仕事人

社会にはいろいろな仕事があるよ。気になる仕事や仕事人をたくさん見つけよう!

東京都に関連のある仕事人
1975年 生まれ 出身地 千葉県
虎石とらいし 真弥まみ
子供の頃の夢: グランドスタッフ
クラブ活動(中学校): バドミントン部
仕事内容
アスリートのコンディションを食・栄養面からサポートする。
自己紹介
オンオフのえを大事にしています。文字を書くことがとても好きで、筆記具やノートを集めたり、それにまつわるざっなどを読んだりするのが好きです。

※このページに書いてある内容は取材日(2022年11月18日)時点のものです

アスリートのパフォーマンスを栄養面でささえる

スポーツえいようというのは、アスリートをたいしょうに活動するえいようです。きょうかつやくするアスリートが、どのようにして体をベストなじょうたいにもっていけるか、それを栄養面からアシストするのが主な仕事になります。具体的には、何をどう食べて毎日の試合や練習でちくせきするろうかいふくしていくか、ケガをしたときにどう治していくかなど、日々のコンディションを食からアプローチしていきます。わたしは今、埼玉西せいライオンズで栄養サポートを行っていますが、特に体が細いわか選手は、体重やきんにくをしっかりやすことが求められます。このような体づくりが必要なときに、どうやって食から体をつくっていくかをアドバイスします。すいをしたい選手にはレシピをていきょうしますし、料理を作ってくれる方がいる選手であれば調理たんとうされる方へ向けたレシピをおわたしします。コンビニエンスストアや外食が中心の選手には、どのようなものを買ったり食べたりしたらいいかをしめします。ライフスタイルはそれぞれちがうので、その選手に合った形で、にちじょうの食事がトレーニングのいっかんとなるようなしき付けをしていくことがわたしの仕事だと思っています。

チームに帯同し、栄養サポートを行う

チームに帯同し、栄養サポートを行う

げんざいは、埼玉西せいライオンズのファーム(2軍)をたんとうしていますが、チームに帯同するさいは、練習や試合中の選手の動きをかくにんしたり、しょくかんきょうせいや食事中のアドバイスなどのほか、えんせいがあれば、宿しゅくはくするホテルのスタッフや調理たんとうしゃとメニューの打ち合わせを行います。またチームでは定期的に体組成けいそくけつえきけんじっしていますが、の結果におうじて、問題点を明らかにして、かいぜんさくいっしょに考えたり、栄養じょうほうの発信として、けいぶつを作成したり、レクチャー(こう)をしたりすることもあります。
宿しゅくはくともなうキャンプでは、すべての食事を共にできる場であるため、選手がどのような食べ方をするのかといった食けいこうをリサーチすることができ、かいぜんが必要な場合には、具体的なアドバイスを行うこともできるという点でじょうゆうな機会となります。

チームプレーで選手をサポートする

チームプレーで選手をサポートする

仕事をするうえで、スタッフとたくさん会話をすることを心がけています。例えば、選手がとるしょくを用意するさいにも、「どこにせっすれば、選手の動きをさまたげずにこうりつよくとることができるか?」をみなで話し合って考えることもあります。スポーツのげんだけでなく、どの仕事でも同じことが言えますが、相手(選手)が何を求めているのかをあくするためにも、関係するスタッフでより多くのコミュニケーションをはかりながらいっしょに考えていくことが大事だと思います。わたしたちに求められているのは「チームで選手をささえていくこと」です。選手だけでなくかんとくやコーチ、スタッフたちと話す中で、あいもない会話からいろいろ引き出せることもあります。だからこそ、れんけいの重要さというのを日々実感しています。そのようなれんけいの中でる選手のじょうほうも多く、選手とのコミュニケーションで活用することができます。

アスリートだからこその栄養どうむずかしさ

アスリートだからこその栄養指導の難しさ

スポーツ選手の栄養どうというのは、つうの人への栄養どうとはことなる部分が多くあります。特に体をつくるために、体重をやさなくてはいけないときが大変です。なぜなら、かれらはほんてきに毎日練習で体を動かしているので、動く量があっとうてきに多く、しょうするエネルギー量(カロリー)に食事からとるエネルギー量が追いつかないからです。つうの食事だと体重がげんしょうしてしまうことが多いです。それがちくせきしていくと、体づくりだけでなくせいしんめんにもトラブルが発生するなど、へいがいが生じてくるんですね。そういったことが起こらないよう、未然にどうふせぐか、うまくささえるたいせいをつくるかということが求められます。選手とも、ただ「体重をこういうふうにしたい」という会話だけではなく、なぜそうしたいのか、体づくりへのモチベーションが低下しないよう、それをすると一軍でプレーするときにどうつながっていくのかという話もします。また「以前このくらいの体重のときはどうだった?」など、体重の数字一つでもなるべく会話を広げて、そこからやるべきことをていしていけるよう心がけています。

