仕事人

社会にはいろいろな仕事があるよ。気になる仕事や仕事人をたくさん見つけよう!

東京都に関連のある仕事人
子供の頃の夢: 花屋
クラブ活動(中学校): バレーボール部
仕事内容
じゅうたくてん,オフィスなど空間のインテリアをコーディネートしたり,デザインしたりする。
自己紹介
小さいころからスポーツに取り組み,じゅつや家庭科のじゅぎょうも好きでした。そうふうして物作りをすることや,料理を作るのも好きでした。そろばんや書道なども習いました。今でも変わらず物作りや体を動かすことが好きです。写真を習ったりとうげいをしたりときょうのあることにはチャレンジしています。休みの日は,心を整え,体を休めるために,晴れた日には植物や空の写真をりに行ったり,家でお気に入りの音楽をきながら本を読んだりヨガをしたりしてリラックスできるようにごしています。果物が大好きで,『1日1のリンゴは医者を遠ざける』(西洋のことわざ)を信じて,毎朝リンゴを食べています。

※このページに書いてある内容は取材日(2020年09月29日)時点のものです

インテリアをコーディネートしたり,デザインしたりする

インテリアをコーディネートしたり,デザインしたりする

わたしは,インテリアコーディネーター,インテリアデザイナーとして仕事をしています。この2つのしょくぎょうげんみつやくわりが分かれているわけではありませんが,インテリアコーディネーターは「その空間にふさわしいインテリアをさがしてていあんする仕事」。インテリアデザイナーはもっとやくわりはばが広く,「何もない空間を一からデザインしたり,家具などのインテリアアイテムをデザインしたりする仕事」です。じんのお客さま以外にも,不動産会社やこうてんからのらいや,ぎょうや病院,ホテルなどからちょくせつ,仕事のらいをされることもあります。
インテリアコーディネーターとしては主に,じゅうたくにたずさわっています。しんちくやリフォームをするときなどに,部屋のかべがみゆかざい,家具,照明,キッチンなど,ないそうから家具やせつまで一つ一つをていあんし,お客さまといっしょに決めていきます。また,インテリアデザイナーとしては,じゅうたくのほかにもてんやオフィス,病院,ホテルなどに関わっています。主に,しんオープンやリニューアルオープンのときに,間取りやディスプレイなどもふくめたインテリアのごていあんや,オリジナリティのあるインテリアデザインをしています。ほかにも,じゅうたくのモデルルームやてんのディスプレイをたんとうすることも多くあります。特にモデルルームは,これまでに1,000けん以上,たんとうさせていただきました。
インテリアコーディネート,インテリアデザインのどちらの仕事でも,ていあんするインテリアの形やざいしきさいによって,便利になったり,使つかごこがよくなったり,長く使えるようになったりするので,使う人のことを考えてさいてきなプランをていあんしています。

インテリアコーディネーターの仕事の流れ

インテリアコーディネーターの仕事の流れ

仕事の流れはお客さまによっても変わりますが,インテリアコーディネーターとしての主な仕事の流れを,じゅうたくのリフォームの例で説明しましょう。らいを受けた後,げんじっさいに行き,どのようなイメージに仕上げたいのかのご要望をヒアリングすることからスタートします。そして,インテリアのコンセプトやレイアウトのイメージを考え,お客さまにていあんします。このときに,ご要望にもとづいて,リフォームにかかるおよそのきんがくもお伝えします。インテリアは洋服などとちがって,いっぱんの方にはどのくらいのかくなのかがそうぞうしづらいので,最初に予算のすり合わせをすることが多いです。
ほうこうせいかくにんできたら,次はいよいよ具体的にかべがみゆかざい,家具などを決めていきます。インテリア商材のカタログやホームページなどからじょうほうを選び,ぬのかべがみなどはサンプルをせてじっさいに見ながら,さいけんとうします。このとき例えば,「やわらかめのめんのソファが好み」「すわごこのよい軽いがほしい」など,お客さまが特にこだわりたいアイテムについては,いっしょにショールームに見に行くこともあります。また,コーディネートのおおよそのメドが立ったところで,部屋の間取りやインテリアの配置を分かりやすくいた図面や,パース図とばれる完成予想図も作成します。その後もお客さまとイメージをすり合わせて,気になるところがあれば別のプランのていあんもします。
このように,さまざまなだんかいてインテリアのプランを決めていくのです。そして最後に,インテリアにかかる正式なきんがくの見積もりを出して,しょうだくしていただいた後,商品を手配したり,リフォーム工事をスタートしたりします。

