仕事人

社会にはいろいろな仕事があるよ。気になる仕事や仕事人をたくさん見つけよう!

東京都に関連のある仕事人
1971年 生まれ 出身地 東京都
大塚おおつか 太郎たろう
子供の頃の夢: なし
クラブ活動(中学校): 野球部
仕事内容
オカリナをせいさくしている会社の社長です。
せいぞうせんでんはんばいなど,会社の全体をわたす仕事です。
自己紹介
小さいころから気が強く,試合や本番に強いタイプです。
昔からのやり方をそのまますることより,自分でやり方を考えるのが好きです。
出身大学・専門学校

※このページに書いてある内容は取材日(2016年09月28日)時点のものです

オカリナのきゆう

オカリナの普及

みなさん,オカリナって知っていますか?
ねんを焼いて作るやきの笛です。ざいは,じようもん土器ややよ土器と同じです。だから,太古の昔のせきからも出土していて,しきなどで使われたと考えられています。
1853年イタリアでやきの笛を近代音楽のドレミファソラシドの音階に調ちようりつした楽器であるオカリナが発明されました。 日本では,1985年ごろからオカリナの人気が高まってきました。最近では,中国,かんこくたいわんなどでもオカリナがさかんになっています。おうべいでは,ゲームのえいきようからオカリナを知るようになった人たちもたくさんいます。
今後も,手軽な楽器であるオカリナは,世界中に広まっていくと思います。
また,いろいろな世代の人たちに知ってもらう必要もあります。
オカリナのきゆう活動のため,海外に出かけてPRしたり,インターネットの動画サイトにとう稿こうしたり,ゲームや,わかい世代の人たちが好むボーカロイドなどの音楽とコラボレーションしたり,のうせいたくさんあります。

粘土(ねんど)から手作り

粘土から手作り

オカリナが完成するまでにはたくさんの工程(こうてい)があります。①2つの型の粘土(ねんど)()り合わせる,②乾燥(かんそう),③調律(ちょうりつ),④(かま)で焼いて焼成,⑤再度(さいど)調律(ちょうりつ),⑥塗装(とそう),⑦検査(けんさ)・調整。たくさんの工程(こうてい)を一から手作りで作っています。オカリナは楽器として品質(ひんしつ)が命です。社員全員が良いものを作ろうという気持ちになることで,一つひとつの工程(こうてい)精度(せいど)もあがり,多くの人に愛されるオカリナを作り上げることができるのです。
わたしは社長という立場ですので,朝8ころに出社して身の回りの清掃(せいそう)と朝礼の準備(じゅんび)をします。朝礼ではその日の仕事の内容(ないよう)確認(かくにん)と,昨日起きた事の報告(ほうこく)を受けます。それから会社で起きていることや,今後の予定などを説明して情報じょうほうを共有しています。
9時から11時ぐらいまでが大体検品(けんぴん)ですね。11時から12時くらいまではメールを見て,1時から4時くらいまでが打ち合わせやオカリナの調律(ちょうりつ)を行います。
4時から5時半くらいまではまたメールを見て,各方面の連絡(れんらく)です。今は大体その後も仕事があって,5時半から8時半くらいまでに新しいホームページの企画(きかく)などを行っています。

(つね)危機(きき)意識(いしき)を持つ

常に危機意識を持つ

会社のやり方は20~30年で古くなってしまうものなので,時代の変化とともに会社も変わって行かないといけない,という危機(きき)意識(いしき)(つね)に持っています。
そして,その危機きき意識いしきが,めの姿勢しせいを持つことにつながると思います。例えば,新商品を出すことは大事な()めのひとつです。商品ラインナップを徐々(じょじょ)()やし,売上をあげるようにしています。商品は自社で作る事もあれば,場合によっては外注も一つの手段(しゅだん)となります。その(さい)交渉(こうしょう)は,やはり気を使います。例えば,オカリナ専用(せんよう)のクリーニングブラシを作っているのですが,機能(きのう)に特化して価格(かかく)(おさ)えたり,発注数をできるだけ少なくしてもらったりと,小さな仕事を一つずつ,コツコツ積み重ねていく。これが大事です。小さなことの積み重ねていくことで,ちりも積もれば山となる,ということわざのように,いつしか高いいただきに登ることにつながるのです。

