-
- 東京都に関連のある仕事人
-
1967年 生まれ
出身地 東京都
-
仕事内容
社員に気持ちよく働いてもらうために,みんなを支える。
-
自己紹介
思い立ったら即行動,決断力のあるタイプだと思っています。いつも前向きで,誰に対してもオープンマインド(心を開いた状態)でいようと心がけています。自然が大好きで,趣味のスキューバダイビングや山登りにも出かけたいのですが,最近は忙しくて休日は家事に追われています。
-
出身高校
-
出身大学・専門学校
- 【このページに書いてある内容は取材日(2019年03月04日)時点のものです】
-
井上 有子 -
仕事内容
社員に気持ちよく働いてもらうために,みんなを支える。
-
自己紹介
思い立ったら即行動,決断力のあるタイプだと思っています。いつも前向きで,誰に対してもオープンマインド(心を開いた状態)でいようと心がけています。自然が大好きで,趣味のスキューバダイビングや山登りにも出かけたいのですが,最近は忙しくて休日は家事に追われています。
誰もが電気を安全に使えるように
私は,東京都荒川区にある「能田電気工業株式会社」の代表取締役(社長)を務めています。まずは私たちの会社がどんな仕事をしているのかを説明しましょう。
家庭や学校では,当たり前のように電気が使えます。照明はもちろん,テレビやパソコン,冷蔵庫や洗濯機,エアコンなど,現代の暮らしは電気なしには成り立ちません。私たちの仕事は,みなさんが安全に電気を使えるよう,建物に電気の設備工事をおこなうことです。これを「強電工事」といいます。
発電所でつくられた電気は,送電線などを通じて家庭・お店・工場・オフィスビルなどに送られます。けれど,電柱を伝う電線に流れている電気は6600V(ボルト)というたいへんな高電圧であるため,そのまま屋内に引き込んで使用することはできません。そのため,扱いやすい100V,または200Vに変圧する「キュービクル式高圧受変電設備」という機器を建物のそばに設置する必要があります。いわば小型の変電所ですね。ここで変圧した電気が屋内に引き込まれ,天井や壁の中の線を通って,各部屋の照明やコンセントに送られます。こうした工事は非常に危険な仕事なので,この仕事に就くためには「電気工事士」の国家資格を取得しなければなりません。 -
-
井上 有子 -
仕事内容
社員に気持ちよく働いてもらうために,みんなを支える。
-
自己紹介
思い立ったら即行動,決断力のあるタイプだと思っています。いつも前向きで,誰に対してもオープンマインド(心を開いた状態)でいようと心がけています。自然が大好きで,趣味のスキューバダイビングや山登りにも出かけたいのですが,最近は忙しくて休日は家事に追われています。
仕事の現場は学校から刑務所まで
能田電気工業は,社長の私を含めて社員17人の会社です。そのうち12人が電気工事士として,日々さまざまな工事現場で活躍しています。たとえば,東京都豊島区に「サンシャイン60」という超高層ビルがありますが,そのふもとに広がる「サンシャインシティ」という商店街の電気工事に,当社は1980年以来,ずっと携わっています。サンシャインシティのように大きな施設にはたくさんのお店が入っており,模様替えやお店の入れ替えなどで,ひんぱんに改修工事がおこなわれるのです。照明や自動シャッターの保守・点検も含めれば,毎日のように仕事が発生しています。そのため3名の社員がサンシャインシティ内の事務所に専任で勤務しています。
ほかにも当社では,学校,動物園,図書館といったみなさんにもなじみのある場所から,お札を刷っている印刷局や刑務所など,普段は入ることができない場所まで,あらゆる建物で電気工事をおこなっています。工事は,改修工事と新築工事に分かれます。建物の規模にもよりますが,新築工事の場合は工期が数か月から丸1年に及ぶこともあります。 -
-
井上 有子 -
仕事内容
社員に気持ちよく働いてもらうために,みんなを支える。
-
自己紹介
思い立ったら即行動,決断力のあるタイプだと思っています。いつも前向きで,誰に対してもオープンマインド(心を開いた状態)でいようと心がけています。自然が大好きで,趣味のスキューバダイビングや山登りにも出かけたいのですが,最近は忙しくて休日は家事に追われています。
病気の兄に代わって社長を引き継いだ
