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- 埼玉県に関連のある仕事人
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1973年 生まれ
出身地 東京都
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仕事内容
木造住宅の骨組みを作る。
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自己紹介
興味があるものには時間がかかってもチャレンジします。趣味は日曜大工です。
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出身高校
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出身大学・専門学校
東京製図専門学校
- 【このページに書いてある内容は取材日(2017年10月23日)時点のものです】
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小山田 友和 -
仕事内容
木造住宅の骨組みを作る。
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自己紹介
興味があるものには時間がかかってもチャレンジします。趣味は日曜大工です。
現場での加工を先に工場で済ませる「プレカット」
私は,株式会社タカキという会社に所属しています。住宅用の建築資材を加工・販売する会社ですが,そのなかでも私は,埼玉県狭山市にある工場で「プレカット」に関わる仕事をしています。プレカットとは,住宅工事の現場で組み立てやすいように,材木を工場で先に加工してしまう技術のことです。プレカットを済ませておけば,現場での作業がぐんとはかどります。
木造住宅を建てるには,まず木で骨組みを作ります。柱や土台をしっかりと組み合わせるためには,木材と木材が合わさる部分に突起を作ったり穴を開けたりなどの加工をしなければなりません。今から30年ほど前までは,大工さんがノミを使って手で加工していました。手作業では2,3週間かかる加工も,工場でプレカットすれば,1日でできてしまうんです。今でも昔と変わらず現場で,手で加工するケースもありますが,最近では,ほとんどの現場でプレカットした木材が使われています。 -
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小山田 友和 -
仕事内容
木造住宅の骨組みを作る。
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自己紹介
興味があるものには時間がかかってもチャレンジします。趣味は日曜大工です。
プレカットのためのデータを作る
私はプレカットの機械を動かすためのデータを作る仕事をしています。プレカットは,大きく分けて,「プレカット設計」と,加工する「プレカット工場」の2部門に分かれます。最初に加工のためのデータをプレカット設計で作り,そのデータで工場の機械を動かして,木材を加工していきます。
データ作成にはCAD(キャド)という製図専門のソフトを使います。規模や形によりますが,一軒の家のデータを作るのにかかる時間は,4時間から丸一日くらいです。画面を見ながら,家の柱や壁などにどんな木材を使えばよいかを決めて,CADに打ち込んでいきます。設計図を作るのは設計士の仕事ですが,「どのように組むか」は私たちが決めるんです。私たちが作るデータの中には,家に使う全ての木材の寸法や加工の仕方が書き込まれています。このときに,スギやヒノキなどの木の種類や,木材の太さなども決めます。
一軒分の木材の部材は1000以上もあり,トラック2,3台分になります。木材の部材は,ちょうど組み立てる前のプラモデルの部品のようなものですね。形も寸法もまちまちで,同じ形の部材はほとんどありません。
作ったデータは,家を建てる工務店に渡して確認してもらいます。ここまでが基本的な私の仕事です。データにOKが出たら,あとは工場部門の仕事となり,工場でプレカットの機械にかけて,木材を加工します。CADのデータの通りに機械が自動で加工していきます。最後に,家のどこに組むかわかるように,加工した木材に印字がされたら,部材のできあがりです。 -
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小山田 友和 -
仕事内容
木造住宅の骨組みを作る。
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自己紹介
興味があるものには時間がかかってもチャレンジします。趣味は日曜大工です。
人の目や手も必要
加工の機械は自動で動きますが,木材を機械にかける前には,人がきちんと見て木材の向きや方向を確かめています。木材は何年か先になって反りや割れが出ることがありますから,木が山に生えていたときの向きなどを人が目で見て判断して決めるのです。また,プレカットといっても,機械でできない複雑な部分は,大工さんに頼んで手で加工することもあります。
私は現在,工場での機械加工から木材の配送,CADの設計とすべてを見る仕事をしています。ただ,もともとはプレカットの設計をずっとやってきたので,今も設計に一番時間を使いますね。それから時々は工務店や設計事務所との打ち合わせに出向くこともあります。普段はFAXやメール,電話でやりとりをしますが,それだけでは伝わらない複雑な加工をしなければいけないときは,打ち合わせで直接話し合って確認するんです。 -
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小山田 友和 -
仕事内容
木造住宅の骨組みを作る。
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自己紹介
興味があるものには時間がかかってもチャレンジします。趣味は日曜大工です。
ミスがないように設計をする
家というのは一生に一度の買い物ですから,その骨組みとなるデータを作る仕事では,間違えてはいけないというプレッシャーがあります。チェックするソフトもありますが,それだけでは防ぎきれません。人間ですからミスをすることもあります。慣れないころは,プレカットした木材を現場に持っていったらうまく組めなかったとか,組めたけれど,柱がドアの真ん中に立ってしまってドアが開かないなんていう失敗もありました。間違いがあると現場に行って,大工さんに大声で怒られることもありましたね。
