-
- 東京都に関連のある仕事人
-
1972年 生まれ
出身地 東京都
-
遠藤 智久 -
仕事内容
古くて新しい
素材 ,エボナイトを現代 に活かす。 -
自己紹介
家族を大切にする2児の父です。時間を見つけては,空手,サッカー,フットサル,野球などで体を動かしています。
エボナイトは人の
肌 に合う素材 私 は日興 エボナイト製造所 という,「エボナイト」を作る町工場の社長をしています。エボナイトというのは黒色の樹脂 で,ゴムにイオウをまぜて加熱し,硬 くした物質 です。1839年にアメリカで発明されました。電気を通さず,薬品にも強く,人間の手になじむ独特 の肌 触 りがあって,万年筆や,クラリネットやサキソフォンといった楽器のマウスピースには欠かせない素材 です。昔は電気のスイッチや電話機などもエボナイトで作られていたんですよ。
東京の荒川 区にある私 の会社は,日本で唯一 ,エボナイト製造 をしている会社で,社長の私 を入れて12人のスタッフが働いています。海外でもエボナイトを作っている会社はほとんどなくて,はっきりわかっているのはドイツに2社あるということだけです。中国やインドにもエボナイト工場があるらしいのですが,はっきりとはわかりません。それくらい,エボナイトを作っている会社は少ないのです。 -
-
遠藤 智久 -
仕事内容
古くて新しい
素材 ,エボナイトを現代 に活かす。 -
自己紹介
家族を大切にする2児の父です。時間を見つけては,空手,サッカー,フットサル,野球などで体を動かしています。
ボイラーの火入れから一日が始まる
毎日朝7時半に会社に来て,工場のボイラーに火を入れるのが
私 の日課です。出勤 してきたみんなを集めて朝礼を行い,それから一人ひとりのスタッフが今日どんな仕事をするのかを確認 していきます。お客さまからメールや電話で入った注文をチェックして,その日,工場で何をどれだけ作るのか,予定を立てます。エボナイトの製造 は基本 的には工場のスタッフの仕事ですが,私 が現場 に立って作業をすることもあります。
また,何か問題が起きた場合は社長の私 が動かなければなりません。機械が故障 したり製品 のトラブルがあれば,その原因 を調べて自分で直すこともあります。大企業 なら設備 保全 や品質 管理の専門 部署 がありますが,12人の小さな会社ですから,社長もいろいろなことをしなければならないのです。営業 もやって注文を取り,打ち合わせに出向いて契約 もします。工場は夕方5時までですが,メールの処理 などで7時ごろまで事務 所にいます。最近では,夜に異業種 交流や仲間で勉強会をすることが多くなりました。顔の見えるネットワークを作っていくことが,私 の仕事には大切なことだからです。 -
-
遠藤 智久 -
仕事内容
古くて新しい
素材 ,エボナイトを現代 に活かす。 -
自己紹介
家族を大切にする2児の父です。時間を見つけては,空手,サッカー,フットサル,野球などで体を動かしています。
Tシャツが塩を
吹 く暑い現場 7年前に社長を
継 ぐまで,私 も毎日,現場 でエボナイトを作っていました。ボイラーで加熱するエボナイト製造 の現場 は,ものすごい暑さです。夏は工場内の温度が40度以上になるので,たくさん汗 をかいて,黒いTシャツが塩を吹 いて真っ白になります。当然,熱中症 にも気をつけなければいけません。
いつも私 は,エボナイトで新しい商品を作り出したいと考えていますが,新しいことを始めるのは大変な苦労です。よいものを作ろうとはりきって仕事をしたのに,不良品が出てがっかりするなど,毎日がそんなことの連続です。でも,くよくよしているひまはありません。いつでも私 は,どこかにいいものはないか,素晴 らしいアイデアや工夫がないかと自分の周りを見渡 して探 しているのです。 -
-
遠藤 智久 -
仕事内容
古くて新しい
素材 ,エボナイトを現代 に活かす。 -
自己紹介
家族を大切にする2児の父です。時間を見つけては,空手,サッカー,フットサル,野球などで体を動かしています。
エボナイトが喜ばれるとうれしい
私 は趣味 でギターを弾 いていますが,ある日,工場にあったエボナイトの板を切って,ギターのピックを作ってみました。滑 らないので使いやすいし,とてもいい音がするのです。このピックを有名なミュージシャンにプレゼントして使ってもらいました。しばらくして,そのミュージシャンが音楽雑誌 の記事で「エボナイトのピックを使ってみたらとてもよかった」と話しているのを見つけた時は飛び上がるほど喜びました。
