私わたしは横よこ浜はま市しにある動物検けん疫えき所しょ本所の係けい留りゅう施し設せつで、家か畜ちく防ぼう疫えき官かんとして働いています。検けん疫えきとは、伝でん染せん病びょうの病原体や害虫などが日本国内で広がることを防ふせぐために、国こく際さい空港や海港などで旅行者や貨物を検けん査さし、必要な場合は隔かく離りしたり消しょう毒どくしたりすることです。もし検けん疫えきを行わなければ、海外から病気が日本に侵しん入にゅうし、日本各地に広がって、人や動物、植物の健康に悪あく影えい響きょうが出たり、伝でん染せん病びょうにかかった家か畜ちくを殺さつ処しょ分ぶんすることで畜ちく産さん農家に経けい済ざい的てきな被ひ害がいがもたらされたり、食しょく糧りょう難なんに見み舞まわれたりする可か能のう性せいがあります。
日本で侵しん入にゅうが最も警けい戒かいされている家か畜ちくの病気は、口こう蹄てい疫えきやアフリカ豚ぶた熱ねつ、鳥インフルエンザなどです。中には伝でん染せん性せいや致ち死し率りつの高い病気もあり、こうした病気の侵しん入にゅうやまん延えんを防ふせぐために、検けん疫えきは必要不ふ可か欠けつです。
私わたしは農林水産省動物検けん疫えき所しょに所しょ属ぞくする家か畜ちく防ぼう疫えき官かんとして、「家か畜ちく伝でん染せん病びょう予よ防ぼう法ほう」などの法ほう律りつに基もとづき、輸ゆ出しゅつ入にゅうされる動物や鳥が病気にかかっていないかの検けん査さや、肉などの畜ちく産さん物ぶつの検けん査さなどを行っています。

※「あしたね」編へん集しゅう部ぶ注：農林水産省では動物検けん疫えきのほか、植物検けん疫えきを行っています。また、厚こう生せい労働省では人間を対たい象しょうにした検けん疫えきを行っています。

家か畜ちく防ぼう疫えき官かんが主に働いている場所は、日本の出入り口となる国こく際さい空港や海港、国こく際さい郵ゆう便びん局きょく、そして外国から輸ゆ入にゅうされた動物や日本から輸ゆ出しゅつされる動物を一定期間留とめ置おく（隔かく離りする）係けい留りゅう施し設せつです。
国こく際さい空港や旅りょ客かく船せんターミナルでは、日本への持もち込こみが禁きん止しされている肉や肉にく製せい品ひん（ハム、ベーコンなど）が手荷物に入っていないかを、ハンドラーが操あやつる動植物検けん疫えき探たん知ち犬けん（以下、「探たん知ち犬けん」）の力を借りながら検けん査さします。死んだ動物の肉が検けん疫えき対たい象しょうになっている理由は、たとえ冷れい蔵ぞうや冷れい凍とうされている肉であっても、その中に何か月も生き残るウイルスなどの病原体もあるためです。また、加工品については、十分に加熱されていれば病原体が死んでいる可か能のう性せいが高いと思われるかもしれませんが、十分に加熱されているかどうかをその場で確かく認にんすることが困こん難なんなため、輸ゆ出しゅつ国こく政せい府ふが定められた基き準じゅんどおりに加熱されていると証しょう明めいしている場合以外、持もち込こみを禁きん止ししています。
全国の空港や海港における入国者の携けい帯たい品ひんの検けん査さで禁きん止し品ひん（肉や肉にく製せい品ひん）が見つかった案あん件けんのうち、探たん知ち犬けんが検けん査さに携たずさわった割わり合あいは約51％（2024年の実じっ績せき）と、大だい活かつ躍やくしています。また、家か畜ちく防ぼう疫えき官かんは入国者に積極的に声をかけて「肉にく製せい品ひんを持もち込こんでいる場合は申しん告こくしてください」と促うながします。さらに、ペットの犬や猫ねこ、うさぎなども検けん査さを行います。
コンテナなどの貨物の検けん査さでは、畜ちく産さん物ぶつ、動物の餌えさとなる乾かん草そうなどの飼し料りょうも検けん査さの対たい象しょうです。現げん物ぶつの確かく認にんのほか、輸ゆ出しゅつ元もとの国で行われた検けん査さ内ない容ようを書類上でチェックしたり、法ほう律りつや、輸ゆ出しゅつ元もとの国と日本との間での取り決めた事じ項こうと合がっ致ちするかを確かく認にんしたりします。
国こく際さい郵ゆう便びん局きょくでは、家か畜ちく防ぼう疫えき官かんが荷物のラベルを確かく認にんし、肉にく製せい品ひんが入っている可か能のう性せいがある場合は、郵ゆう便びん局きょくの立ち会いのもと開かい封ふうして中身を確かく認にんします。郵ゆう便びん局きょくでも探たん知ち犬けんが活かつ躍やくしていて、郵ゆう便びん物ぶつの中に含ふくまれている肉にく製せい品ひんの発見に一役買っています。

