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- 東京都に関連のある仕事人
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1974年 生まれ
出身地 東京都
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仕事内容
物を楽に運ぶための機械を作って販売する。
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自己紹介
休日はドライブをしたり,夏にはサーフィンをしに海へ出かけることもあります。旅行も好きで,いつかアメリカやヨーロッパなど海外の国も訪れたいと思っています。
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出身高校
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出身大学・専門学校
- 【このページに書いてある内容は取材日(2020年03月18日)時点のものです】
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渡部 一智 -
仕事内容
物を楽に運ぶための機械を作って販売する。
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自己紹介
休日はドライブをしたり,夏にはサーフィンをしに海へ出かけることもあります。旅行も好きで,いつかアメリカやヨーロッパなど海外の国も訪れたいと思っています。
さまざまな物を運搬するための機械をオーダーメイドで製造・販売
私は,東京都北区にある渡部工業株式会社の社長をしています。1951年に私の父が当社を立ち上げました。現在,従業員は5名です。
渡部工業は,主に,さまざまな物を運搬するための機械を製造・販売するほか,それらの修理もしています。例えば,印刷工場では,数百キロの重さがある,トイレットペーパーを巨大にしたような形の印刷用のロール紙を扱います。このロール紙を印刷機にセットするために運ぶときに,当社の機械が活躍しています。扱っている機械はこのほかに,物を上下に運ぶための小型のフォークリフトのようなものや,家を建てる前に地面の硬さを調べるための機械など,さまざまです。使われる場所は工場や倉庫などが主で,特に多いのが印刷会社の工場です。
当社は,他の機械メーカーが製造した機械の販売も手掛けていますが,一番の強みは,オーダーメイドの機械を自社で製造し,販売しているところです。既製品の機械を調節してカスタマイズする場合もあれば,はじめから自分たちで作る場合もあります。工場や倉庫などでは,さまざまな形や大きさの品物を扱います。それぞれの物の形状に適した運搬機械が求められるのですが,既製品の機械では合わない場合があります。そんなとき,お客さまが扱う物の形や大きさに合うようにカスタマイズした,私たちのオーダーメイドの機械が役に立ちます。 -
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渡部 一智 -
仕事内容
物を楽に運ぶための機械を作って販売する。
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自己紹介
休日はドライブをしたり,夏にはサーフィンをしに海へ出かけることもあります。旅行も好きで,いつかアメリカやヨーロッパなど海外の国も訪れたいと思っています。
お客さまの多くはインターネットから
当社で扱う機械が運搬する品物は重い物が多く,数百キロのものもあります。そうした重い物を機械を使わずに人の手だけで動かしていると,腰などを痛めてしまう場合もあります。また,重い品物を誤って倒してケガをしてしまうなど,事故につながる可能性もあります。私たちの機械は,人の負担を減らし,安全に作業を行うことを可能にしています。
今では,インターネット上で当社のホームページを見て連絡をくださるお客さまが多くなりました。北海道から沖縄県まで,全国から注文が来ます。また,企業だけでなく個人のお客さまから注文をいただくこともあります。個人宅用に,車いすの方を車いすごと持ち上げて段差を越えるための機械を製作したこともありました。
オーダーメイドの機械の製造は,まず,お客さまが求めている機械はどんなものなのかをお聞きすることから始まります。ときには「遊園地のポップコーンマシーンを運ぶ機械を作ってほしい」などといった要望もあります。次に機械を作るためのイメージを考えます。だいたいのイメージがまとまったら設計図面を作成し,お客さまに確認してもらいます。その後,いよいよ機械の製造に取りかかります。図面をもとに鉄の材料を溶接したり,部品を取り付けたり,機械のサイズを調整したりして製造し,完成したらお客さまのもとへ配送します。近い場所なら,私が自分でトラックを運転して,お客さまのもとに直接,機械を届けることもあります。 -
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渡部 一智 -
仕事内容
物を楽に運ぶための機械を作って販売する。
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自己紹介
休日はドライブをしたり,夏にはサーフィンをしに海へ出かけることもあります。旅行も好きで,いつかアメリカやヨーロッパなど海外の国も訪れたいと思っています。
会社の経営から機械の設計,製造まで行う
私は,渡部工業の経営者であり,自分で体を動かして機械を作る職人でもあります。機械の設計は私が担当しています。色々なアイデアを出しますが,「もっと楽に物を運べるような設計ができるのではないか」と悩むこともあります。そんなとき頼りになるのは,先代の社長である父です。父も,自ら設計し,機械を作っていました。知識も経験も豊富な父は,よき相談相手です。私は他にも社長として,資金の管理や書類の作成などもしています。
私たちの扱うような専門的な機械も,今やインターネット上で手軽に購入することができるようになりました。オンラインショップの中には,当社が取り扱っている他社メーカーの機械を,より低価格で販売しているところもあります。また,当社が手掛けるオーダーメイドの機械は,どうしても既製品より高価にはなってしまうため,機械のサイズや仕様が扱う品物とぴったり合っていなくても,安い既製品の機械を購入するお客さまもいます。こうした状況の中で,より多くのお客さまに当社の製品を選んでいただくために,これまで積み重ねてきた経験や父から引き継いだ知識を設計や製造の工程で生かし,お客さまの望む機械を実現できるよう,励んでいきたいと思っています。 -
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渡部 一智 -
仕事内容