最近では海外からもエボナイトの注文があります。納品 したエボナイトがほめられると,それはうれしいものです。「良い品物ですね」とか「エボナイトがあって助かりました」などと言われると,この仕事のやりがいを感じます。例えば,電子顕微鏡 には高い電圧 がかかる部分があるのですが,ここに使う部品はエボナイトじゃないとだめなんです。電子顕微鏡 のメーカーから「おたくの会社があってよかった」と言われると,エボナイトを作り続けてきて本当によかったと感じます。 -
-
遠藤 智久 -
仕事内容
古くて新しい
素材 ,エボナイトを現代 に活かす。 -
自己紹介
家族を大切にする2児の父です。時間を見つけては,空手,サッカー,フットサル,野球などで体を動かしています。
答えは必ず見つかる
エボナイト
素材 が必要とされているといっても,昔に比 べれば需要 は大幅 に減 っています。ある人に「工場にお金は落ちていないよ」とアドバイスをされました。毎日エボナイトを作っているだけではなくて,会社の外へ出て新しいことを見つけなければいけないという意味です。
私 はエボナイトの新規 事業として,自社で万年筆を作りました。現在 も製造 ・販売 を続けています。もともとエボナイトは万年筆に理想的な素材 なのです。万年筆を作り始めるにあたっては,知り合いのつてをたどり,次々 に人から人へつながって,たくさんの人に助けていただきました。製品 ができるまで3年かかりましたが,私 の会社のエボナイトを,万年筆という形で活かすことができたのです。
何か問題にぶつかった時,いつも私 は「答えは必ず見つかる」と考えています。調べればどこかに解決策 があるはずで,うまくいかないはずがないと思っています。あきらめたらそこで試合終了 ですが,粘 り強く答えを探 せばきっと見つかるものです。 -
-
遠藤 智久 -
仕事内容
古くて新しい
素材 ,エボナイトを現代 に活かす。 -
自己紹介
家族を大切にする2児の父です。時間を見つけては,空手,サッカー,フットサル,野球などで体を動かしています。
祖父 に背中 を押 されて日興 エボナイト製造所 は1952年に私 の祖父 が作りました。当時,エボナイトを作る会社は日本中にたくさんありましたが,石油を原料とするプラスチックが大量に作られるようになると,エボナイトはだんだん姿 を消していきました。1972年に生まれた私 が物心つく頃 には,エボナイトを製造 しているのは,うちの会社だけになっていました。
私 は大学卒業後,ダンボールの会社で営業 職 として4年間働きましたが,1998年,父親が三代目の社長になった時,呼 び戻 されてこの会社に入りました。朝から晩 まで,暑い工場でエボナイト製造 の現場 仕事を続けました。それから12年目の2010年,102歳 になった初代社長の祖父 が「智久 にそろそろこの会社を継 がせよう」と言って,私 は四代目の社長になりました。
この祖父 は先見の明があった人で,私 がこの会社に戻 った時に祖父 から最初に言われたのは「インターネットのホームページを作りなさい」ということでした。当時,まだGoogleもAmazonも一般 的になっていなかった時代です。祖父 は当時91歳 でしたが「これからはインターネットの時代だ」と言っていました。今,うちの会社ではインターネットで海外にもエボナイトを販売 しているのですが,毎日,海外から注文が来て,会社の売上に貢献 しています。祖父 の読みは見事に的中したんです。 -
-
遠藤 智久 -
仕事内容
古くて新しい
素材 ,エボナイトを現代 に活かす。 -
自己紹介
家族を大切にする2児の父です。時間を見つけては,空手,サッカー,フットサル,野球などで体を動かしています。
赤ちゃんの
頃 から町工場で育った -
-
遠藤 智久 -
仕事内容
古くて新しい
素材 ,エボナイトを現代 に活かす。 -
自己紹介
家族を大切にする2児の父です。時間を見つけては,空手,サッカー,フットサル,野球などで体を動かしています。
学校の勉強は
基礎 体力,きっと役に立つ英語はきちんと勉強しておきましょう。
私 も海外のお客さまと交渉 してエボナイトを売ったり,外国のメーカーと契約 を交わしたりします。これからは海外に目を向けなければならないのですから,英語は不可欠 です。国語や算数だって無駄 にはなりません。私 は算数・数学が得意科目でしたが,今でも仕事の役に立っています。加工を行う機械を扱 うには三角関数が必要だし,エボナイトの原料配合には方程式 を使います。だから,学校の勉強はちゃんとやっておいた方がいいのです。きっと役に立ちます。
わからないことを追求するには頭のスタミナを使います。考えて,考えて,考える力,頭のスタミナを養うことが大切です。普段 やっている学校の教科では,いわば腹筋 や背筋 を鍛 えているようなもので,頭の基礎 体力をつけているんです。学校の勉強をみっちりやった上で,皆 さんの人生で本当に役に立つ「考える力」を育ててください。 -