仕事人

社会にはいろいろな仕事があるよ。気になる仕事や仕事人をたくさん見つけよう!

静岡県に関連のある仕事人
1972年 生まれ 出身地 静岡県
藤原ふじわら 慎一郎しんいちろう
子供の頃の夢: 家やお店をつくる人
クラブ活動(中学校): 野球部
仕事内容
心地よく過ごせる家をデザインする
自己紹介
好きな事が仕事になったので、ずっと仕事の事をしている様なものです。具体的にはカフェめぐり、美術館めぐりなど。犬と過ごすのも大好きです。

※このページに書いてある内容は取材日(2006年10月13日)時点のものです

家やお店をデザインする

家やお店をデザインする

カフェやレストラン,美容室(びようしつ)などの店舗(てんぽ)をデザインするのが(わたし)の仕事です。(ゆか)(かべ)は何を使ってどのような空間にするか,テーブルや家具はどんなものをいくつどこに置くか,照明(しょうめい)はどんなものを使うか,外観はどうするか,トイレはどんな空間にしようか,ディズプレイのデザインはどうするかなど,お客さんの要望に合わせて絵を()きながら提案(ていあん)します。初めは家のデザインはするつもりはなかったのですが,友人の翻訳家(ほんやくか)さんに家のデザインをして()しいと(たの)まれて仕事をしたのがきっかけで家のデザインもするようになりました。家が出来た時「オープンハウス」と()ばれる,お友達やお仕事仲間,親戚(しんせき)の方などを()んで出来た家を見てもらう日があります。初めての事だったので人が集まるのか?と不安に思っていましたが,なんと300人もの人が(わたし)のデザインした家を見に来てくれたのです!ほんとに(おどろ)きましたね。とっても(うれ)しくて自信にもなりました!

家のデザインのスタートは「好きなことは何ですか?」

家のデザインのスタートは「好きなことは何ですか?」

好きなこと・好きなものはなんですか?(わたし)が家のデザインをする時は,お客さんの好きな事や好きな音楽,好きな服,好きな食べ物,好きな家具,どんな家に住みたいかなどを1ヶ月くらいかけて聞きます。そうして出来たイメージを,実際(じっさい)に家やキッチンやリビング,寝室(しんしつ)などの絵というカタチにして,お客様に見せます。建物がカッコイイとか,デザインが(すぐ)れている事も大切ですが,何よりも住む人が喜んでくれるものをデザインしたいと思っています。(わたし)は今でもパソコンではなく自分の手で()くことがほとんどです。そのデザインを元に一級建築士(けんちくし)さんに設計(せっけい)をして(いただ)いて建てるのですが,設計(せっけい)に入るまで1年から数年かかることもあります。「デザイナー」は一見(はな)やかな仕事に見えるかもしれないですが,完成までの道のりも長く,(わたし)は,職人(しょくにん)さんと一緒(いっしょ)に道具を持って仕事をしたり,家の(かべ)()ったり,椅子(いす)を作ったり,といった仕事もしています。

地元で仕事をしようと決めていた

地元で仕事をしようと決めていた

(わたし)がこの仕事を選んだ理由は「好きだから」。これってすっごく幸せな事ですね。小さい(ころ)模様(もよう)()えが好きだった事と,よく家の絵を()いていたことが影響(えいきょう)したのかもしれません。絵を習っていた(わけ)ではないので,家をどう()くかは自分で考えていました。「デザイナーになる!」って学校の先生に言っていたみたいですね。(わたし)はあんまりよく覚えていませんが(笑)。デザイナーとして働く場所は,沼津(ぬまづ)と決めていました。ロンドンでもNYでも東京でもなく,沼津(ぬまづ)。地元に自分の仲間が集って,美味しいものを食べて,楽しく()ごすことをずっとイメージしていたんです。一人っ子で長男だったので,家を()がなければいけないし,親の面倒(めんどう)も見なければいけない。だから,地元で仕事をするのは最初から決めていたんですよ。

ロンドンのデザイナー育成学校で,,,

ロンドンのデザイナー育成学校で,,,

(わたし)はデザインの勉強をする(ため)に,ロンドンのデザイナー育成学校に通っていました。ロンドンに行こうと決めたのは,ただの(あこが)れからでした。デザイナー育成学校の面接(めんせつ)に受かったものの,最初は英語も話せず大パニックでした。日本人の()ない場所に住めば英語も話せるようになるかなと思ってケンブリッジという町にたどり着き,毎日2時間かけて学校に通っていました。「よく通った!」と,()められましたよ・・・遠かったので。学校は50人クラスで,半分はデザイナーや建築家(けんちくか)の仕事をすでにしている人達でした。最初は授業(じゅぎょう)についていけなかったですね。でも,この学校を卒業しなければ先はないと思って,絶対(ぜったい)(あきら)めませんでした。入学当初は50番だった成績(せいせき)が,卒業の時には6番!すごく大変でしたよ。でも,苦労した(わけ)じゃありません。それを乗り越(のりこ)えた先しか見えていないから,苦労とは感じなかったんです。

できることを少しずつ増やしていく

できることを少しずつ増やしていく

(わたし)は,デザイナー育成学校に通っている時,球の絵を毎日()き続けました。球を()くのって色々(いろいろ)要素(ようそ)が組み合わさっているから,基礎(きそ)が出来ていないと全く上手に()けないんです。授業(じゅぎょう)では,Foundation(基礎(きそ))が一番楽しかったですね!だって,応用(おうよう)基礎(きそ)基礎(きそ)との組み合わせ。だから基礎(きそ)がちゃんとできるようになると,応用(おうよう)理解(りかい)できるようになる!それを実感出来るのがとっても楽しかったんです!自分のやりたい事,なりたい職業(しょくぎょう)が決まったら,それに向けた準備(じゅんび)が必要です。明確(めいかく)準備(じゅんび)が出来れば,(ゆめ)(かな)えられます。将来(しょうらい)の自分の(ため)に,今やるべき事を一生懸命(いっしょうけんめい)完璧(かんぺき)にやる。今日より明日,今年より来年,少しずつでもいいから出来る事を()やしていけば,どんどん次のステップに(つな)がっていくんです。

