家を勝手に建ててはいけないって知っていました？実は，家を建てる前には許可(きょか)をとる必要があり，私(わたし)はその許可(きょか)をとる仕事をしています。家を建てる時には土地が必要ですよね。でも土地には家を建てたらダメな土地や，建てても良いけどあまり高さの高いマンションはダメな土地とかが法律(ほうりつ)で決められていて，私(わたし)はそれを調べているんですよ。他にも土地と土地の境界線(きょうかいせん)がどこにあるのかということも，隣(となり)の土地の持ち主の人と役所の人に立ち合ってもらって確認(かくにん)します。土地の境界線(きょうかいせん)が決まると機器を使って土地の大きさを計ります。土地の面積が決まると，それに応(おう)じてどのくらい大きな家を建てても良いのかが決まります。それから，家の間取りや階数などを決めて，その内容(ないよう)で家を建てられるか調査(ちょうさ)をし，許可(きょか)申請(しんせい)をします。そこで許可(きょか)がでるとやっと家を作り始めることができるんですよ。

家が完成するとまた土地家屋調査士(ちょうさし)の出番がやってきます。家を建てる前の約束通りに家ができているかの確認(かくにん)の仕事です。まず土地家屋調査士(ちょうさし)が図面など必要な書類を用意して法務局(ほうむきょく)という役所に提出(ていしゅつ)します。その後，行政(ぎょうせい)書士という人がいろいろな手続きをして，家の登記済(すみ)書というものがもらえるんですよ。家を建てる時は銀行からお金を借りて建てる人がほとんどですが，土地や家屋に抵当権(ていとうけん)をつけ，お金が借りられるようになります。家を建てる人は，そのお金で建築(けんちく)会社や大工さんにお金を払(はら)い，家の鍵(かぎ)をもらってその家に住めるようになるんです。

私(わたし)は建築(けんちく)設計(せっけい)の仕事をしたいと思っていました。でも知人に紹介(しょうかい)されて入った会社は建築(けんちく)設計(せっけい)と行政(ぎょうせい)書士と土地家屋調査士(ちょうさし)の仕事をしている会社で，私(わたし)は土地家屋調査士(ちょうさし)と行政(ぎょうせい)書士の仕事を任(まか)されました。そこで土地家屋調査士(ちょうさし)の勉強をして，資格(しかく)をとって仕事をするようになりました。もしその会社が設計(せっけい)しかしていなかったら，今は設計(せっけい)の仕事をしているかもしれませんね。私(わたし)が会社で働いていた頃(ころ)は，土地家屋調査士(ちょうさし)の仕事をしている人は独立(どくりつ)する人が多く，だんだんと私(わたし)も独立(どくりつ)をしたいと思うようになって，入社してから９年後に独立(どくりつ)しました。最初は友人・知人の紹介(しょうかい)で仕事をもらって，そこからだんだんと仕事が増(ふ)えていきました。

土地家屋調査士(ちょうさし)になるには，国家試験に合格(ごうかく)しないといけません。専門(せんもん)学校や通信制(つうしんせい)の学校などで不動産登記法の法律(ほうりつ)などを勉強して，早い人だと２年くらいで合格(ごうかく)できますが，もっと時間をかけて合格(ごうかく)する人もいますね。でも資格(しかく)は取れても，働くことはまた全然別物なんですよ。１軒(けん)の家が出来上がるまでには，色々(いろいろ)な法律(ほうりつ)が関わっていてとても複雑(ふくざつ)なので，知識(ちしき)だけではなくたくさんの経験(けいけん)も必要なのです。仕事を覚えるためには，まずどこかの会社で２～３年は修行(しゅぎょう)をした方がいいでしょうね。

仕事はとても大変で難(むずか)しいです。思うように進まないことが多くて，仕事はどんどん溜(た)まっていきます。でも私(わたし)の仕事は夜遅(おそ)くまで頑張(がんば)れば終わるというような仕事ではありません。例えば，土地と土地との境界線(きょうかいせん)を決める仕事では，その土地の隣(となり)の方が朝7時しか都合がつかなければ，その時間に間に合うように準備(じゅんび)をして現地(げんち)に行かなければいけません。仕事が何十件(けん)もあるので，１つの複雑(ふくざつ)な申請(しんせい)が終わっても，また次の仕事が迫(せま)っていてなかなか休まる時間がないのです。会社に勤(つと)めていた時と違(ちが)い，独立(どくりつ)するとすべてが自分の責任(せきにん)なので大変ですね。でも，どんなに大変な時も絶対(ぜったい)に法律(ほうりつ)をごまかしたりしてはいけません。安全で安心して家に住むことができるために決められている法律(ほうりつ)ですから，いつも違反(いはん)しないように注意しています。

小学生の時からソフトボールをして，中学生になると野球部に入り毎日ボールが見えなくなるまで練習していました。毎日練習が終わってからは，高校受験のために学習塾(がくしゅうじゅく)で勉強しました。無事に高校に合格(ごうかく)することができたのですが，私(わたし)の入った高校は設立(せつりつ)４年目の新しい学校だったので野球部がなかったんですよ！友達と同好会を作ろうとがんばったのですが，お金がかかるという理由で同好会はつくれませんでした。

遊びも勉強もなんでも一生懸命(いっしょうけんめい)やってみて下さい。私(わたし)も今から振り返(ふりかえ)ると，小中高校で一生懸命(いっしょうけんめい)部活や勉強，遊びに取り組んだことなど全てがいい思い出になっています。そして歳(とし)をとらないとなかなか気が付かないのですが，自分ひとりの力でここまで大きくなったと思ったら大間違(おおまちが)いです。私(わたし)も今ならよく分かるのですが･･･。お母さんやお父さん，友人を大事にして下さいね。