仕事人

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神奈川県に関連のある仕事人
1983年 生まれ 出身地 神奈川県
信田のぶた 健介けんすけ
子供の頃の夢: 転勤のない会社員
クラブ活動(中学校): バレーボール部
仕事内容
きょうようライフルで標的の中心をねらいち,決められた時間とたまかずの中で高得点を目指す。
自己紹介
50m先にある標的(中心は1円玉サイズ)を2時間以上もねらい続けるため,集中力,にんたいりょく,折れないメンタルには自信があります。それらはつとさきの銀行でのぎょうにも大いに役立っています。
出身大学・専門学校

※このページに書いてある内容は取材日(2019年07月27日)時点のものです

1円玉よりも小さな標的をねらい続ける

1円玉よりも小さな標的をねらい続ける

わたししゃげき選手です。だんよこはまぎんこうしょくいんとして「ほうじんしょうがい」というしょで働いており,しゃげき選手としての活動は土日に行っています。
しゃげきはオリンピックにもさいようされているスポーツで,大きくは「ライフルしゃげき」と「クレーしゃげき」とに分かれています。「ライフルしゃげき」は固定された標的をライフルやピストルでって,「クレーしゃげき」は空中に放たれた動く皿をさんだんじゅうって,得点をきそいます。いずれもじつだんを使うため,「りょうじゅうくうじゅうしょきょしょう」をけいさつしんせいしてみとめられた者でないと,きょうに参加できません。
わたしが主に取り組んでいるのは「ライフルしゃげき」で,その中でも花形とされる「50mライフル3姿せい」という種目に力を注いでいます。ライフルを使い,「りっしゃ」「しっしゃ」「ふくしゃ」という3つの姿せいで,50m先にある標的をねらいます。かんたんに言えば,それぞれ「直立した姿せい」「かたひざ立ちの姿せい」「地面にせた姿せい」です。せいげん時間は2時間45分。その間にかく姿せいで40発,合計120発をち,合計得点をきそいます。
どうしんえんじょうの標的は直径約20cm。内側ほど高得点にせっていされており,中心をけば10点となります。中心の直径は1円玉よりも小さく,約1cmしかありません。長時間にわたって小さな標的をねらうため,集中力とにんたいりょくが必要です。

年間を通じて大会がある

年間を通じて大会がある

しゃげきにはオフシーズンがなく,1年を通じて大小さまざまな大会が行われています。わたしの場合,へいきんすると月に1回は大会に参加しています。地方でかいさいされるときは,試合の前日に会場近くのホテルに宿しゅくはくし,しっかりとすいみんをとるようにしています。当日は,試合が始まる2時間前までに朝食をませます。すいみんや食事に気をつかっているのは,ベストコンディションで試合にのぞむためです。
試合中の時間は,選手が自由にペース配分できます。「50mライフル3姿せい」では,1つの姿せいち終えたら,きゅうけいをはさむなどして次の姿せいそなえます。試合への集中力はたもちつつ,気持ちを少しゆるめることで体をリラックスさせるのです。わたしの場合,約2時間で120発をち終えます。
試合しゅうりょうは,その日のうちにたくへ帰ります。じゅうや,しゃげきようのウェア,グローブ,シューズなど,荷物が重く,かさばるため,車でどうすることがほとんどです。
試合のない週末は,がわけんはらさんろくにあるしゃげきじょうに向かいます。午前8時半ごろから,昼食をはさんで15時くらいまで,一人でもくもくと練習を続けます。練習中は,ずっと標的をち続けているわけではなく,姿せいかくにんをしたり,じゅうの持ち方を変えてみたりと,よりよいせいせきにつながるためのヒントをさぐっています。ときには選手仲間と,試合形式で練習することもあります。

