仕事人

社会にはいろいろな仕事があるよ。気になる仕事や仕事人をたくさん見つけよう!

神奈川県に関連のある仕事人
1975年 生まれ 出身地 神奈川県
とんかつてんてんちょうとんかつ店店長
柿本かきもと 晃令あきよし
子供の頃の夢: 大工
クラブ活動(中学校): なし
仕事内容
とんかつを作る・店員を指導する
自己紹介
一つの事に集中しやすい性格せいかく趣味しゅみは読書をする事。休みの日は、ゆっくりとごす。

※このページに書いてある内容は取材日(2010年04月14日)時点のものです

店長のさまざまな仕事

店長のさまざまな仕事

わたしは,川崎かわさき駅の地下街にある「和幸わこう」というとんかつ店の店長をしています。お店には食べるところ(約30席)とお持ち帰りのとんかつを売るところがあり,会社員や主婦しゅふの方など1日350人くらいのお客様がいらっしゃいます。お店で働いている人は25人いますが,いつも全員が店に出ているわけではありません。早番はやばん遅番おそばん,休み,などそれぞれの出勤しゅっきんする時間が勤務きんむシフトで決まっていて,いつも7人くらいが店に出ています。店長であるわたしは,調理,接客せっきゃく,材料の発注,お店で働く人の採用さいよう,教育,管理など,さまざまな仕事をしています。

お昼と夜7時,夜9時がいそがしい

お昼と夜7時,夜9時が忙しい

朝11時の開店の1時間前に店に行き,調理場で材料を切ったりご飯やみそしるを作るなどの準備じゅんびをします。ご飯とみそしる,キャベツはおかわり自由なので,たっぷり用意するんですよ。材料は毎日,キャベツ40,お米60kg,肉40kgぐらいにもなるんですよ。開店すると,フロアに出て注文をとったり料理を運んだりします。お店がむのは,お昼と夜7時くらいの夕飯どき,さらにお客様が家に帰る前に立ちってくださる夜9時すぎです。夜10時に閉店へいてんしたあとは,食器や調理道具などの片付かたづけと,仕入れなどの準備じゅんびをして帰ります。いつも開店前から閉店へいてんまでいるわけではなく,おそ出勤しゅっきんする日もあれば,早く帰る日もあります。わたしがいないときにも,きちんとお店が運営うんえいされるようにすることも,店長の仕事のひとつです。

きびしい店長!?

厳しい店長!?

お店の人が気持ちよく働けるように気を配ったり,新しくアルバイトの人をやとったりすることも店長の仕事です。店員の働き方をよく見て,必要におうじて指導しどうします。お客様へのせっし方が上手ではない店員には,「あなたが食事をするとき,心のこもった親切な店員さんと,いい加減かげんな店員さんと,どっちがいいですか?」と質問しつもんして,お客様の立場に立って考えてもらいます。仕事は,ただお金を得るためだけのものではありません。仕事をすることで,自分もまた成長し,幸せになれるのです。せっかく働くのなら,お店での仕事を通じて,働くことの意義いぎや喜びを知ってほしいと思っています。みんな最初はわたしのことを「きびしい!」と思うみたいですが,だんだんと理解りかいしてもらえることが多いです。

お客様を第一に考える

お客様を第一に考える

お客様に喜んでいただくためにはどうすればよいか,いつも考えています。その1つに調理の技術ぎじゅつがあります。たとえば,とんかつの形を例に挙げましょう。とんかつの肉は最初から四角いわけではなく,肉のかたまりを切って,四角く形を整えます。けれども,うまく形を整えないと味にばらつきが出てしまうので,技術ぎじゅつが必要です。おいしいとんかつを作るためには調理技術ぎじゅつが必要なのです。とんかつ和幸わこうには,会社独自どくじ調理師ちょうりし技能ぎのう検定けんていがあり,わたしは6年かけて,3級,2級,1級に合格ごうかくしました。1級を持っているのは会社でたった12人だけなんですよ。また,フロアでは,お客様をお待たせすることがないように,お客様一人一人に気を配っています。「注文が決まったようだ」「おかわりをたのみたそうだ」など,お客様の希望を察知して素早すばやく動くように心がけています。そして,お客様がお店から帰るときに,「ああ,この店に来てよかった!」という気持ちになっていただきたいですね。

「おいしかったよ!」のひと言

「おいしかったよ!」のひと言

今までで一番心に残っているのは,「柿本かきもとくん,おいしかったよ。ありがとう!」というお客様の言葉です。名前をんでいただいて,とてもうれしかったのを覚えています。そのほか,「お店に行ったらつかれがとれたよ」と言っていただいたこともあります。お客様に喜んでいただけたら,わたしのそれまでの苦労もつかれもすべてき飛んでしまいますね。うちのとんかつを食べて,みなさんに笑顔になっていただけたら最高です。

料理が大好き

料理が大好き

子どものころから,料理をするのが大好きでした。中学生のころから,自分でお弁当べんとうを作ったり,一週間に1度は夕飯を作って家族に食べてもらったりしていました。好きな女の子にお弁当べんとうを作ってあげて,両想いになったこともあります(笑)。「おいしい」って言ってもらえるのがうれしいから,本を買っていろいろ研究もしました。さらに,高校生のときに「料理の鉄人」というテレビ番組を見て,一流の料理人がうでを競い合う姿すがたを「かっこいい!」と思ったんです。あこがれですね。それで,料理人になろうと決めました。高校を卒業後,専門せんもん学校に行って調理師ちょうりし免許めんきょをとりました。

病弱を克服こくふく

病弱を克服

実は,子どものころは体が小さく,よく病気にもかかりました。ぜんそくもひどく,歩くときもゆっくりとしか歩けないことが多かったです。体育の授業じゅぎょうはいつも見学していました。それでも,小学校の3年から6年の間は1日も休まずに学校に行きました。具合が悪くて,親に「休んでもいいよ」と言われても,「絶対ぜったいに行く!」といって学校に行きました。中学校でも皆勤賞かいきんしょうでしたよ。「体が弱い」ということに負い目を感じていましたが,休まず学校に行けたことが自信になったのだと思います。それからは,学級委員とか応援団長おうえんだんちょうとか,みんなのリーダー役を進んで引き受けることもできるようになりました。

くじけず前を見て進もう

くじけず前を見て進もう

小学2年生のときに病気が重くなって,とてもつらく苦しい毎日をごしていました。けれども,友達や家族のはげましのおかげで,病気に立ち向かうことができました。今わたしがこうして元気で働いていられるのは,家族や友達のおかげだと思います。みなさんも,つらい事や苦しい事に出会ったとき,周りを見回せば,決して一人ではないはずです。手を差しべてくれる人がいるはずです。後ろをり返ってくよくよせず,明るく元気に前を見て進んでほしいです。そうすれば,必ず道は開けるはずですよ。

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取材・原稿作成:横浜銀行、(c)学校ネット株式会社