私は,最初から社長になろうと思っていたわけではありません。もともと能田電気工業は,私の祖父が90年ほど前に創業した会社です。その後は父,そして私の兄が社長を引き継いできました。私は以前,この会社に営業職として5年ほど在籍していたこともありましたが,結婚を機に退職し,その後は子育て中心の生活をしていました。
ところが数年前,兄が大病を患い,仕事を続けられなくなったのです。兄から社長を引き継いでほしいと頼まれたとき,「どうして私に…,そんなのできるわけがない!」と思いました。電気工事士の資格は持っておらず,会社を経営するために必要な経理や財務の知識もありません。そもそも,社長になってお金を儲けることに興味もない。そんな私に務まるわけがないと考えたのです。
すると兄は,こう言いました。「利益を追求することばかり考えなくていい。会社を維持していくことが大事なんだ。安全に電気を届け,社員に給料を出し続けることが,社会と,社員と,その家族のためになる。会社があり続けることで社会貢献になるんだ」。その言葉を聞いて私は腹をくくりました。何十年も働いてきてくれたベテラン社員や,希望に燃える若手社員たちの,働く場をなくすわけにはいかない。こうなったらやってやろう,逃げずにやり遂げようと思ったのです。 -
-
井上 有子 -
仕事内容
社員に気持ちよく働いてもらうために,みんなを支える。
-
自己紹介
思い立ったら即行動,決断力のあるタイプだと思っています。いつも前向きで,誰に対してもオープンマインド(心を開いた状態)でいようと心がけています。自然が大好きで,趣味のスキューバダイビングや山登りにも出かけたいのですが,最近は忙しくて休日は家事に追われています。
人手不足の業界で若手を育てる
社長に就いて3年が経ちました。いまも模索しているのですが,社員にとって働きやすい会社となるよう,毎日がんばっています。幸い,会社には電気工事のプロや経理のプロがそろっていましたから,そうした仕事は社員に任せて,私は社員を支える立場になろうと考えたのです。
多くの会社は,新しい仕事や取引先を探す「営業」に力を入れていますが,私たちには長年積み重ねてきた実績があるので,それほど仕事探しには困っていません。むしろ次々と仕事が舞い込む中で,人手不足をどのように解消するのか,そこを考えるのが社長である私の大切な役目の一つです。社員だけでは足りない現場があれば,協力業者にお願いして人手を集めなければなりません。何年も前からそうした状況が続いており,業界全体で若い人たちを育てていくことが求められています。
当社でも,会社全体で若手社員を一人前の電気工事士として育てていこうと力を合わせています。いま20代の若手社員が3人います。若手社員には先輩社員がついて,仕事を教えたり相談にのったりしています。そんな若手社員が前向きな気持ちで仕事に取り組めるよう,私自身も面談などを通じてみんなの声に耳を傾け,小さなことでも改善するようにしています。
先日,女性の若手社員にこんなことを言われました。「いつか結婚してからも,私はずっとこの会社で働きたいです」。それだけ居心地の良い会社だと思ってくれているのかと,とてもうれしい気持ちになりました。 -
-
井上 有子 -
仕事内容
社員に気持ちよく働いてもらうために,みんなを支える。
-
自己紹介
思い立ったら即行動,決断力のあるタイプだと思っています。いつも前向きで,誰に対してもオープンマインド(心を開いた状態)でいようと心がけています。自然が大好きで,趣味のスキューバダイビングや山登りにも出かけたいのですが,最近は忙しくて休日は家事に追われています。
社長としていちばんうれしいこと
電気工事士の働き方は,大きく二つに分かれています。一つは管理職。工事を発注していただいたお客さまや協力業者との打ち合わせ,図面の確認,現場で作業にあたる人たちへの指示などをおこないます。もう一つは専門職。電気工事の「職人」として,実際の工事を受け持ちます。どちらの働き方を好むかは人それぞれです。社長としてはできるだけ希望に沿うように,社員一人一人の気持ちをくみ取るようにしています。
会社を経営しているから,もちろん売上げのことがいつも頭の中にあります。業績がよいと素直にうれしいものです。けれど,本当にうれしいのは,そして社長としてのやりがいを感じるのは,社員が誇りを持っていきいきと好きな仕事に取り組んでくれることなのです。「自分はこの仕事が好きだ」とすべての社員が思っていてくれたら,こんなに素晴らしいことはありません。最初は社長という重責に尻込みしていましたが,父や兄が守ってきたこの会社を引き継いで,いまは本当によかったと思っています。 -