いかにミスをなくすかが問われるきょう

いかにミスをなくすかが問われる競技

「50mライフル3姿せい」の場合,10点×120発で1200満点となります。じっさいに1200点を記録した選手は,まだいませんが,トップ選手の場合,1150〜1180点の間できそい合っています。つまり120発のうち,100発近くは10点のゾーンをいているのです。いかに得点を重ねるかと言うより,いかにミスをなくすかが問われるきょうと言えるでしょう。ぎゃくに,自分がこうありたいというプレーができていれば,かならず点数に結びつくきょうとも言えます。
このきょうに求められるのは,1発つごとに,な動きをはぶき,同じ手順をかえし,同じ結果を出すこと。手元が1ミリずれるだけで,50m先の標的を大きく外してしまうからです。理想は毎回機械のようなせいかくさでたまめ,じゅうかまえたらピタリと動きを止めてつことです。
わたしは得意な「ふくしゃ姿せいでのきょうなら国体でゆうしょうしたこともありますが,「50mライフル3姿せい」では3姿せいのいずれも同じようにてないと世界のトップには近づけません。わたしの課題は「りっしゃ」で,りっしゃは体の重心が定まりにくく,長くち続けているとつかれによってだんだん姿せいくずれていくのです。

35さいのいまが,いちばんうまい

35歳のいまが,いちばんうまい

試合で良い結果を出せたときは,やはりうれしいです。ずっとしゃげきを続けていてよかった,次の試合ではもっといいせいせきを出してやろうと,前向きな気持ちになります。良い結果が出せた試合は,体感的にあっという間に終わるものです。スポーツ選手がよく口にする「ゾーン」に入ったじょうたいなのでしょう。最高点を出せた試合は,どれだけち続けてもすべて中心に当たるような感覚でした。
ちなみに大会でゆうしょうしても,ほとんどの場合,賞金はありません。試合や練習で使うたまこうにゅう,交通費などは,すべてたんです。じゅうやウェアは何十万円もしますし,たまだいは1発が約40円,1回の練習で200発ほどつので,それだけでも約8000円かかります。たんにはなりますが,しゃげきが好きだから続けています。
16さいからきょうを始めて,35さいのいまが,いちばんうまいと思っています。やればやるだけ上達するのがおもしろくて,やめられないのです。そして,まだまだびしろがあると思っています。しゃげきでは,世界をわたしても40さいえてかつやくしている選手がたくさんいます。わたしもそうした選手たちのように,いつまでもかつやくしたいと考えています。

しゃげき選手には強いメンタルが必要

射撃選手には強いメンタルが必要

しゃげきは,メンタルのじょうたいが結果に大きくえいきょうするきょうです。たいかんきたえて姿せいを安定させるなど,肉体の強化もあるてい必要ですが,集中力を切らさない強いメンタルが選手にはぜったいに欠かせません。仕事で気がかりなことがあるようなときは,やはりきょうにもひびきます。そのため,試合の日はできるだけ他のことはわすれて,きょうに集中するようにしています。幸い,気持ちのえは得意なほうです。試合の朝には,自然と試合モードのスイッチが入っています。
つらいのは,思い通りのプレーができないときです。調子が良くないときは,試合中にげんいんめ,しゅうせいしていかなければなりません。じゅうかまかたがいつもとちがっていた,というような理由であればしゅうせいのうですが,これといったげんいんが見当たらないケースもあるのです。そういう日は,自分でも気がつかないほど,わずかなメンタルの不調があるのかもしれません。
試合が終わると,体よりもせいしんがどっとつかれています。マラソンを走ったあとのようなつかれとはちがい,たとえるなら,何時間もパソコンに向かって集中して仕事をしたあとのろうつかかたです。

