日本財団

海・川の仕事人

コラム

02

さまざまな漁法

とる漁業とようしょくぎょう

 漁業には,天然のぎょかいを「とる漁業」と,「育てる漁業=ようしょくぎょう」とがあります。日本ではげんざい,「とる漁業」が生産量のおよそ8わりめますが,生産きんがくではおよそ6わりようしょくぎょうが4わりとなっています。
 ようしょくぎょうの多くは,波のおだやかなわんないで行われています。大きく分けると,えさをあたえて育てるものと,日光や海中の栄養分にたよるものとがあります。前者には,クロマグロ,マダイ,カンパチ,ブリ,サケ類,ウナギ,エビ類などがあります。後者には,ノリ,ワカメなどのかいそうるい,カキ,ホタテガイなどがあります。

沿えんがん漁業はぎょかいの種類も漁法も多様

 とる漁業は,沿えんがん漁業,おきあいぎょぎょう,遠洋漁業に分けられます。沿えんがん漁業は,陸に近いかいいきで行われる漁です。沿えんがんの海は川から運ばれた栄養分にみ,海底の地形も岩場やすながたなど多様です。そのため,とれるぎょかいるいの種類はほうで,漁法もさまざまです。
 代表的な漁法が,全国各地でいとなまれているていあみ漁です。魚の通り道に箱型のあみを固定し,中に入った魚をとります。季節ごとにさまざまな魚がとれ,ときには大きなマンボウやジンベイザメが入って話題になることもあります。
 そのほかに,いっぽんり,もぐり漁,カーテンのようにあみって泳いでいる魚をとるあみ漁,海底であみをひき回してカレイやタイ,エビやイカをとる小型そこびきあみ漁,船でふくろじょうあみをひいてシラスをとるふなびきあみ漁などがあります。

の大きなおきあいぎょぎょう,遠洋漁業

 おきあいぎょぎょうはおもに日本のはいてきけいざいすいいき(海岸から200海里=370.4キロメートル)内で行われ,遠洋漁業は世界の公海がたいです。漁のは大きくなり,漁船も大型で多くは急速とうけつシステムをそなえています。回遊魚のアジ,サバ,イワシ,カツオ,サンマ,マグロなどをとります。魚のれをきょだいあみかこあみ漁,サンマのれを光でゆうどうしてすくいとるサンマぼううけあみ漁,そこびきあみ漁などあみを使う漁法のほか,カツオいっぽんり,マグロはえなわ漁などりの漁もあります。マグロはえなわ漁は,200キロメートルもの長いロープ(はえなわ)にばりを何千本もつけたスケールの大きな漁法です。

助成:公益財団法人 日本財団
協力:NPO法人 共存の森ネットワーク,愛南漁業協同組合
取材・執筆:大浦 佳代/イラスト:友永 たろ,川島 星河,広野 りお