仕事人

社会にはいろいろな仕事があるよ。気になる仕事や仕事人をたくさん見つけよう!

東京都に関連のある仕事人
1968年 生まれ 出身地 東京都
大塚おおつか めぐみめぐみ
子供の頃の夢: バレリーナ
クラブ活動(中学校): バドミントン部
仕事内容
花を通して,人と人の心をつなぐ。
自己紹介
毎日,楽しんで仕事をしています。休みの日は愛犬とお出かけするのが楽しみで,犬といっしょにランチができる場所に行ったり,ちょっと遠出して犬と宿しゅくはくできるホテルに行ったりして,元気をじゅうでんしています。

※このページに書いてある内容は取材日(2019年07月24日)時点のものです

花を仕入れ,お客さまに売るためのじゅんをする

花を仕入れ,お客さまに売るための準備をする

わたしとうきょうだちで「ベル・フローラ」という花屋さんを夫といっしょけいえいしています。わたしは生花やフラワーアレンジメントなどをたんとうしています。
生花の仕入れがある日は,まず朝一番に市場に花を仕入れに行くところから仕事が始まります。都内にも何か所か生花の市場はあるのですが,わたしが通っているのはとうきょうちゅうおうおろしうりじょうの一つであるきただちじょうです。市場に行く日は朝5時ごろに起き,6時すぎにたくを出発。7時に市場がオープンするので,その時間に合わせる形です。市場に着いたら,生産者さんからどんな花がしゅっされているかを,セリに出される前にチェックしていきます。なかおろし業者さんから買うこともありますし,自分でセリに参加し,せんちょくせつ自分の目でチェックして買うこともあります。
100本から200本単位で花を仕入れ,お店にもどってくるのは大体10時ごろ。仕入れがある日は11時にお店を開けるので,開店前までに花を商品として売るためのじゅんをしていきます。な葉っぱを取ったり,バラのトゲを取ったり,長持ちさせるための「みずげ」という作業があります。みずげは花の種類により,必要な作業がちがい,例えば花によってはくきを熱湯やミョウバンえきける必要があったり,ハサミではなくたたいたり,手でくきを折ったりするものがあります。花は生産者さんがしゅっするときは,全部開ききったじょうたいではないんです。仕入れてきてから,こういったしたしょをすることできれいに花が開き,お客さまにはんばいできるじょうたいになります。とても大切な作業です。

注文品を作ったり,レッスンを行ったりすることも

注文品を作ったり,レッスンを行ったりすることも

仕入れはつうじょうだと月曜日と金曜日,いそがしい時期には月・水・金の週3回,行います。仕入れがない日は,9時ごろお店に着き,じゅんをして,10時に開店します。店では,花を買いに来られた方へのたいおうはもちろん,注文された花束やリースなどを作る作業をしています。
ほんてきにはオーナーである夫と2人でお店を回しており,切り花とアレンジメントはわたしたんとう,夫はお店のウェブページの作成やインターネットでの問い合わせへのたいおう,観葉植物やらんなどの「はちもの」の植物の仕入れ・はんばいや,お客さまへの配達をたんとうしています。また,お店ではわたしこうつとめるフラワーアレンジメントとプリザーブドフラワーのレッスンを水・木・日にかいさいしています。つきがわりで作る題材を決め,1〜4人の生徒さんとお店で作っていきます。来られる方に楽しんでもらえるよう,どんなものを次のレッスンのテーマにするか,季節に合わせた題材を考えていくのも仕事の一つです。
他にも,レストランなどで手作りのけっこんしきを挙げられる方が最近はえてきているので,そういった方々からブーケや会場そうしょくなどの注文が入ることがあります。お客さまのイメージやリクエストをお聞きし,当日着られるドレスのデザインやはなよめさんのふんなどに合わせながら,ブーケのデザインやプランを考えていきます。

水をあつかう仕事なので,冬場はつらいことも

水を扱う仕事なので,冬場は辛いことも

水をあつかう仕事なので,やはり冬場の水の冷たさはきびしいです。冬は空気がかんそうするのでれもひどくなる時期ですが,わたしたちはハンドクリームを使うことができません。ハンドクリームをってしまうと,花束のラッピングに使うとうめいセロファンによごれがついてしまうからなんです。だから冬場はどんなにれがつらくても,ケアできるのは夜,たくに帰ってる前だけ。ハンドクリームをって,綿めんぶくろをしてるようにしています。
仕入れたじょうたいの花はボリュームがあるので,持ち運ぶのはとても大変です。また,毎日,ちんれつされている花の水をえたり,水の入ったじょうたいのものをえたりするので,かなりの重さのものを持ち運ぶことになります。花に囲まれてはなやかな仕事に見えるかもしれませんが,実はけっこう,重労働なんです。
生花店は,年間を通してじゅようがある仕事です。1月は成人式のかみかざり,3月は卒業式,4月は入学式。5月は母の日,6月はけっこんしきが多くなります。7月,8月はおぼん,9月はおがんがあるので,ぶっじゅようが高まりますね。12月になるとお正月のじゅんでまたいそがしくなります。一番いそがしいのは3月と12月で,この時期は休みがなかなか取れないことも多いですね。