-
井上 有子 -
仕事内容
社員に気持ちよく働いてもらうために,みんなを支える。
-
自己紹介
思い立ったら即行動,決断力のあるタイプだと思っています。いつも前向きで,誰に対してもオープンマインド(心を開いた状態)でいようと心がけています。自然が大好きで,趣味のスキューバダイビングや山登りにも出かけたいのですが,最近は忙しくて休日は家事に追われています。
新入社員の自宅を訪れご家族に挨拶
兄が社長のときにおこなっていて,とてもよい習慣だと思い,私もまねしていることがあります。それは新しく入社する社員のお宅へ伺って,ご家族にご挨拶をすることです。電気工事は危険をともなう仕事なので,ご家族はたいへん心配されています。その不安を取り除き,少しでも安心していただくために,仕事のこと,会社のことをきちんと私から説明するようにしているのです。また,ご家族とお話をさせていただくことで,私も新入社員の人となりをより深く知ることができます。社員のことは家族同様に思っているので,これからも新しい社員が入ってくるたびに暖かく迎え入れたいですね。
私は今後も,社員と,その家族,協力業者の方々を大事にしていきたいです。そして電気工事の会社を経営し続けることで,社会に貢献していきたいと考えています。 -
-
井上 有子 -
仕事内容
社員に気持ちよく働いてもらうために,みんなを支える。
-
自己紹介
思い立ったら即行動,決断力のあるタイプだと思っています。いつも前向きで,誰に対してもオープンマインド(心を開いた状態)でいようと心がけています。自然が大好きで,趣味のスキューバダイビングや山登りにも出かけたいのですが,最近は忙しくて休日は家事に追われています。
自然豊かな島で遊び回った少女時代
生まれたときから,私は電気工事店の娘でした。当時の社長だった父が,いまとは別の場所に自宅兼事務所を構えており,たくさんの大人に囲まれて育ちました。いまも働いてくれているベテラン社員には,赤ちゃんだったころの私を知っている方もいます。社員旅行のときに撮った,私がおんぶしてもらっている写真が残っており,「あのころはよく,遊んでほしいとせがまれたよ」といまもからかわれます。子どものころは,会社は兄が継ぐもので,まさか自分が社長になるとは夢にも思っていませんでした。
兄や姉とは違い,私はとてもおてんばな女の子でした。夏休みには,なぜか私ひとりだけ伊豆諸島の新島で暮らす親戚宅に預けられていました。自然豊かな島で遊び回っていたことは,本当に豊かな体験でした。泳ぐのも大好きで,海に包まれているような感覚がとても落ち着き,心地よかったことを覚えています。
私が感じた自然の美しさ,素晴らしさを,私の子どもたちにも体験させてあげたくて,社長に就く前の2年間は鹿児島県の屋久島で暮らしていました。いまもときどき,自然豊かな島での暮らしを思い出します。 -
-
井上 有子 -
仕事内容
社員に気持ちよく働いてもらうために,みんなを支える。
-
自己紹介
思い立ったら即行動,決断力のあるタイプだと思っています。いつも前向きで,誰に対してもオープンマインド(心を開いた状態)でいようと心がけています。自然が大好きで,趣味のスキューバダイビングや山登りにも出かけたいのですが,最近は忙しくて休日は家事に追われています。
嫌なことがあっても立ち向かってほしい
私は大学を卒業してから,最初に就職した会社で紳士カバンの営業をしていました。ところが会社の業績が傾いたため,早々にリストラされてしまったのです。自分にはどんな仕事が向いているのだろうと悩んでいたこともあり,すぐには再就職せず,北海道一周の自転車ひとり旅に出かけたりもしました。けれど,なかなか答えは見えてきませんでしたね。
いま振り返って思うのは,自分が好きで選んだ仕事でなくても,もしくは誰かから与えられた仕事であっても,覚悟を決めて取り組んでみるのが大事だということです。私の場合は,それが兄から引き継いだ社長業でした。嫌だ,嫌だと言っているだけでは何も始まりません。実際にやってみたら,意外と向いているかもしれない。おもしろい仕事だと感じるかもしれません。
私は自分に降りかかってくることに,無駄なものは何一つないと思っています。どんなに大変なことでも,神さまが与えてくれた「自分の乗りこえるべき問題」だと考えるようにしています。どうかみなさんも,なにか嫌なことがあっても悲観せずに,その問題に立ち向かっていってほしいです。そこから見えてくるもの,得られるものがきっとありますよ。 -