音楽に自信がない人でも手に取れる楽器

音楽に自信がない人でも手に取れる楽器

31さいのころに,ある楽器店さんがしゆさいする70さい以上のこうれいしやの方たちのオカリナえんそうかいまねかれました。そこで,1人のおばあちゃんが,曲のえんそうができず,ドレミファソラシドの音階だけをきました。「いつしようけんめい練習したけれど,今,わたしけるのはこれだけです」とお話していました。
でもね,曲じゃなかったけど,そのドレミファソラシドから,おばあちゃんのいつしようけんめいな気持ちが伝わりました。オカリナは,手軽な楽器です。だから,今まで音楽が苦手だった方でも,楽器けいけんがなかった方でも,「オカリナだったらできるかもしれない。」と音楽とかかわるきっかけを作ってくれる「楽器」なんだ,そのことを実感したけいけんでした。そして,オカリナせいさくという自分の仕事も「悪くないな。」と思ったしゆんかんでした。
今は,オカリナでいろいろなジャンルのらしいえんそうをしてもらいたいと思っています。でも,一方で「音楽のまどぐちとなる楽器」オカリナ,ということが,この楽器の原点である,と心にきざまれています。

3つのポリシー

3つのポリシー

わたしは仕事をするうえで,3つのポリシーがあると思っています。
1つ目は「当たり前の事をきちんと当たり前にやる」ということです。たとえば朝8時半から出勤(しゅっきん)なら15分くらい前には来て準備(じゅんび)をしておきます。そういった事ができるかできないか,そして,毎日続けられるかどうか,ということです。
2つ目は「コミュニケーション」です。コミュニケーション=意思つうは,どの仕事でもぜつたいに必要です。そのだいぜんていは,自分以外の「人」は,自分と同じではない,ちがう考え方,ちがせいかくちがう得意分野やちがう苦手分野を持つ,別の「人」というにんしきが大切です。ちがう「人」に自分の考え方をどのように分かってもらうか,反対に,ちがう「人」の考えをどこまでかいできるか,結果,どこをさいてきけつろんとすれば良いか,毎日コミュニケーションを取って調整することが大切です。
では,問題が起きた時だけ話しかけてコミュニケーションは取れるのでしょうか。その時だけ話してもかんたんにコミュニケーションは取れません。日々顔を合わせる中で,あいさつから始まり,その時々に,いろいろ話しかけたり,問いかけにおうじたりして,一人ひとりのことを少しずつでも知っていくこと,自分のことを少しずつでも知ってもらう必要があります。
みなさんも,小学校,中学校に入学した時,クラスが変わった時,新しい先生や友達にちゃんとあいさつをして,そして,あいさつだけでやめずに,続いて,いろいろなことを話しかけてみてください。先生や,友達から話しかけてもらったら,自分の考えを話してみてください。きっと,かけがえのないおんや,友達ができると思います。
3つ目は「だれにもこの仕事はゆずれない。」という強いです。よく自分にしかできない仕事をやりたい,というわかものがいます。 でもね,世の中の仕事はほんとんどがだれにでもできる仕事です。わたしがやらなくても,あなたがやらなくても,他に代わりはいくらでもいます。 それでも,他の人にゆずりたくない,自分がこの仕事をやりたい,そういう強い気持ちがあって初めて仕事のスタートラインに立てるのだと思います。

40代で社長にならないと間に合わない

40代で社長にならないと間に合わない

大学を22(さい)で卒業して,最初は銀行のシステムエンジニアとして就職(しゅうしょく)しました。サラリーマン時代に経験したことや先輩(せんぱい)や上司から教わった事を今,会社で話すこともあります。
会社を()ぐことを意識(いしき)して入社したのは28(さい)(ころ)です。オカリナを自社で作っていくことをゼロから始めて行く中で,やらなければならないことが多ぎて,40代で社長にならないと間に合わない,と思うようになりました。
社長になる,と言っても,はいどうぞ,となれるわけではありません。わたしは,とにかくオカリナの事業を成長させていくことで周囲になつとくしてもらえるかんきようを作ってきました。時には,朝5:00から仕事を始めることも,夜0:00ぎまで仕事をすることもありました。なんでそんなことをしたのでしょう。 だれかにきようせいされたわけではありません。まあ,自分がそうしたかったんですね。ただ,がんることと,ちやをすることはちがいます。みなさんも,大いにがんってほしいのですが,ちやはしないでください。

一生懸命(いっしょうけんめい)であればいつか好きな事に出会える

一生懸命であればいつか好きな事に出会える

小学校,中学校のころは,まだ何をやっていいか分からないと思います。明確(めいかく)な目標を持っている人もいれば,まだ先にならないと目標を持てないという人もいます。
とにかく,目の前の事を一生懸命(いっしょうけんめい)やってください。
一生懸命(いっしょうけんめい)生きていると,自分には何が大事かということが分かってくると思うんですよ。だんだん自分の中で良い意味での好き(きら)いができて「(わたし)が求めていたのはこれだ!」というものに出会えます。だから,これからも力強く,何事にも一生懸命(いっしょうけんめい)頑張(がんば)ってください。

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取材・原稿作成:東京書籍株式会社/協力:城北信用金庫