係けい留りゅう施し設せつは空港や港の近くにあり、主に牛や豚ぶた、馬などの家か畜ちくの検けん査さを行っています。動物は、輸ゆ出しゅつ元もとの国でも検けん査さを受けており、その検けん査さの内ない容ようが記き載さいされた証しょう明めい書しょなどのチェックも行います。日本に到とう着ちゃく後、一定期間、動物を係けい留りゅう（隔かく離り）して病気にかかっていないかを確かく認にんすることで、海外からの伝でん染せん病びょうの国内への侵しん入にゅうを防ふせいだり、日本から海外に伝でん染せん病びょうを拡かく散さんさせないようにしています。
法ほう律りつにより、動物の種類ごとに係けい留りゅう施し設せつ内ないで留とめ置おかれる日数が定められています。例えば輸ゆ入にゅうされた豚ぶたや牛などの偶ぐう蹄てい類るいは15日、馬は10日です。必要な検けん査さに合ごう格かくすると、入国を許きょ可かする証しょう明めい書しょを発行して解かい放ほうとなります。鶏にわとりやアヒルといった鳥類や、ペットの犬や猫ねこも検けん査さします。
動物に病気が見つかるなどの理由で検けん査さに不ふ合ごう格かくだった場合は、係けい留りゅう期間を延えん長ちょうして追加検けん査さをしたり、元の国に返送したり、殺さつ処しょ分ぶんしたりといった対たい応おうを取ることになります。一方、日本から海外へ輸ゆ出しゅつされる動物の係けい留りゅう期間は輸ゆ入にゅう時より短く、豚ぶたや牛などの偶ぐう蹄てい類るいは７日、馬は５日です。
私わたしが働く動物検けん疫えき所しょ本所には100名超ちょうの職しょく員いんが在ざい籍せきしており、そのうち約70名が家か畜ちく防ぼう疫えき官かんです。私わたしは主に動物を係けい留りゅうして検けん査さし、輸ゆ出しゅつ入にゅうできるか確かく認にんする部ぶ署しょで働いています。私わたしは毎日朝8時半に出しゅっ勤きんし、みんなでミーティングを行った後、検けん査さに使う機器を点てん検けんします。動物の採さい血けつを行う日は9時ごろから畜ちく舎しゃに入って作業をスタートし、動物の状じょう態たいもよく観察します。採さい血けつが終わったらシャワーを浴びてから、マスクや白衣を身に着けて、検けん査さに取とり掛かかります。検けん査さ中は動物の病気が人に感かん染せんしないように、また人に付着している微び生せい物ぶつを検けん体たいや検けん査さ試薬に混まぜてしまわないように気をつけています。検けん査さ項こう目もくは、輸ゆ出しゅつ元もとの国や動物の種類などによって異ことなります。例えば馬の場合は5項こう目もく程てい度どの検けん査さを5名ほどで行います。特とく殊しゅな機械や貴き重ちょうな試薬を使う検けん査さは別の部ぶ署しょに依い頼らいします。多いときは、１日で数百頭分を一気に検けん査さすることもあります。

