数の映画館 で公開するのか,そのためにはどんな風に宣伝 してお客さんを呼 び込むのかということも考えなければなりません。それらすべての工程 に関わるのがプロデューサーとしての仕事です。 -
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鈴木 敏夫 -
仕事内容
映画 の企画 の段階 から,実際 の制作 作業,そして配給,宣伝 に至 るまで,すべての工程 に関わる仕事。 -
自己紹介
変化をつけ,今のものを
壊 しても新しいものをやりたくなる。
映画 のすべてに携 わる映画 の企画 は,監督 とプロデューサーが相談して決めます。僕 が宮さん(宮崎駿 監督 )や高畑勲 監督 のようなベテランの監督 と「何をやりましょうか」と相談するのです。監督 とは日常 的にいろいろな企画 を話し合っています。実際 に何か新しい企画 を立ち上げるときは,その中から決めていくことが多いです。
ジブリの最大の特徴 は,そういった企画 の段階 から,準備 や実際 の制作 作業,そして配給,宣伝 に至 るまでのすべての工程 に,プロデューサーである僕 が関わることです。普通 はこれだけたくさんの段階 があれば,企画 なら企画 係,宣伝 なら宣伝 係というように分業しますが,ジブリでは一人の人間がすべてに携 わります。たとえば宣伝 をするにも,実際 にどんな映画 をつくっているのかという制作 の現場 を知らなければ難 しいと思うのです。それぞれの過程 でどんなことをやっているか把握 すること。それがいかに大切か。これは映画 づくりに限 ったことではありません。分業するのではなく,基本 的には一人の人間がすべての工程 をやるほうがいいと思っています。 -
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仕事内容
映画 の企画 の段階 から,実際 の制作 作業,そして配給,宣伝 に至 るまで,すべての工程 に関わる仕事。 -
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壊 しても新しいものをやりたくなる。
同じ作品はつくらない
『となりのトトロ』が大ヒットしたとき,『となりのトトロ2』をやろうかという話が出ました。前作を観た人,観ていない人,どちらにも楽しんでもらえるように,登場人物のその後をああして,こうしてといろいろ考えましたが,結末のところまで来て「あれ,トトロが出てこない!」と気がついたのです。それで『となりのトトロ2』は結局,
実現 しませんでした。後にジブリ美術館 の短編 として作られましたが。
ジブリの作品の中で,シリーズになっているものは一つもありません。ドラマやアニメでシリーズものはたくさんありますが,舞台 の設定 が変わるだけで,話の流れはほとんど同じになってしまいます。僕 も宮さんも飽 きっぽくて,同じものをつくるのは億劫 でやる気にならない。スタッフも,いつも同じものをつくっていたら飽 きてしまうと思います。やっぱり新鮮 な作品のほうがいいということで,『風の谷のナウシカ』から始まり『天空の城ラピュタ』『となりのトトロ』を経 て『風立ちぬ』や『かぐや姫の物語』『レッドタートル ある島の物語』と,毎回、違 うものをつくってきました。お客さんも観たことのないものを待っているだろうし,変化をつけていくほうが僕 たちもやっていて楽しいですね。 -
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鈴木 敏夫 -
仕事内容
映画 の企画 の段階 から,実際 の制作 作業,そして配給,宣伝 に至 るまで,すべての工程 に関わる仕事。 -
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変化をつけ,今のものを
壊 しても新しいものをやりたくなる。
雑誌 から生まれたあの映画 僕 は以前,『アニメージュ』という雑誌 を編集 していました。日本では初めてとなる本格 的なアニメーションの情報誌 で,そのときヒットしている作品を追いかけて特集しました。しかし,毎号繰 り返すうちに1,2年で飽 きてしまい,ある日,編集 部のみんなに「ヒット作を追いかけるんじゃなくて,この雑誌 からヒット作をつくれないかな」と提案 したのです。まだ誰 も注目していない,未来のヒット作を見つけて特集しようという試みですが,その第一弾 がガンダムでした。ちょうど,新刊 号の印刷直前の校了 日にガンダムの企画 を見て「これはヒットする」と確信 したのです。急きょその日に紙面を一から書き直してガンダムを載 せ,それから一年間ずっとガンダムで通した結果,雑誌 からヒット作を生み出すことに成功しました。
ガンダムのあとも,いろいろな作品を同じような形で取り上げていきました。しかし,今ヒットしている作品も,これからヒットさせようと決めた作品も,結局,他人がつくったものに過 ぎません。そこで今度は「自分たちでつくってしまおう」と考えたのです。それが,私 が関わった最初の映画 『風の谷のナウシカ』でした。 -
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壊 しても新しいものをやりたくなる。
