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- 東京都に関連のある仕事人
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1993年 生まれ
出身地 千葉県
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仕事内容
グラブの品質管理,生産,修理,加工を行う。
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自己紹介
物静かな性格で感情をあまり外に出さず,集中すると自分の世界に入るタイプです。グラブに関しては自分のポリシーを守ります。
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出身高校
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出身大学・専門学校
- 【このページに書いてある内容は取材日(2018年03月13日)時点のものです】
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篠原 智明 -
仕事内容
グラブの品質管理,生産,修理,加工を行う。
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自己紹介
物静かな性格で感情をあまり外に出さず,集中すると自分の世界に入るタイプです。グラブに関しては自分のポリシーを守ります。
野球をする子どもたちを応援している会社
私は,東京都足立区にある「フィールドフォース」という会社で,グラブ工房長として,野球に使うグラブ(グローブ)を作ったり修理したりする仕事をしています。フィールドフォースは野球用品を主に扱うほか,室内練習場も運営している会社です。国内に野球用品の大きな会社はいくつもありますが,フィールドフォースの特徴は,野球をする子どもたちを応援していることです。大人用だけではなく,小・中学生が使いやすいグラブや野球用具を開発しているほか,室内練習場も,野球を練習する場所がない子どもたちのために作ったものです。
フィールドフォースのメインの工場は中国のアモイにあるのですが,私が工房長を務める国内のグラブ工房では,少年用キャッチャーミットとトレーニンググラブ,ウエディンググラブ(結婚記念のオリジナルグラブ)の製作をメインで行い,他にもグラブの修理や加工などを行っています。私の仕事は革の検品・裁断,ミットの製作,グラブの品質管理やお客さまから持ちこまれたグラブの修理や加工が中心です。工房長としてスタッフの技術指導も行います。また,当社のアンテナショップでお客さまからのグラブに関する質問に答えたり,新入社員にグラブについての知識を教えたりもしているほか,新しいグラブや野球用具を開発する業務もあります。たとえば,グラブの使い方を身につけるための「キャッチングマスター」というトレーニンググラブは私が開発して商品化したものです。 -
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篠原 智明 -
仕事内容
グラブの品質管理,生産,修理,加工を行う。
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自己紹介
物静かな性格で感情をあまり外に出さず,集中すると自分の世界に入るタイプです。グラブに関しては自分のポリシーを守ります。
グラブを作り,修理する
工房で製作するミットについては,一か月にだいたい80から90個くらい作っています。ミットはグラブの中でも,キャッチャーやファーストが使う,独特な形をしたグラブです。昔は日本のメーカーもグラブを国内で作っていたのですが,今では人件費の関係で海外の工場で作る会社が多く,日本国内でグラブを作っているところが減ってきています。フィールドフォースでも,工房で作っているのはミット,ウエディンググラブ,トレーニンググラブだけで,他のグラブは基本的に中国の工場で作っています。将来的には工房でミット以外のグラブの製作もできるようにして,日本のグラブの製作技術が絶えないようにしたいと考えています。
グラブやミットを作るには,まず素材となる牛一頭分の大きな皮を,それぞれのパーツごとに自動裁断機で切り分けます。柔らかい部分は指の部分に使い,硬い部分は捕球面に使います。うちの工房で作っているミットだと,ひとつのミットはだいたい15から20のパーツからできていて,それらを縫い合わせていきます。革以外にもプラスチック等の数多くの材料が使われていて,それらを立体的に縫い合わせていくのには高い技術が必要です。5本それぞれの指を入れるところが分かれているグラブだと,パーツ数がだいたい25から30とミットよりも多くなり,構造もより複雑になります。 -
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篠原 智明 -
仕事内容
グラブの品質管理,生産,修理,加工を行う。
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自己紹介
物静かな性格で感情をあまり外に出さず,集中すると自分の世界に入るタイプです。グラブに関しては自分のポリシーを守ります。
グラブは直せば長く使える
グラブの修理も私の大事な仕事です。グラブのどこかが切れてしまっても,革をあてて縫い合わせるなどすれば使えるようになります。私は「グラブに明確な寿命はない」と考えています。手入れ次第でグラブの寿命は決まると思っていますが,当然,どんなに手入れをしていても破れることはあります。ですが,それでも破れた部分を修理し,ひとつのグラブを20年,30年と使い続ける人も少なくありません。
修理をするにあたっては,ただ切れたところを直せばいいというものではありません。直したことによってグラブが使いにくくなってしまっては意味がありません。修理で持ちこまれるグラブには使う人それぞれのくせがついているので,くせを読み取り,くせに合わせて直すようにしています。修理のときはお客さまと必ず対面や電話等をして,ふだんどういう使い方をしているのか,どんなボールの取り方をするのかを聞いて,そのお客さまが使いやすいように直します。グラブの修理には技術がいりますし時間もかかりますが,お客さまに喜んでいただけたときは,がんばってよかったと実感できます。 -