検けん査さには、血けつ液えき検けん査さや遺い伝でん子し検けん査さ、細さい菌きん検けん査さなど、さまざまなものがあります。血けつ液えき検けん査さでは、血けつ液えきの中に潜ひそむ寄き生せい虫ちゅうを顕けん微び鏡きょうで探さがしたり、血けつ液えきの中に病原体がいると光ったり色がついたりする試薬を使って病原体を探さがしたりします。遺い伝でん子し検けん査さでは、試薬や機械を使って病原体の遺い伝でん子しを探さがします。
検けん査さには集中力が求められます。例えば、ピペットという実験器具は液えき体たいを正せい確かくに計量できますが、正しく丁てい寧ねいに扱あつかわないと計量される液えき体たいの量がずれてしまうこともあります。また、検けん体たい（血けつ液えきやふんなど）には病原体が含ふくまれる可か能のう性せいがあるので、誤あやまって飛散させることのないように慎しん重ちょうに取とり扱あつかいます。
検けん査さは数時間で終わることもありますが、検けん査さ項こう目もくによっては午後いっぱいかかったり、１日中検けん査さ室しつにこもって行ったりする場合もあります。検けん査さに加えて、畜ちく舎しゃに係けい留りゅう中の動物の健康状じょう態たいに異い常じょうがないかを確かく認にんするために、毎日観察しに行きます。定時の退たい勤きん時間は17時15分で、それまでに終わるように、みんなで協力し合って仕事に取り組んでいます。
ペットの犬や猫ねこの輸ゆ出しゅつ入にゅう検けん査さは飼かい主ぬしの方々の移い動どうが多くなる4月や8月、12月の前後に、機会が増ふえます。また、家か畜ちくについては、暑い夏場は家か畜ちくにとって負ふ担たんが大きく、お盆ぼん時期でもあるので、輸ゆ入にゅうが減へって閑かん散さん期きになります。

検けん査さで病気が確かく認にんされた場合は、法ほう律りつに基もとづいて動物を殺さつ処しょ分ぶんしなければならないこともあります。これも家か畜ちく防ぼう疫えき官かんの大切な仕事です。私わたしも過か去こに殺さつ処しょ分ぶんをしなければならなくなったことがあり、その動物の不運を思って悲しい気持ちになりました。しかし自分の情じょうに流されて病気が確かく認にんされた動物の入国を許きょ可かしてしまうと、日本国内のさらに多くの動物や畜ちく産さん業ぎょうに悪あく影えい響きょうを及およぼすこととなるので、腹はらをくくって取り組みます。この責せき任にんある仕事を選んだ以上、時につらい判はん断だんは避さけて通れません。
家か畜ちく防ぼう疫えき官かんは国家公こう務む員いんです。数年に一度、転てん勤きんがあります。働く場所は主に全国の空港や海港、郵ゆう便びん局きょく、係けい留りゅう施し設せつになりますが、東京の霞かすみが関せきにある農林水産省（本省）で働くこともあります。さまざまな仕事があり、夜や勤きんが必要となる部ぶ署しょもあります。土地ごとに異ことなる事じ情じょうを考こう慮りょする必要もあり、異い動どうするたびに、適てき応おうしようと頑がん張ばらなければなりません。ただ、結けっ婚こんなどによる家庭の事じ情じょうは考こう慮りょしてもらうことができます。
私わたしも現げん在ざいは神奈川で働いていますが、過か去こには東京や鹿児島、鳥取で働いてきました。転てん勤きんは大変ではありますが、この仕事に就つかなければ住むことのなかったような土地に住み、豊ゆたかな自然や食文化に触ふれ、さまざまな人に出会うことができて一人の人間として勉強になりましたし、かけがえのない思い出ができたとも感じています。