新しいものをつくる原動力
僕 には,売れるか売れないかに関係なく,何か新しいものをやっていきたいという思いがありました。それは,自分がこれまでやってきたものを否定 することでもあります。否定 して,そこから新しいものをつくり,それを肯定 し,いつかまた否定 する。その繰 り返しをしていくことでつくるものが面白くなるのだと思います。
たとえば『もののけ姫 』のようなアクション映画 をつくると,まったく正反対の作品をやりたくなります。だから,その次は『となりの山田くん』でした。大作のあとに二番煎 じをやろうとしても力が入りませんが,今度はある家族の小さな話だとなればやる気が出ます。宣伝 のキャッチコピーは,『もののけ姫 』は「生きろ。」だったから『山田くん』は「生きてみたら?」で提案 しましたね。
作品をつくるとき,まず大もとになるスタイルをつくり,あとは同じものを繰 り返しやって完成度を高めていくやり方もあると思います。でも,アニメーションは子どもが観るもので,いくらやっても高尚 なものにはなりにくいです。それなら企画 を変えていったほうが楽しいのではないか。そう思って僕 たちはやってきました。 -
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変わりゆく時代のテーマ
あるとき,
映画 『スター・ウォーズ』のプロデューサーから面白いことを教わりました。これまでのハリウッド映画 は,ラブストーリーや西部劇 ,ギャング映画 といったジャンルにかかわらず,テーマはすべて「愛」だったところを,『スター・ウォーズ』は「哲学 」すなわち「人間の生き方」にシフトさせたというのです。それを聞いてなるほどと思い,その後『もののけ姫 』のキャッチコピーは「生きろ。」に,『千と千尋の神隠し』は「生きる力を呼 び醒 ませ」という内容 になりました。僕 が「生」という字を意識 してきたのもこのエピソードの影響 です。
みなさんのおじいさん,おばあさんの時代,日本はとても貧乏 で,黒澤 明 をはじめとした日本映画 のテーマは「貧困 の克服 」でした。ところが,その後,高度経済 成長を迎 えて豊 かになり,貧困 から「心の問題」へとテーマが移 っていったのです。時代が変遷 していく中で,現代 のテーマを的確 にとらえたのが宮さんでした。彼 の作品は,『ナウシカ』や『トトロ』,最近の『風立ちぬ』に至 るまで,すべて「心の問題」がテーマです。これは,人がどうやって生きていくかという哲学 にもつながると思います。 -
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鈴木 敏夫 -
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変化をつけ,今のものを
壊 しても新しいものをやりたくなる。
公園で得たもの
僕 たちが子どもの頃 は,親の目が届 かない,自分たちだけの世界がありました。僕 は名古屋の生まれで,近所に徳川 公園というところがあり,毎日学校帰りに寄 ってはみんなでいろいろなことをやりました。木を折って刀を作ったり,家まで建てたりしていましたね。道に落ちている釘 を拾っては,かまどで焼きながら金槌 でたたき,手裏剣 を作って投げ合ったりもしました。子どもの頃 のこういった経験 は,今でも自分の体に残っています。映画 をつくるうえでも,手裏剣 を投げてばんっと木に刺 す感覚などはなんとなく分かるのです。
そんな自分の子ども時代と比 べると,最近は日本中の公園が立派 になり,大人のものになってしまっていることに強い憤 りを感じます。「子どもたちに公園を返せ」と言いたいです。僕 たちの頃 はやりたいようにやって,その中で身体能力 を養い,どうすると危険 なのかといった感覚も学びました。モニターの中での冒険 ではなく,野山を駆 けまわる経験 が必要なのです。 -
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鈴木 敏夫 -
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壊 しても新しいものをやりたくなる。
生きていくための三つの
手段 生きていくには
手段 が必要です。「読み,書き,そろばん」。この三つがあれば,人は生きていくことができます。「読み」というのは,文章を読んで,その内容 を理解 すること。これは簡単 そうで難 しいことです。まず,本を読んでください。「書き」とは,自分が思っていることを文章にする力です。本当に理解 しているかどうかは,文章を書くことによって確認 できます。「そろばん」は,計算ができること。昔は電卓 ではなくそろばんを使って計算していましたが,ものを買ったときにお釣 りがいくらかなど,そういった計算をものすごいスピードでできるようになってください。
この三つができれば,大人になっても生きていけます。子どものうちに,この三つをどれだけ身につけることができるかだと思います。
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