家の骨組みを最初に組むことを「棟上げ」というのですが,もしミスがあればこのときにわかります。大工さんが現場で「あれ,ここはおかしいな」と気づくと電話がかかってきます。棟上げの日の工務店からの電話には,ヒヤヒヤしますよ。
一つひとつ,その家に住む人のことを考えながらデータを作るようにしています。設計した家に住むお客さんの声を私が直接聞くことはありませんが,何も連絡がないことは,現場がスムーズに進んで,家が無事にできたということであり,お客さんの要望に応えられたということですから,それで私は満足なんです。 -
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小山田 友和 -
仕事内容
木造住宅の骨組みを作る。
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興味があるものには時間がかかってもチャレンジします。趣味は日曜大工です。
地域で育った木で家を作る
最近,東京の木材関係の人たちで作った「TOKYO WOOD」というブランドがあります。林業家,製材所,プレカット業者,工務店,設計士などが集まって作ったものです。東京でも多摩には森がたくさんありますが,その木を自然乾燥させ,厳しい品質検査に合格した良質の木材のみで家を作るという,地産地消をめざす試みです。
先日,普通の家6軒分くらいの広さの大きな社宅をTOKYO WOODで作りましたが,これは大変な作業でした。すごい量の多摩産材を使って作りました。CADデータを作るのも大変で,いつもの倍以上の時間がかかりました。大きな建築で構造も複雑ですしね。この仕事は終わるとほっとしました。
また,TOKYO WOODを推進している小嶋工務店さんで家を作るときには,最初に着工式をやって,お客さんと,大工さんや製材所やプレカットの業者が一同に顔を合わせます。普通はこういう機会はないのですが,お互い顔見知りになると,仕事のがんばり方も違ってきます。みんなの気持ちも高まるので,いいんですよ。 -
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小山田 友和 -
仕事内容
木造住宅の骨組みを作る。
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自己紹介
興味があるものには時間がかかってもチャレンジします。趣味は日曜大工です。
CADへの興味からプレカット設計の道へ
自分で製図がしてみたいと思って,高校を卒業してから専門学校のCAD設計製図科に進みました。特に具体的な仕事を目指してはいませんでしたが,CADに興味があったんです。機械部品などの設計もできるし,CADの操作も面白そうだと思いました。専門学校を卒業するときに,CADの仕事がしたいと思って,今の会社を見つけました。ところが,会社に入ってみたら,木材のプレカットはCADの仕事でも特殊だということがわかりました。
住宅設計をCADでするには,建築の知識がないとできません。工務店の大工さんと打ち合わせするときに対等に話ができないと困るので,建築の用語を必死になって覚えました。住宅の床がたわまないよう構造を考えたり,木材を配置するにも排水管の経路を考えて設計したりしなければならないので,現場の知識を学ばなければ役に立ちません。CADで住宅設計図が何とか描けるようになるまで最低でも2年,一人でなんでも出来るようになるには3年はかかります。新しいことを覚えていくのは大変でしたが,できることが増えていくのは楽しみでもありましたね。 -
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小山田 友和 -
仕事内容
木造住宅の骨組みを作る。
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自己紹介
興味があるものには時間がかかってもチャレンジします。趣味は日曜大工です。
子どものころから描くことが好きだった
子どものころの性格は,明るくひょうきんでした。いつもふざけていないと気がすまないタイプでしたね。野球が好きで,小学2年生から6年まで続けました。しょっちゅう遊んでばかりでした。物を作るのももともと好きで,図工の授業で図を描いたり,何か作ったりするのは楽しかったです。学校で授業時間に作った折りたたみ椅子や踏み台も持ち帰って,家でずっと使っていました。
小学生のとき,こんなことがありました。新聞に入ってきた不動産広告のチラシの間取り図を方眼紙になぞってきれいに描いたんです。それを見た親に「うまい」とほめられたことを覚えています。何が面白かったのかわかりませんが,間取り図と同じものを描きたかったんですね,きっと。大きくなってから,製図を仕事にすることになったきっかけの一つかもしれません。 -
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小山田 友和 -
仕事内容
木造住宅の骨組みを作る。
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自己紹介
興味があるものには時間がかかってもチャレンジします。趣味は日曜大工です。
興味を持ったら,あきらめずに続けてみよう
スポーツでも勉強でも,これと決めて始めたら,思っていたのとちょっと違っているかなと感じても,あきらめずに続けてみるのがいいと思います。やっているうちに面白いと思うことが不思議に出てくるものですから。私は今の仕事に就くときに,プレカット設計がどんな仕事かよく知りませんでした。会社に入って仕事を始めたら,わからないこともたくさんありましたが,とにかく続けてみようと思ったんです。仕事を続けているうちに,プレカット設計だけでなく,住宅の建設について,またバスルームや台所などの住宅設備などについてもだんだんと知識が広がり,面白くなっていきました。
ちょっとつまずくと「やめてしまおうか」と思うことが誰でもあります。でもちょっと待って,続けているとだんだん興味を持てるようになるものです。まずは,興味をもって少しでも長く続けられるものをひとつ見つけてみてください。それはきっと,あなたの役に立つはずですよ。 -