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篠原 智明 -
仕事内容
グラブの品質管理,生産,修理,加工を行う。
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自己紹介
物静かな性格で感情をあまり外に出さず,集中すると自分の世界に入るタイプです。グラブに関しては自分のポリシーを守ります。
知るほどに奥深いグラブの世界
今のグラブ工房は始まって2年目で,私が初代の工房長です。工房を始める前に,私は中国のグラブ工場に通ってグラブ製作を学びました。一か月の半分を中国の工場で勉強し,残り半分は日本の会社で仕事をする生活を約1年半続けて,材料となる革の知識,ミシンの技術など,たくさんのことを学びました。中国語を通訳してもらい,身振り手振りも交えながら,グラブの構造や作り方を身につけました。
私は昔からグラブが大好きでしたが,改めて学んでみるとグラブの世界は奥深いものでした。自分でグラブを解体してみたりもして,グラブによって構造も違い,革のどの部分を使うかも違うことがわかりました。例えば,軟式野球用と硬式野球用でも構造が違います。また,素材の革についても,生き物からとるものなので,「全く同じ革」はこの世に一つしか存在しません。生きていた時のキズなどが残っているのですが,それも革という素材の味なんです。 -
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篠原 智明 -
仕事内容
グラブの品質管理,生産,修理,加工を行う。
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自己紹介
物静かな性格で感情をあまり外に出さず,集中すると自分の世界に入るタイプです。グラブに関しては自分のポリシーを守ります。
「次もお願いしたい」と頼まれるうれしさ
同じ型紙で同じように作っても,全く同じグラブにはなりません。革のどの部分を使うかでも違うし,ミシンの踏み方ひとつで違います。それもあって,自分が選んだ革を使ってパーツを裁断し,それをミシンで縫い上げてグラブが組み上がった時の達成感は何ともいえないものがありますね。
それから,私の仕事として,お客さまが買った新品のグラブの仕上げがあります。グラブに特殊なオイルを塗り,グラブ本体を温めて揉んだり叩いたりし,7割まで仕上げる「油もみ」をしています。お客さまの希望と合う仕上げをするのは簡単ではありませんが,お客さまの要望に合ったグラブに仕上げることができて,お客さまに本当に喜んでいただけたときに「また篠原さんに油もみをしてほしい」と言われると本当にうれしくなります。 -
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篠原 智明 -
仕事内容
グラブの品質管理,生産,修理,加工を行う。
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自己紹介
物静かな性格で感情をあまり外に出さず,集中すると自分の世界に入るタイプです。グラブに関しては自分のポリシーを守ります。
好きな革を使う仕事につきたいと思った
私は高校を卒業して,スポーツトレーナーの勉強をする専門学校に入りました。ここでは,筋肉や骨格はもちろんのこと,リラクゼーションやテーピング,栄養学などを学びました。ですが,もともとグラブや革製品が好きで,野球用品の店でアルバイトをしてグラブの奥深さや修理・加工のことを教えてもらううちに,「グラブを自分で作りたい」という気持ちが芽生え,アルバイト先に相談したところ,フィールドフォースを紹介してもらえ,就職することになったんです。
自分ではあまり就職のことで悩んだ記憶はなく,やりたいことをやろうと思って今の私の仕事があります。スポーツトレーナーの勉強で,体の動かし方や,筋肉・骨の動きを学んだことも,今のグラブ作りや加工などの役に立っています。また,好きな革を毎日扱えるので,日々,充実感を持って仕事ができていますね。 -
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篠原 智明 -
仕事内容
グラブの品質管理,生産,修理,加工を行う。
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自己紹介
物静かな性格で感情をあまり外に出さず,集中すると自分の世界に入るタイプです。グラブに関しては自分のポリシーを守ります。
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篠原 智明 -
仕事内容
グラブの品質管理,生産,修理,加工を行う。
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自己紹介
物静かな性格で感情をあまり外に出さず,集中すると自分の世界に入るタイプです。グラブに関しては自分のポリシーを守ります。
決してあきらめず,目標を実現しよう
自分の目標を持って,努力することが大事です。まず,あきらめないでください。私も努力して結果を出してきたことが,今の自分につながっています。私は中学で野球を始めましたが,小学校から続けている子とは技術の差がありました。でも私は負けず嫌いなので,なんとかレギュラーになろうと思い,朝5時にグラウンドに行って朝練前に自主練を友達としたり,放課後,家に帰ってからも素振りやランニングをしていました。その結果,3年生の春に,替わったばかりの新監督に「スイングがきれいだね」と声をかけられ,その日の試合に代打で出場して結果を出せたんです。それからの試合にはスタメンで出してもらえ,最後の夏の大会では背番号7をもらえました。努力すれば必ず結果につながるんです。
また,みなさんに伝えておきたいことは,勉強が全てではないということです。勉強ができないから,いい会社で仕事ができないということはありません。私は学校の成績はよくありませんでしたが,グラブが好きな自分が何をしたらいいか考えて,グラブ職人になりました。今では私の作ったグラブでみなさんが野球を楽しんでくれるという,すばらしい仕事ができています。みなさんもあきらめないで努力を続け,自分の進む道を考えて夢を実現してください。 -