お客さまに喜んでもらえるのが何よりの原動力

お客さまに喜んでもらえるのが何よりの原動力

一番やりがいを感じるのは,お客さまに喜んでもらえたときです。自分が作ったアレンジメントや,おすすめした花がお客さまに喜んでもらえた,そのしゅんかんはとてもうれしいですね。アレンジメントはお客さまの予算とイメージを聞いて花を選んでいき,最後にラッピングを選んで完成するんですが,「できました」と言ったときのお客さまの喜びのがお,これがやはり日々の「がんばろう」という気持ちにつながっているような気がします。受け取っていただける方にも喜んでいただきたいですし,でき上がったものに満足してうれしそうなひょうじょうをしていただけると,わたしもうれしいです。
また,けっこんしきそうしょくとブーケをたんとうしたときには,けっこんしき当日の写真を後日持ってきてくれるお客さまもいます。「よかったです」と言ってもらえると,その一言がもう本当にうれしいですね。

花屋さんは「心に残るもの」に関われる仕事

花屋さんは「心に残るもの」に関われる仕事

花というのは,人と人とが気持ちを伝えられるものだと思うんです。人にプレゼントする花には,「喜んでもらいたい」という気持ちがこもっていますよね。だから,どんな花をおくれば,おくられた方に喜んでいただけるのか。それをお客さまの言葉の中からなるべく引き出せるよう,いつも心がけています。中には,「どんな花束を作ったらいいかよくわからないからおまかせで」というお客さまもいます。だんせいに多いのですが,そういうときはおくる相手のふんや好みなどを聞いていき,コミュニケーションをとりながらアレンジメントを作るようにしています。そうすると,最初は「おまかせ」と言っていた方が,最後にはしんけんにラッピングの色を選んでいる,なんていうこともよくあるんです。おくられる方のがおそうぞうすると,こちらもうれしくなりますね。
お客さまによく言われるんですが,花は「ずっと心に残るもの」なんですね。例えばプロポーズされたときにわたされた花束が一生わすれられないとか,二十歳はたちたんじょうのときに両親からこういう花束をもらったとか……。そんな,心に残り続けるものに関わる仕事だからこそ,一つ一つの作業を大切にしていきたいと思っています。

生花店で生まれ育ち,自分の店を持ちたいと思うように

生花店で生まれ育ち,自分の店を持ちたいと思うように

もともと,母親が生花店をけいえいしていたんです。それで,おさないころから花に囲まれた生活をしてきましたし,自然と花に関するしきも身につきました。実家が生花店だと,いそがしい時期には手伝うことが当たり前ですし,例えば花が欠けてしまって売り物にならないものなどはたくかざったりもしていたので,生活の中につねに花があるのが当たり前だったんです。そんな生活の中,働く母を見ながら,自然と「わたしだったらこんなお店にしたいな」という気持ちがいてきたんです。いつか自分の店を持ちたい,そんな気持ちが高まり,高校卒業後は生花店にしゅうしょくを決めました。
しゅうしょくした店はてんでのはんばいもありましたが,あかさかぎんの飲食店にかざる花をあつかうのがメインのぎょうでした。切り花などを積んで車でお店に行き,開店前にお店の中をかざけるという仕事です。たくさんのお客さまに見られますし,そうしょくにもはなやかさが必要だったので,そこで働いていたけいけんはとても勉強になりました。
その後,けっこん,出産を機にその生花店は退たいしょくしたのですが,子育てがいちだんらくをしたとき「自分はこれから何をしていこうか」と考え,「自分のお店を持ちたい」という昔からのゆめおもいたりました。ブランクもあったので,さい,花の勉強などをしながら,夫といっしょに6年前に今のお店をオープンしました。

毎朝,教室にかざっていた一輪の花が原体験

毎朝,教室に飾っていた一輪の花が原体験

中学校のときには電車通学をしていましたが,ラッシュの時間帯をけて早めに学校に向かうと,朝一番に教室に着くことが多かったんです。でも,教室がなんだかさびしく感じられることがあって。わたしは家に花があるのが当たり前の生活だったので,やっぱり花が一輪あったほうがいいなと思ったんです。それで,家から花を持っていって,先生のつくえの上に花を一輪,かざるというのを卒業まで,毎日続けたんです。なんとなく始めたんですが,そうすると先生も喜んでくれるんですよね。花で人に喜んでもらえるという原体験は,そこにあるような気もします。
学校では,じゅつじゅぎょうはとても好きでした。高校のとき,じゅつの先生は「色使いがいい」など,わたしのことをいろいろめてくれることが多くて。あのときに自分のことをみとめてくれる,めてくれる先生がいたということはとても大きかったと思います。また,じゅつじゅぎょうで学んだしきさいの合わせ方や,色使いをめられたことが,今の仕事にも大きくえいきょうしていると思います。

あきらめず,どんなことにもチャレンジしてほしい

あきらめず,どんなことにもチャレンジしてほしい

わたしは自分のお店を開きたいというゆめを子どものころから持ち,それをじっさいじつげんできました。やはり「けいぞくは力なり」で,一つのものごとを続けていくことは大きな力になります。また,どんなことでもチャレンジして,一歩前に進む力を持つことも大事です。みなさんも,好きなことがあったら,あきらめずに,どんどんチャレンジしてください。
また,どんなことでも“楽しむこと”を大切にしてほしいです。わたしも今,仕事をしていて,もちろんつらいこと,大変なことはあります。でもやっぱりお客さまに合わせてアレンジメントを作ったり,お話をしたりするのがとても楽しいんですね。好きなことを仕事にできたからこそ,楽しむことができているのかもしれません。ぜひ自分の好きなこと,楽しめることを見つけてほしいと思います。

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取材・原稿作成:川口 有紀(フリート)・東京書籍株式会社/協力:城北信用金庫