物を楽に運ぶための機械を作って販売する。
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自己紹介
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リピートの注文が来るとやりがいを実感
試行錯誤しながら作ったオーダーメイドの機械がお客さまの役に立っているとわかったとき,とても幸せな気持ちになります。納品先の会社の社長がわざわざ私の元を訪れ,「渡部工業さんの機械のおかげで,仕事が楽になって助かったよ」と感謝の言葉をかけてくれたことがありました。一生懸命に機械を作ってよかったな,と心の底から思いましたね。
また,当社のお客さまのうち,約3割はリピーターのお客さまです。同じお客さまから再び注文が来たときには,私たちの商品に満足していただけたんだな,と実感することができます。また,お客さまの中には,「渡部工業さんなら私たちが求めている機械を作ってくれるのでは,と人から教えてもらって,相談に来ました」という方もいらっしゃいます。お客さまが機械を評価してくださり,新しいお客さまを紹介してくれることもあるのです。そうしたときも,とてもうれしいですね。 -
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渡部 一智 -
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物を楽に運ぶための機械を作って販売する。
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オリジナルの機械も企画中
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渡部 一智 -
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物を楽に運ぶための機械を作って販売する。
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休日はドライブをしたり,夏にはサーフィンをしに海へ出かけることもあります。旅行も好きで,いつかアメリカやヨーロッパなど海外の国も訪れたいと思っています。
一から学んだ機械の製造と会社運営
実は,もともと家業を継ぐことは全く考えていませんでした。そのため,専門学校を卒業した後は,コピー機やプリンターなどを扱う会社に就職し,プリンターのメンテナンスなどの仕事をしていました。勤めた2年半の間に後輩を育てる立場にもなっていましたが,結婚を機に転職を決意し,渡部工業に入社したんです。
しかし,入社後すぐに,仕事に対する自信をなくしてしまいました。前の会社と渡部工業とでは会社の事業内容がまるっきり異なっていたため,これまで積み重ねてきた経験を渡部工業で生かすことがなかなかできなかったからです。自分は何もできていないと無力感を感じて落ち込んだこともありました。
そんな中,溶接のやり方や道具の使い方など,必要な技術を父や先輩の職人から一つずつ学び,何年もかけて習得しました。機械の製造の経験を積み,少しずつ仕事がこなせるようになってきた20代後半のある日,父から突然「数年後に,社長を継いでほしい」と言われました。正直,自分に社長が務まるのかそのときは不安でいっぱいでした。しかし,会社運営のための資金の管理方法などを,父から必死に学んでいきました。社長になって約15年が経った今,ようやく自分のやり方で会社を運営できるようになったのではないかと思います。 -
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渡部 一智 -
仕事内容
物を楽に運ぶための機械を作って販売する。
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自己紹介
休日はドライブをしたり,夏にはサーフィンをしに海へ出かけることもあります。旅行も好きで,いつかアメリカやヨーロッパなど海外の国も訪れたいと思っています。
好奇心旺盛で,何でも分解していた子ども時代
幼いころは,乗り物に夢中でした。電車が好きで,よく鉄道模型で遊んでいました。飛行機も好きでした。地図を見るのも好きで,世界地図を眺めては,さまざまな国々へ思いをはせていました。大人になった今では,海外旅行が大きな楽しみになりました。
また,物の仕組みに興味があり,物を分解することも好きでした。今でもよく覚えているのは,母がとても大切にしていた,祖父の形見のゼンマイ仕掛けのカメラに付けて使う機械を分解してしまったことです。私はその機械の中身がどうなっているのか,どうしても確かめたくて,こっそり持ち出しました。そして,機械のカバーを外して分解していると,中からゼンマイが飛び出してしまったのです。あわててゼンマイを元に戻そうと必死に試したのですが,どうしても元通りに直すことができませんでした。怒られましたが,その後もおもちゃなどもすぐに分解してしまい,今思えば,このころから機械仕掛けのものは好きではありました。今,機械を作る仕事をしているので,今の仕事につながっていると言えるかもしれません。 -
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渡部 一智 -
仕事内容
物を楽に運ぶための機械を作って販売する。
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自己紹介
休日はドライブをしたり,夏にはサーフィンをしに海へ出かけることもあります。旅行も好きで,いつかアメリカやヨーロッパなど海外の国も訪れたいと思っています。
若いうちに体験できることには何でも一生懸命に取り組もう
私は,渡部工業に入社したとき,仕事で必要な溶接などの技術を身につけていませんでした。しかし,高校の機械科に通っていたので,実は,授業で溶接や機械を使ってのものづくりの実習も経験していたのです。ただ,高校生当時の私はまさか学校の授業が将来,役に立つとは夢にも思わず,熱心には取り組んでいませんでした。大人になり,「あのときちゃんと学んでいればよかった……」と後悔したものです。
そういうこともありますから,ぜひみなさんには,学校で学ぶことを無駄なことだと思わず,一生懸命に取り組んでほしいと思います。これは,勉強や部活動,全てにおいてです。学校で学んだことや体験したことは,すぐには役に立たなくても,将来,生きていく上でいつか役に立つかもしれません。
もう一つ,お伝えしたいことがあります。それは,もし今やりたいことがあるなら,それが何であろうとあきらめずに挑戦してほしいということです。大人になると,仕事や家庭のこともあって,やりたくてもできないことがあります。しかし,若いうちだからこそ,チャレンジできることがあると思うのです。ぜひ,自分の気持ちを大切にして,やりたいことに全力でぶつかってみてください。 -