「和モダン」がテーマのゲストハウスをデザイン

「和モダン」がテーマのゲストハウスをデザイン

インテリアデザイナーとして建物のないがいそうのトータルデザインをらいされることも多くあり,最近では,浅草のゲストハウスのインテリアデザインを手がけました。このゲストハウスは,元はちく52年のじゅうたくでした。オーナーはこのあんけんらいぬしでもあるこうてんで,「この建物をリフォームして,外国人観光客に好まれるゲストハウスにしたい」と相談されたことから,インテリアデザインをたんとうすることになったのです。
最初に行ったことは,あさくさの街のりょくや外国人観光客が好むものについてのリサーチと,デザインのコンセプトづくりでした。じっさいあさくさに行って街の様子を見に行ったほか,インターネットでもたくさん調べました。このとき特に気になったのが,外国人に人気のある日本の風景である「さくら」というキーワードでした。そこで,このゲストハウスにも「さくら」のイメージを取り入れたいと考え,入り口にさくらの写真が大きくプリントされたかべがみりましょうとていあんしました。
また,デザインをらいされたときに家の外観が長方形だったため,きょうまちのイメージがかびました。がいへきすみいろとし,ないそうすみいろをアクセントにし,「和モダン」のコンセプトで計画しました。1階には土間とフローリング,2階には和室をつくりました。みんぱくの予約サイトである「Airbnb」にけいさいされていますが,スタート時から予約が入り,外国人の方々からもこうひょうということです。

時間をかけて選び,お客さまのご要望以上のていあん

時間をかけて選び,お客さまのご要望以上の提案を

この仕事はとにかくていあんするものの数が多く,しきけいけんの引き出しをたくさん持っていることが必要です。家具を一つ決めるのにも,ざいや色のほかに,選ぶべき細かい仕様はたくさんあります。例えば,ベッドのマットレス一つとっても,かたさが色々あります。家具のとびらに付ける「取っ手」なども,ゴールドやシルバーなど種類がたくさんあります。キッチンなどはつけられるのうもさまざまですし,新商品などもひんぱんに出ます。これらのじょうほうをたくさん持つことで, 色々なお客さまのご要望にこたえることができます。
また,お客さまのご要望には,プラスアルファのていあんをすることも心がけています。例えば,使いやすいキッチンを要望された場合には,お手入れも楽でしゅうのう力もあるキッチンをていあんしてみたり,見た目がおしゃゆかを要望された場合には,さらにのうめんすべりにくいゆかざいていあんしてみたり。それでもどのざいを使おうか,どの家具を置こうかとまよわれる方は多いのですが,最後のけつだんはお客さまにしていただいています。ご自身で選んでいただくことで,インテリアに,より愛着を持っていただきたいからです。お客さまが選びやすいように,ていあんはできるだけ,3案ほどにしぼるようにしています。
インテリアは,お客さまにとっては大事な買い物になります。どのようなインテリアが最もふさわしいのかを時間をかけて選び,すべてが完成したときに「こういうインテリアが好きだったんです。大満足です」とよろこんでいただけると,本当にうれしく,やりがいを感じます。

スポーツとじゅつが好きだった子ども時代

スポーツと美術が好きだった子ども時代

子どものころからこうしんおうせいで,チャレンジせいしんがありました。特にスポーツが大好きで,小学校では水泳を,中学校ではバレーボール部,高校と大学ではテニス部にもしょぞくしていました。大人になってからもヨガやピラティスなどのエクササイズを行います。体を動かすと気持ちが晴れやかになるうえに,体力もつきます。げんざいの仕事もカタログや商材サンプルなど持ち物がとても多いですし,げんに足を運びさいすんをするなど,体力が必要です。大会などに向け目標をもって練習をしたこと,負けてんでもあきらめずやり続けたことなど,スポーツを通し学んだことは多かったと思います。
体育のほかに,じゅつや家庭科も好きでした。じゅつでは,そうふうしてオリジナルのものを作るのがとくでした。色や形のひょうげんふうして,自分だけのせいを出したいとしきしていたように思います。
家では高校生ぐらいになると,自分の部屋の家具の位置をえてみたり,プラスチックのゴミ箱の色が気になり,ほうそうって,部屋の色に合わせてコーディネートをしたりもしていました。「とういつ感のある部屋になった」「部屋がスッキリ見えるようになった」などと,部屋の変化を楽しんでいました。今では,お客さまから「てきなゴミ箱はありませんか」と相談されることもたびたびあります。
また小学校の低学年のころには,「しょうらい,お花屋さんになりたい」と思っていました。家の庭に花や木があり,近所には梅やさくらの大きな木があったので,春にはよく近くでながめて絵をいたりしていました。インテリアコーディネートでは,できるだけ植物も合わせてていあんしていますが,このころのかんきょうえいきょうがあるのだと思います。