馬や豚ぶた、牛などの家か畜ちくからペットの犬や猫ねこまで、仕事を通じてさまざまな種類の動物と触ふれ合あえることがうれしいです。動物の顔を見るだけで胸むねがキュンとしますし、大きな動物もかわいいと思いながら日々接せっしています。別の部ぶ署しょで働いていたとき、牛の助産をしていて羊よう水すいを浴びたことも何度もありますが、自分が汚よごされても平気ですし、人によっては気になるかもしれない動物の臭においや力の強さなどを含ふくめて、かわいいと思っています。
豚ぶたは施し設せつに運うん搬ぱんされてきたときから好こう奇き心しん旺おう盛せいでこちらに近ちか寄よってくることが多いですが、馬は個こ体たいによっては繊せん細さいで、柵さくの奥おくの方でしょぼんとしていることもあります。そんな子が、毎日会っているうちに少しずつ心を開いてくれるととてもうれしいです。柵さくの前方に口先を出して「ねえねえ」と服を引ひっ張ぱってくることも。かわいいのですが人間よりもはるかに力が強く、じゃれてかみついてくることもあるので、けがには気をつけています。
草食動物には穏おだやかなイメージもありますが、前にすんでいた国で放はなし飼がいされていた動物が日本にやってきて施し設せつに入れられる場合は、人間に慣なれておらず、近ちか寄よっただけでイライラしたり攻こう撃げきしたりしてくることもあります。そのような状じょう態たいの動物から採さい血けつする際さいは、ヘルメットなどの防ぼう具ぐを身に着けてから臨のぞみます。採さい血けつの際さい、動物は輸ゆ入にゅう業者の方々が押おさえてくれるのですが、そうした周りの人たちの安全にも配はい慮りょしながら緊きん張ちょう感かんを持って仕事に取り組んでいます。
施し設せつに動物が滞たい在ざいするのは、基き本ほん的てきに10日から15日程てい度どです。担たん当とうの動物に毎日のように会っていると愛着も湧わいてくるため、離はなれるときに寂さびしさを感じることもあります。しかし、元気にトラックに乗って出発する様子を見ると「検けん査さが無事に終わり、何事もなく生きて出発できてよかった」と、うれしい思いがこみ上げてきます。

動物と接せっする仕事全ぜん般ぱんに必要なことだと思いますが、動物が何をされたら快かい適てきなのか不ふ快かいなのかを、できる限かぎり理り解かいして接せっするように心がけています。人間と同じように、動物にも動物種や品種だけでなく、個こ体たいごとに個こ性せいがあります。例えば馬は人間に比くらべて頭の横側に目がついているため、死角となる正面に立たれると嫌いやがることがあるのですが、実じっ際さいに立たれるとイライラする子もいれば、気にせず落ち着いている子もいます。そういった態たい度どを見み極きわめて、その子に合った行動を取るように努めています。
そもそも係けい留りゅう施し設せつにやってくる動物は、今まで暮くらしていた環かん境きょうとは違ちがう場所でいきなり見知らぬ人間に囲かこまれて検けん査さされるため、少なからずストレスを感じていると思われます。ストレスがかかると人間も攻こう撃げき的てきになることがありますが、動物も同じですし、健康にも影えい響きょうが及およびます。ストレスを少しでも抑おさえられるように、動物特有の行動をよく知り、個こ体たいごとによく観察してアプローチすることが、動物のストレスの緩かん和わや作業に携たずさわる人たちの安全につながるのではないかと考えています。