しゃげききょうを始めるには

射撃競技を始めるには

しゃげききょうは,なんさいからでも始められます。たまはっしゃしない「ビームライフル」と「ビームピストル」なら,しゃげきじょうに行けばだれでもプレーできます。10さい以上,18さい未満で,火薬を使わずにたまはっしゃする「エアライフル」と「エアピストル」を使う場合,かくが必要となります。
火薬を使ってたまはっしゃするじゅうできるのは18さい以上,クレーしゃげきで使うさんだんじゅうは20さい以上からです。じゅうを所持するためには,けいさつの機関「公安委員会」でこうしゅうを受け,こうしゅうしゅうりょうしょうめいしょを交付されることが必要です。一つのじゅうに対して一つのきょしか得られません。だから,所持きょのある人でも,他人のじゅうを使うことはできないのです。またたくに,じゅうたまかんするせんようのロッカーをせっすることもづけられています。一度所持きょを得られても,3年ごとに使用じょうきょうなどのチェックを受け,こうしんしていかなければなりません。それがめんどうで,しゃげききょうをやめていく選手もいます。
このように,じつだんはっしゃするじゅうを使う場合はきびしい手続きが必要ですが,しゃげきたいかくせいべつに関係なく,だれもが取り組めるきょうです。足がおそくても,ものを遠くに投げられなくても,泳げなくてもだいじょうきょうを始めるねんれいに,おそすぎるということもありません。10代と60代の選手が,同じじょうけんきそい合えるきょうです。こうした間口の広さも,しゃげききょうりょくと言えるでしょう。

きょう活動にかいのあるしょく

競技活動に理解のある職場

わたししゃげきを始めたのは高校生のときです。中学校ではバレーボール部で活動していましたが,高校では何かちがうスポーツをやってみたかったのです。入学した高校にはしゃげきがあると聞き,きょう本位で入部したところ,とてもおもしろく感じました。もちろん最初から上手にてたわけではありません。いっしょに入部した10人弱の中でも,いちばん下手だったと思います。自分で上達法を考えながら練習に取り組んだおかげで,最終的には県内の高校生で5番手くらいの実力をつけることができました。
大学でもしゃげきしょぞくし,卒業後もこのままきょうを続けようと考えました。しかし,大会のかいさいされる土日に休めて,だんの練習をするしゃげきじょうへ通える場所に住んでいないと,働きながらきょうを続けることはできません。わたしきんする よこはまぎんこうがわけんきょてんとしているため,遠い県にてんきんすることはありませんし,ほんてきぎょうは平日です。しゅうしょくさきよこはまぎんこうを選んだ理由の一つは,きょうを続けやすいそうしたかんきょうがあったからです。それに,よこはまぎんこういっしょに働く人たちは,わたしきょう活動をいつもおうえんしてくれています。国体でゆうしょうしたときは,社内でひょうしょうもされました。かいあるしょくで,選手としてはとてもめぐまれていると感じています。

あせらず,自分のペースでコツコツと続けよう

あせらず,自分のペースでコツコツと続けよう

スポーツや習い事など,何かを新しく始めたとき,すぐに上達する人と時間のかかる人がいます。わたしは時間がかかるほうでした。自転車,水泳,スキーなど,どれも最初から上手にできる子どもではありませんでした。最初はあまりできなくても,コツコツと練習を続けることで,ゆっくりと上達するタイプだったのです。
いま取り組んでいることがなかなか上達しない人も,かんたんにあきらめないでください。人によって成長するスピードはことなるものです。あせらず,自分のペースでコツコツと続けましょう。そのさい,「こうしたらうまくなるんじゃないかな?」と,自分なりにふうをしながら取り組むことも大切です。
まだ熱中できるものが見つかっていない人は,こうしんを持って自分のまわりをわたしてください。たとえば食べることが好きなら,食材や調理法に目を向けてみると,そこから料理にきょうを持つかもしれません。そうしたきっかけとなるものが,さがせばだんの生活の中でもたくさん見つかるはずですよ。

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大学受験のとき,現代文の試験で河合隼雄さんの著書から問題が出されていたことをきっかけに興味を持ち,手に取りました。仕事でうまくいかないときに一度立ち止まり,この本を読み返すことで,活力や考え方のヒントをもらっています。

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勤務先
取材・原稿作成:尾関 友詩(ユークラフト)・東京書籍株式会社/協力:横浜銀行,神奈川県立 伊勢原射撃場