インテリアを仕事にする道を選んだのは,大人になってから

インテリアを仕事にする道を選んだのは,大人になってから

わたしが初めてインテリアにきょうを持ったのは,中学生のころでした。毎朝,友達の家にってからいっしょに学校に行っていたのですが,友達を待っている間に,いつもかのじょのお母さんが読んでいたであろうインテリアざっを出してくれて,「読んで待っていて」といわれました。そのざっには,部屋のインテリアの写真がたくさんっていました。
何年もそれらのざっを見続けていたおかげで「インテリアっててきだな」と思ったのが,インテリアにきょうを持ったきっかけだったと思います。ただきょうは持ったものの,当時,インテリアコーディネーターやインテリアデザイナーは,いっぱんにはあまり知られていないしょくぎょうでした。これを仕事にするとはゆめにも思っておらず,大学卒業後は,きんゆう関係の会社にしゅうしょくしました。
転機がおとずれたのは,しゅうしょくして数年ほどぎたときでした。しゅうしょくしてからは仕事中心の生活になり,人生の中で,仕事をしている時間がめるわりあいが大きいんだなと,あらためて自分の生き方を考えたんです。「本当に好きなことを,この先ずっと仕事にしていけたらな」という思いがふくらんで,働きながらインテリアを学びたいと考えました。この思いを仲のよい友達に伝えたところ,たまたま本屋でこんな本があったよとプレゼントされたのが,『インテリアコーディネーターになれる本』という本でした。この本を読んで,インテリアコーディネーターこそが,わたしじつげんしたいゆめそのものだと思いました。そこでわたしは働きながら,この本のちょしゃであるまちひろ先生が校長をつとめるインテリアスクールの夜間コースに入学することにしました。

インテリアスクールでこうつとめるほか,インテリア教室のこうやテレビしゅつえん

インテリアスクールで講師を務めるほか,インテリア教室の講師やテレビ出演も

インテリアスクールを卒業した後は,念願がかなってインテリアのデザインしょてんしょくしました。この会社では,海外のホテルなど大きなプロジェクトをはじめ,病院,オフィス,モデルルーム,じゅうたくなど,大小さまざまなあんけんに関わることができました。図面を作成したり,げんさいすんなどをしたりと,下積みともいえる多くのけいけんをしました。やがてインテリアコーディネーターのかくしゅとくしてどくりつし,フリーランスで仕事をスタートしました。
げんざいはデザインしょの代表として,インテリアのデザイン,コーディネート,スタイリングの仕事をしながら,インテリアスクールでこうもしています。自分が生徒だったときのじょうねつを思い出しながら,今度はインテリア業界を目指す生徒に向けて,自分の仕事のけいけんも生かしながら教えています。
また,新聞社やインテリア関連ぎょう,百貨店などがしゅさいする,いっぱんの方に向けたインテリアの教室やセミナーのこうをすることもあります。例えばインテリアとグリーンのセミナーでは,季節に合った植物と部屋のコーディネートのポイントを伝えました。海外のインテリアなどをテーマに,にちじょう生活に気軽に取り入れられるノウハウをお伝えするセミナー,例えばアフタヌーンティーで有名な英国のインテリアなどもこうひょうでした。ほかにも,“ビフォー・アフター”でお部屋をかいそうするテレビ番組には多くしゅつえんしています。かなりお部屋が変わるので,住まわれている方からはとてもよろこばれます。このようにインテリアに関する仕事は色々あります。

たくさんの「自分の好きなもの」が,未来の自分につながる

たくさんの「自分の好きなもの」が,未来の自分につながる

インテリアコーディネーターやインテリアデザイナーは,ていあんしたインテリアを通じて,お客さまの未来をいっしょに作っていける,てきしょくぎょうです。近年は新しいざいがたくさん登場し,流行のサイクルも早くなってきているので,つねに新しいしききゅうしゅうし続けていく必要があります。その一方で,流行に流されず,昔からの家具を大事にすることもインテリアのとくちょうの一つです。物を作ることが好きな人,インテリアのテレビや本などを見ることが好きな人などには,この仕事にもきょうを持っていただきたいと思います。じょせいだけでなく,だんせいかつやくしているしょくぎょうです。
わたしが小学生や中学生のころは,「お花屋さんになりたい」「物を作るのが好き」という思いがあるだけでした。けれども,こういった「自分の好きなもの」を少しずつやしていくことで,インテリアにきょうを持つきっかけとなり,今のしょくぎょうにつながったのだと思います。だからみなさんも,やりたいことにはぜひチャレンジしていってください。たくさんの本を読んだり,テレビやインターネットを見たりして,きょうたいしょうを広げていくこともおすすめです。自分の好きなことやものが仕事になると楽しいと思います。おうえんしています。

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ル・コルビュジェ
魅力のある小さな家が,子どものころから好きでした。これは,建築界の巨匠ル・コルビュジェが,若かりしころに両親のために建てたわずか60平方メートルの家について書いた本です。眺めのいい場所を探し,窓から湖の景色が楽しめる家を建設したコルビュジェ。たくさんの素敵なアイディアが,スケッチや写真を交えてわかりやすくまとめられていて,今の仕事にも通じる愛読書になっています。
バージニア・リー・バートン
アメリカを代表する絵本作家の一人,バージニア・リー・バートンの傑作絵本。表紙にある小さい家の絵がかわいらしく,文章でも家の周りが時代とともに変わる様子が興味深く描かれています。お話の中で,長い時が流れても,最初に頑丈に建てられていた小さな家は,別の場所にそっくりそのまま移設することができました。お客さまに長く使っていただくインテリアを考えるうえでも,大切にしたいエピソードです。

もっと知りたいこの仕事人

取材・原稿作成:佐藤 理子(Playce)・東京書籍株式会社