私わたしは、獣じゅう医い師しとしての知ち識しきを生かして広く社会に貢こう献けんしたいという気持ちで、家か畜ちく防ぼう疫えき官かんの仕事を選びました。動物にはさまざまな種類がありますが、大学で実習に取り組むうちに馬や牛、豚ぶたといった大きな動物に興きょう味みが湧わくようになり、彼かれらに触ふれられるような仕事をしたいと思ったことも、この仕事を選んだ理由です。
家か畜ちく防ぼう疫えき官かんは動物の検けん査さを行う際さい、ピペットなどの実験器具を使って検けん査さ室しつで業ぎょう務むを行うことが多く、そこにも魅み力りょくを感じました。私わたしが学んでいた大学の研究室では、遺い伝でん子しレベルの研究に力を入れており、遺い伝でん子し検けん査さなど、現げん在ざいの業ぎょう務むにつながるような作業も行っていました。教えてくださった先生も素す晴ばらしい成果を上げられていたので興きょう味みが湧わきました。
私わたしは国家資し格かくである獣じゅう医い師しの資し格かくを取しゅ得とくできる大学で学びながら、農林水産省の獣じゅう医い系けい技ぎ術じゅつ職しょく員いんの採さい用よう試験を受験して、現げん在ざいの仕事に就つきました。獣じゅう医い系けい技ぎ術じゅつ職しょく員いんになるには、大学で獣じゅう医い学がくを学び、獣じゅう医い師し免めん許きょを取しゅ得とくすることが必要です。一方、家か畜ちく防ぼう疫えき官かんにはほかに畜ちく産さん系けい技ぎ術じゅつ職しょく員いんもおり、こちらの場合は資し格かく不要で畜ちく産さん学がくを勉強することが受験資し格かくになります。自分なりに頑がん張ばって採さい用よう試験を突とっ破ぱして希望する仕事に就つけた今は、動物の病気から日本を守る仕事であることを意い識しきして業ぎょう務むに当たっています。

大阪生まれということもあり吉よし本もと新しん喜き劇げきを見て育ち、おしゃべりやふざけるのが好きな子どもでした。テレビゲームも楽しみましたし、阪はん神しんタイガースのファンで野球の試合結果をノートにまとめるほど好きでした。
小学生時代は、平日3、4日は水泳を、週末は剣けん道どうを習い、中学・高校時代も剣けん道どう部ぶに所しょ属ぞくしていました。剣けん道どうでは幼おさないころから挨あい拶さつや礼れい儀ぎを厳きびしく指し導どういただいたおかげで、今でも自分から積極的に挨あい拶さつする習しゅう慣かんがあります。大学時代、廊ろう下かですれ違ちがうだけの関かん係けい性せいだった先せん輩ぱいにも挨あい拶さつしていたのですが、卒業後にその先せん輩ぱいに久ひさしぶりに会っても覚えてもらえていたので、剣けん道どうを習ってよかったと思います。
動物との触ふれ合あいという点では、もの心ついたころから犬と亀かめを飼かっていて、家族と一いっ緒しょにかわいがっていました。動物に関する図ず鑑かんを何なん冊さつも読みあさり、自分で調べて得えた知ち識しきを披ひ露ろうしていたので、周りからは動物好きとして知られていました。好きな教科は理科で、とくに生物について知りたいと思っていました。一方で、理り系けい科目の中でも算数や数学はずっと好きではなく、義ぎ務む感かんで仕方なく学んでいました。獣じゅう医い師しという職しょく業ぎょうを意い識しきし始めたのは、小学校高学年のころです。当時は野生動物の保ほ護ごにも興きょう味みを持っており、アフリカで野生動物関係の仕事をしたいと考えていました。

頑がん張ばって勉強に取り組まなければいけないときもあると思いますが、友達や家族など自分の周りにいる人たちとの時間や、趣しゅ味みやスポーツを楽しんだりする時間も同じくらい大事にしてほしいと思います。私わたしがそうだったように、学校生活以外の経けい験けんが将しょう来らいの仕事選びに役立つかもしれません。仕事につながらなくても、大人になっても続けられる趣しゅ味みになったり、新しい出会いを呼よんでくれたりするかもしれません。メインである学校生活も大事にしながら、それ以外のことにも積極的に取り組んでいってほしいです。
というのも、学校で学ぶ時期に毎日を普ふ通つうに過すごしていると、学校での常じょう識しきやルールのみが、自分の価か値ち観かんのすべてになってしまうと思うのです。しかし別のコミュニティに身を置いてみると、そこではこれまでの自分が思っていたものとは異ことなる常じょう識しきやルールに触ふれられ、新しい感覚が得えられるかもしれません。私わたしの場合は剣けん道どうをやっていたことで、その活動に救すくわれたり、充じゅう実じつした時間を過すごしたりすることができました。さまざまな考え方に触ふれたり経けい験けんを得えたりすると、自分の常じょう識しきを冷静に見つめ直せるし、視し野やが広がると思います。