仕事人

社会にはいろいろな仕事があるよ。気になる仕事や仕事人をたくさん見つけよう!

東京都に関連のある仕事人
1971年 生まれ 出身地 東京都
宮澤みやざわ 幸弘ゆきひろ
子供の頃の夢: 大工 、外交官
クラブ活動(中学校): 野球部、サッカー部
仕事内容
工場の安全管理と経営を行う
自己紹介
前向きな性格だと思います。休みは、ゴルフが趣味(しゅみ)なので・・・

※このページに書いてある内容は取材日(2006年12月19日)時点のものです

金属の部品を作るために必要な“金型”

金属の部品を作るために必要な“金型”

(わたし)は,金属(きんぞく)の部品を作るために必要な“金型”を作る工場の社長をしています。(わたし)の会社はそれほど大きな会社ではないので,社長の(わたし)も金型を作る仕事をしています。お客様からもらった製品(せいひん)の完成図を見て,「その製品(せいひん)を作るためにはどんな型が必要になるか」を考えて,CAD(キャド)というプログラムを使って設計図(せっけいず)を作り,型を作る機械で作業を行い,数時間かけて型が出来上がります。型ができた後は,試しに使ってみて,お客様が求めるものが出来上がったかどうか確認(かくにん)してから(わた)します。注文されてから出来上がるまで,だいたい3週間くらいかかります。金属(きんぞく)製品(せいひん)のほとんどが,この金型がないと作れません。金型を使うと,切る・曲げる・(つぶ)す・しぼるなどの加工方法で製品(せいひん)を作ることができます。みなさんが知っているものだと,ジュース(かん)に使われているアルミ(かん)は,一(まい)金属板(きんぞくばん)をしぼり出してあの形が作られています。型を使うと,同じ製品(せいひん)を大量に作ることができるし,1つ型があればずっと使うことができるんですよ。

社長としての仕事

社長としての仕事

型を作る仕事の他に,社長としてのとても大切な仕事があります。それは,自分の生活だけではなく,従業員(じゅうぎょういん)の人たちが健康で安全に働き,お金を(かせ)いで楽しく生活してもらうために,会社の経営(けいえい)について考えることです。そして,良い製品(せいひん)を作ってお客様に満足してもらわなければお金を(かせ)ぐことができないので,製品(せいひん)がしっかり作れるかどうかを管理することは,とても重要なことなのです。

社長としての悩(なや)み

社長としての悩(なや)み

(わたし)たちの仕事は,機械を動かしたまま帰らなければならないことが多いのですが,もし夜中に機械が途中(とちゅう)で止まってしまったら,納品(のうひん)が間に合わなかったりしてお客様にご迷惑(めいわく)をかけるので,気になって朝は早く工場へ向かってしまいます。安いお金で(たの)まれた仕事には,時間もお金もかけずに型を作ることが望ましいのですが,どうしても時間をかけて良いものを作ろうとしてしまいます。時間をかけないで簡単(かんたん)に作る技術(ぎじゅつ)が足りないということなのかもしれませんが,会社を経営(けいえい)するということは「お金を(かせ)ぐ」ということと背中(せなか)合わせなので,こだわり()ぎてもダメで,自分のこだわりと(かせ)ぐということを自分の中で相談する毎日です。

父の一言で決めた転職

父の一言で決めた転職

工場を始める前は,旅行会社で働いていました。その(ころ)は,自分が行ったことのない場所なのにお客様に(すす)めたりもしていて,「本物ではないものは(いや)だなぁ」と思っていました。そんな時に,父から「今の仕事よりもっと給料が良くなるんじゃないか?」と父と同じ工場の仕事に(さそ)われたことをきっかけに,この世界へ入りました。会社を立ち上げるということにも興味(きょうみ)があったので,父の会社の子会社を作って社長になりました。もともとは旅行会社を立ち上げたかったのですが,始めてみたら「ものづくりっておもしろい!」と思うようになりました。

自分の作ったものに反応や評価が帰ってくる

自分の作ったものに反応や評価が帰ってくる

金型から作られる部品は,何かに使われるものです。そして,(わたし)達が作った金型がきちんと使えるかどうかという結果がはっきりと出る物です。金型の(しつ)が良ければ,その金型を使って作られる製品(せいひん)(しつ)も良くなり,お客様にも喜ばれます。(わたし)たちは,世界に1つしかないものを作っていて,その世界に1つだけの自分が作ったものが,金型の買い手に喜ばれたり,もっとこうして()しいと注文を受けたりなどの反応(はんのう)評価(ひょうか)が毎日あるので,やりがいを感じることができます。自分の作ったものに対する反応(はんのう)評価(ひょうか)を毎日つきつけられることで,(うそ)のない「本物の世界」に生きていると実感しながら,自信を持って働くことができることがこの仕事の魅力(みりょく)です。

社会に対して「誠実」でなければならない

社会に対して「誠実」でなければならない

工場の社長になり,経営(けいえい)や物を作るということについて考えているうちに,会社として,個人(こじん)として,どうしたら人や世の中に(みと)められるのかを考え始めました。そうしたことで,世の中の仕組みを具体的に考えることができるようになったのと同時に,「自分のやりたいことをする」ということがとても大変なことだということが分かりました。そして,会社も,(わたし)個人(こじん)も,社会の一部であり,社会があってこそ自分は生きていられるのだから,社会に対して「誠実(せいじつ)」でなければならないとも思い始めました。つまり,(うそ)をつかず,取り繕(とつくろ)わないで仕事をする,ということです。(わたし)はこれが分かっただけでも,ものづくりをする工場の社長になって本当に良かったと思っています。人間はずっと疑問(ぎもん)を持ち,このままの自分で良いのだろうかと自分自身に問いながら,人生を歩んで成長していくのでしょう。

好きなことを飽(あ)きるまでやろう

好きなことを飽(あ)きるまでやろう

人間は一人では生きることはできません。でも,どうしても「みんな一緒(いっしょ)に」ができないことがあるのも事実です。人生には一人で乗り越(のこ)えなければならないことはたくさんあります。だから,一人で生きていく能力(のうりょく)をつけてください。どんなにマニアックなものでも(かま)いません。例えば,マンガが好きなら毎日マンガを読み,野球が好きなら毎日野球をしてください。()きるまでやったら,きっとそれが自分の自信になっているでしょう。

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