※このページに書いてある内容は取材日(2017年08月16日)時点のものです
手や足の爪をきれいにする仕事
サロンでお客さまに施術し,新しい技術も磨く
店舗の営業時間は9時から19時です。オープンの1時間ほど前にサロンに来て,準備をします。一日の予約のチェックや掃除,商材や器材の用意など,全て一人で行います。一日2~3人のお客さまにそれぞれ2時間半ほど施術をします。
施術では,まずお客さまにデザインを選んでいただきます。サンプルや雑誌,インターネット上の写真などから,私とお客さまの間でイメージを共有してデザインを決めます。デザインが決まったあと,1時間ほどで爪の甘皮を整え,前についていたネイルの除去をするなど,爪のケアと下準備をします。準備が整ったら,次はデザインを作っていきます。ベースジェルを紫外線ライトなどで固めた後,色を塗ったり,ブラシで線や絵を描いたり,ストーンなどの装飾を置いたりすることで,ネイルを美しく装飾します。
施術の予定が入っていない時間には,ネイルブラシやネイルシール,コットン,ガーゼなどネイル用品の在庫の管理や,ネイルデザインのサンプルを作成したり,経理の作業もします。他にも,ネイルのモデルさんに週1,2回来てもらい,新しいデザインを試したり,ネイル関連の検定試験やコンテスト出場に向けた練習をしたり,ネイルアートの研究や技術の腕を磨いています。
細かい部分まで丁寧な仕事を
ネイルのスクールに通っていた当時,先生からは「面倒がらずに丁寧に仕事するように」と言われました。それは,ネイリストが考えるよりずっと,お客さまは自分の爪の細かいところまで見ているからです。どんな作業をするときも,丁寧に,正確に,そしてお客さまの爪をより美しく見せるように,一番気をつけます。また,お客様に施術中リラックスしていただけるように,お店の雰囲気をよくすることを心がけています。お店のデザインや設備の美しさや清潔さに気を配り,接客ではお客さまとの会話を大事にして,お話をしっかり聞くことが大切です。お客さまの趣味やご家族のことなども,きちんとカルテに記入し覚えておくことで,お客さまごとに信頼関係を作ります。
「ありがとう」のために技術の向上を
自分でお店を開く前から,私の施術を気に入ってずっと来てくれているお客さまがいます。そういったお客さまや,新しく来てくださったお客さまに「ありがとう」「来てよかった」と言われることが一番うれしいです。また,ネイルの施術中はお客さまと一対一で話すので,自分も知らない仕事のことや趣味のことなどをたくさん知ることができて,とても楽しいです。
大変なことは,新しいデザインや技術を導入するための練習をしなければならないことです。自分が「こうしたい」と思いついた新たなデザインや技術も,雑誌などで研究し,完成まで試行錯誤しなくてはいけません。大変ですが,新しいデザインなどをうまく完成できたときはうれしいですね。
コンテストへの挑戦が自信に
ネイリストの技術を競うコンテストがあります。東京以外で開催されることも多く,そうした場合は移動も大変です。仕事の合間や,仕事が終わったあとに練習をしますが,子どもたちを寝かしつけた後に夫の爪で練習することもあります。
コンテストで大変なことは自分の思い描いたイメージ通りの作品がうまくできないときです。私の場合,作品づくり中にイメージがまとまらず一度つまずいてしまうと,その後は何をやってもうまくできなくなってしまいます。いくら練習してもできなかったり,できない自分に悔しい思いをしたことも多いですが,やり続けることによって得たことも多いです。その結果,コンテストでも評価されるようになり,いい結果が出ることもあるので,より上を目指して今後もチャレンジを続けていきたいと思います。
2本のマニキュアがプロを目指すきっかけに
小さいころから,かわいいもの,キラキラしたものが好きでした。2才年上の従姉が,ビーズやラインストーンで飾られたキラキラした洋服やアクセサリーなどを持っていて,見るたびにあこがれていました。中学2年生のときに,その従姉が白と水色のマニキュアを私に塗ってくれて,さらにそのマニキュアをプレゼントしてくれて感動したことがあります。その経験が美容師やネイリストになりたいと思ったきっかけです。
本格的にネイリストになろうと決めたのは,高校生のときです。高校生になると,雑誌やお店で見たネイルのデザインを家で再現してみたりしていました。高校卒業後は早く家を出て独立したかったこともあり,働きつつ学校に通って勉強できるネイリストを目指すことにしました。「ここだ!」と思った学校を見つけ,それから2年間,週1回,約4時間のプロフェッショナルコースに通いました。卒業後はすぐにネイルサロンで働き始めました。2年ほど働いた後,半年ほど開店の準備をして,自分でネイルサロンをはじめました。