選手のしきが変わったしゅんかんが何よりうれしい

わたしわかいころからだんせいアスリートの栄養サポートに関わることが多かったです。今では選手たちのお母さんに近いようなねんれいになっているのですが、だからこそ、選手とのきょ感を大切にしています。わたしそんざいが、「」にならないよう、何かをどうするときにも、いろいろと考えながら、言葉を選ぶようにします。選手のなりたい姿すがたが何なのか、どこを目指しているのか、そのためにかれらが大事にしていることは何なのかをていねいに聞き出し、じっせんできるようなみちびきができるように心がけています。選手と日々せっする中で、選手から「食事のじゅうようせいがわかった」「まずは食事をきちんと考えていこうと思う」といった気づきが見られたときは、とてもうれしいです。

アメフト部トレーナーのけいけんからスポーツえいよう

実はもともと目指していたのはスポーツえいようではなく、アスレティックトレーナーでした。全米アスレティックトレーナーズ協会のにんていトレーナーかく(NATA-ATC)を目指し、大学時代はアメリカンフットボールで学生トレーナーとしてじゅうしていましたが、何をやっても次から次へとケガ人がえるじょうきょうに直面しました。チームドクターとチームの問題点をさぐる中で、もしかしたら食事がげんいんではないかということに行きつきました。当時、選手たちは、練習が終わるとたんさん飲料を飲み、カップラーメンを食べて、タバコをう……といったじょうきょうで、日々の食事と体づくりを結びつけて考える人はほとんどいませんでした。そこからは、ありとあらゆる角度から、選手に対して、食行動を変えるためのアプローチをしていったのを覚えています。「体はその人が食べたものでつくられている」、そんな当たり前のことをわたし自身もさいにんしきし、食べるものにフォーカスをすることによる選手のコンディションの変化ののうせいきょうをもち、スポーツえいようの道をせんたくしました。

ひかえめだけれど、目標に向けてすすむ子

子どものころはどちらかというと、ややひかえめなせいかくだったと思います。ねんれいを重ねるごとに、自分のせいかくをどう仕事に生かせるかということを考えるようになり、大学のころにはばくぜんとスポーツのげんで働くことを決めていました。ただスポーツえいようの道を進むことを決めてからは、目標をじつげんするために努力をしまなかったと思います。何か目標を決めたら、なっとくいくまでやりげるせいかくは今も同じかもしれません。自分のしょうらいの道を決めたアメリカンフットボールというきょうも、実はきょうのことは何ひとつ知らず、いきおいだけでげんんだ世界でしたが、結果、その先何十年と続くげんしょくの原点となり、どのような場所であっても、そのかんきょうでどう自分らしく生きるのかを学んだ場となりました。

スポーツえいようがもっと働きやすいかんきょうじつげんしたい

今、わたしが取り組んでいる課題は、スポーツえいようという仕事がきゅうしていくためのかんきょうをどうつくるかということです。こころざし高いえいようの方もえていますので、多くの方にこのしょくぎょうかいしていただき、働きやすいかんきょうをつくっていかなければなりません。また、けいけんがある人がずっと第一線にいるのではなく、次世代の方がもっとかつやくできるかんきょうをつくっていきたいです。これを読んでくれている方へお伝えしたいのは、「ごろからさまざまなことにアンテナをっておいてください」ということです。わたしが何も考えず、アメリカンフットボールの世界にんだように、みなさんが少しでもきょうをもったもののその先には、とてもてきな世界が待っているかもしれません。ぜひその気持ちを大切にしてください。

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私のおすすめ本

渡辺和子
とにかく無我夢中でスポーツ現場の仕事をしていた20代のときに、職場の仲間から贈られた一冊。次から次へと直面する課題や環境にどういう心持ちでいることが大切なのかの道しるべとなる本です。
取材・原稿作成:リーブルテック/川口有紀(フリート)/東京書籍株式会社