本気で仕事をする仲間

本気で仕事をする仲間

デザインの仕事を始めたばかりの(ころ)はまだあまり仕事が無かったので,自分でカフェを開いて運営(うんえい)していました。人が集まるようになるまで苦労しましたが,カフェをきちんと運営(うんえい)できるようになってお客さんの立場に立って物事を考えられるようになりました。カフェで働いたことがあるからこそ,イメージをカタチにできるんですよね。カフェの運営(うんえい)は本当に大変でした。でも,それが分かるからこそ,本気で自分のお店を流行らせたい!こんなに良いものを出している!というこだわりとやる気を持った人からの仕事を受けて,その人たちが必要としていることに(こた)えたいと思っています。そうやって仕事で(つな)がった仲間は,お(たが)いのお店を行き来したりお客さんに紹介(しょうかい)したりコンサートを企画(きかく)したりしているうちに,プライベートでも仲良くなっていきます。そうした(つな)がりは,どんどん大きくなっていっています。相手を(みと)め,尊重(そんちょう)すること。これがお(たが)いに出来る相手だからこそ,素晴(すば)らしい仕事ができるんですね。幸せなことだと思います。

感性を磨(みが)く

感性を磨(みが)く

デザインをする時,最近は考え込(かんがえこ)むことはあまりありません。相手を見ただけでもイメージは()かぶんです(笑)。そして,お客さんの話や希望を聞いていくと,さらにイメージが()かび,カタチに変わっていく。それは才能(さいのう)か?というと,そうではないと思います。色んな事を見たり聞いたりして感性(かんせい)(みが)く事が大切です。経験(けいけん)を積んだ今でも,いいお店があると言われればどこにでも見に行きますし,色んな音楽を()いたり,自然に()れたり,花や食べ物の(かお)りを意識(いしき)したり,友人の話を聞いたり,美味しいものを食べたり,いつも五感で使って自分の中にいっぱいアイデアの種を多く持つ事で,イメージをカタチに変えていけるのです。つまり自分の中に多くの「引き出しを持つ」っていうことですね!(わたし)が「最高!」と言えるデザインが出来るのはきっと70(さい)位になった時でしょう。だってそれまでに作った引き出しをたくさん持っているんですから!

「愛」が大切!

「愛」が大切!

仕事で大切な事は何かって?それは「愛」ですよ。愛がなければ,人のための仕事は出来ません。その(ため)には,まず家族を幸せにすること。仕事に夢中(むちゅう)になりすぎるといろんなことを(わす)れてしまうんですよ。(やさ)しさを(わす)れてしまう。親の存在(そんざい)や,おじいちゃんおばあちゃんの存在(そんざい)とか墓参(はかまい)りも(わす)れてしまう。感謝(かんしゃ)の気持ちを(わす)れてはいけないんです。感謝(かんしゃ)の気持ちや愛があれば,人のための仕事でもいい仕事ができるのです。ここ2~3年,やっと仕事が楽しくなりましたが,朝から(ばん)まで仕事ばかりで大変な時期もありました。本当にきつかったんですよ。でも,4年前に結婚(けっこん)したことで,なるべく夫婦(ふうふ)の会話を()やそうとか,団欒(だんらん)の時間を()やそう,仕事は7時までに終わらそう,と気をつけるようになりました。仕事はその分,朝早く起きてやればいいだけですからね。

頑張っただけ,きっとご褒美がある

頑張っただけ,きっとご褒美がある

(みな)さんは笑っていますか?(おこ)って()ごすのも一日,笑って()ごすのも同じ一日。だったら,笑って()ごした方が幸せですよね?笑っていると人が集まってくるんですよ~(笑)。だって,(おこ)った人の所には近寄(ちかよ)りたくないでしょ?笑っているためにはどうしたらいいかって?それは,何でも楽しんじゃえばいいんです。何でも夢中(むちゅう)になって()しい。今から(ゆめ)を決めるのは(むずか)しい事だろうから,一日一日を大切に,「今」をちゃんと生きればいいんです。「今」を一生懸命(いっしょうけんめい)生きる!人生頑張(がんば)っただけ,ご褒美(ほうび)がもらえるんですよ。それに,人生は(つら)い事があった分だけ幸せな楽しい事がある。だから(あきら)めずに,頑張(がんば)って楽しんでみてくださいね!

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私のおすすめ本

渡辺尚子
渡辺尚子尊敬する師匠が創った素晴らしいスターネットについて書かれた本。渡辺さんの綴った最初の数ページの言葉に落ちた。そこには全てが揃っている。本物志向の同じ気持ちを持った仲間も集まってくる。仕事で関わる前は、完全に自分のスイッチをオフにして過ごせる場所だった。今でも大切な場所。
ガブリエル・バンサン
鉛筆で書かれた絵だけで、言葉がない絵本。仕事が忙しく、頭の中や心が乱れた時、気持ちがリセットできる。スタッフにもよく読ませます。すると、みんな気持ちが真っ白な状態になるからオススメです。

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どんな仕事?
取材・原稿作成:(c)学校ネット株式会社(倉田)